pcを打っていたら、すごいと声が
かかった。
え?なにがすごい? アプリで家計簿
つけていただけなのに。
ここは老齢者が住まうサ高住。インター
ネットが各戸に届いていなかったころ、
可能な集会室でpcのキーをたたいてい
た。
まるで、音符を拾う楽器演奏と同じ。
分からないものには永遠に理解できない
世界だろう。
新型コロナウイルスワクチンの予約を電
話以外で受け付けたとき、混乱が起きた。
「さくら、さくら」と弾いてごらんと言
われても、簡単といわれても、仕組みが
まるっきり知らないものには、未知の世
界かも。
世はラインの世界らしい。私も辛うじて
ラインの仕組みはならった。しかし、兄弟
で「元気か」なんて小さな字を打つ気には
なれない。かけ放題の電話で長電話をして
いる。
そうはいっても、年寄りがpcやスマホを習熟
するのを世の中は待ってくれない。
加速する社会のデジタル化に、高齢者は取り
残されているのではないか、と今日の新聞は
問う。
私もそう思う。でも、高齢者にその気を期待
するのは無理ではないか。