絵本と児童文学

絵本と児童文学、子ども、保育、サッカーなどの情報を発信する

人間も動物なんだ

2006-10-20 20:48:37 | 子どもからの発見
 年長組になると、空想や想像力だけではなく知識を必要とするようになる。暮らしにリアルに参加するためにも、知識がほしくなる。取り込んだ知識を元に、ごっこあそびなどで新しい想像の世界を作り出そうとする。
 それに見方によっては小学低学年より、ものの道理にそって行動しようと理性的年齢でもあるのだ。それも知識や納得できる道理を獲得しながらである。

 さて、図鑑について話すことにしよう。幼児期から小学生時代に多くの子どもが通過する動物、魚、虫、鳥などの図鑑である。
 昔から使われているのは、小学館と学研のものである。ところがフレーベル館のナチュラというシリーズが幼児期から小学中学年ぐらいにはとてもよくできている。
 この図鑑の特徴として、
 ・体や暮らしが分かる図解
 ・種類が分かる図鑑
 ・詳しくなる特集 
としている。
 コラムが「やってみよう」「見てみよう」「しぜんを知ろう」「しぜんは大切」として、関心のあることに分け入っていくようにつくられている。
 子どもの興味を膨らませる、あるいは問題解決が可能なようにつくられている。それに割付というか、デザインが親しみやすく分かりやすいように工夫されている。

 『ナチュラ3 どうぶつ ほにゅうるい/はちゅうるい』(04年9月発行)は、冒頭は哺乳類と爬虫類カテゴリーに分けて、理解できるようにしている。
 次におっぱいで育つのページには、野生動物とともに人間が載っている。当たり前のことなのだが、海は「にんげんもどうぶつなんだ」としみじみとした口調で確かめるように言った。幼いときから人間も動物という、自然界にともに生きているという知識と感性が必要なのである。
 さらに世界地図とともに「どうぶつは世界中にすんでいる」と展開していく。

 海はある時期は動物、またある期間は魚、そして昆虫といった具合に興味を移しながらもこの図鑑のシリーズで汲めども尽きない不思議と知識に格闘しているのである。その際身につけている、索引引きが大いに役立っている。