Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

RUFUS featuring SLY STONE 1/23 2nd @ Blue Note

2010-01-24 15:27:18 | その他のライブ
前日、ブルーノートに電話してセカンドの受付時間を確認する。
通常7時だが、たいへんな混雑が予想されるため、大幅に受付時間を早める予定とのこと。
どれくらい早くなるのかと尋ねたが、電話に出た担当者の「それは申し上げるわけには・・
そこのところを分かって欲しい。」という言外の雰囲気があり、それ以上踏み込めなかった。

そこで、6時15分頃着を目指してブルーノートへ。
ゲットした整理番号は29番。入場開始は8時。
ブルーノート隣のレストラン「アディングブルー」では、ブルーノートのセカンドに間に合うように
食事が済ませられるムニューエクスプレスがある。
行ってみると、その日はウェディングパーティーで貸切。

何軒かお店を覗くが予約が一杯、貸切、などが続く。
このままだと246まで出てしまう、あまり遠くなるのもと思い、
もうスタバで時間を潰そうかと思った時に、「青山バル」の看板が。
地下に行くと予約で一杯だが、外のテラスの端に席を作ってくれた。
寒いかと思ったら、ストーブとエアコンがあり、周りはビニールシートで覆われていて暖かい。

お店の人に「7:45には食べ終わって出たい。」と断ってから、
スペインコロッケ、トルティーヤ、パブリカのマリネ、牛ばら肉とキャベツのグリル、内臓の煮込み料理。
すべて小皿料理をオーダー。
7時半まではハッピーアワー、飲み物が半額とのことなので、
スパークリング、赤ワインなどを慌てて飲む。
席が窮屈じゃないかとお店のスタッフ達がいろいろ気を使ってくれる。

7:45になると、呼ぶ前にお会計に来てくれて、「これからブルーノートですね?」
「なんでわかるんですか?」
「そんな感じしてます。」(笑)
コートを預かってくれたスタッフも「ブルーノート、楽しんできて下さい!」
出口で見送ってくれる。
とても良いお店でした。

さてブルーノートに戻ると1stが終わって出てきた人と、2ndの待ち客とでロビーはごった返している。
私はこの日のドレスコード、間違ったような気がしてきた。
光り物の帽子、金銀ラメのスカート、バッグ、トップを着ている女性。
ノースリーブ、男性も半袖が多い。この理由は後でわかる。
一か月前のエリックべネイの時とは完璧に客層が違う。
年上の人もいるが、若者、男性が多い。
この日のブルーノートの雰囲気、ファンクブラザースの出演した時のコットンクラブを思い出した。
あの時も年齢層が思いの他、普段のコットンクラブよりも若く大盛況だった。

今回のブルーノートのスライ&ルーファス、若いだけではなく、
かなり個性的な人たちがロビーで待っていた。
男性のアフロ、腰までのロングヘア、赤や金、彩り鮮やかな髪の人。
被り物も多い。キャップ、コサック帽、ベレー。

29番、アリーナは無理かと思いきや、ステージに向かって左、2列目の3番目、4番目の席の奥側に入れた。
周りの人は単数、あるいは10番代の番号。
脇の通路はアーティストの通り道。
けっこうラッキーなシチュエーション。

8:45の予定が遅れて9時頃にルーファスご一行が現れる。
トニーはギターを弾き歌いながら登場。
その瞬間、みんな立ち上がった。
今まで、ライブで私が立ち、周りも立つとか、周りが立って私も、あるいは私だけ立つ、
そういうことはあっても、自分が立ちあがったのとみんなが立ったのが同時、これは感動。

"Once You Get Started"に始まり、4曲目の"Dance With Me"までずっとスタンディング。
みんな、ノリがいいというか、正しいノリ方をしている。
時々、ライブで0.5拍ずれてハンドクラップしている人とか、ちょっとノリが変、
合いの手の入れ方、違うなぁと思う人が近くにいると気になる。
昨日の観客はもう、バリバリのファンで正統派、見ていて気持ちが良い。

ステージにいったい何人乗っているだろうかと数える。
ボーカル、その時は5人、ホーン2人、キーボード3人、ギター、ベース、ドラムス、全部で13人?!

「さて少し、スローにペースを変えようか?」
いったん着席。
マダム・ディーの"Growing In Circles"
他の女性ボーカルとは違ったフォーマルなモードで深々と三方に礼をしてから、歌い始める。
クラシックのオペラ歌手のようだ。
しっとりとした曲が、心に響く、というよりも心を突き抜ける圧倒的な歌唱力。

"Do You Love What You Feel"
で観客は再びスタンディング。
"Tell Me Something Good"
"Sweet Thing"
"Have A Good Chance"
観客にも歌のフレーズや"Party!"などシャウト、バックコーラスをどんどん要求。
熱気がムンムン。凄く熱くなる。半袖やノースリーブの人はこれを知っていたのかな?
ジャケットを脱ぎ、スカーフも外す。
"You're GotThe Love"
エリック・べネイもこの曲はチャカ・カーンと10年近く前にライブでデュエットした。
トニーはギターでジミー・ヘンドリックスや他の伝説のギタリストのコピーも演奏。
「彼らは僕のヒーローだった。今も心の中に生きていて、彼らの魂はここに一緒にいるよ。」

客席から"Ain't Nobady"と何度も叫ぶ人がいた。
「誰かが何か言ってるけど?」「なんて言ってるの?」
「エイント ノバディ!」
「よし、じゃあ、やろう!」

その後、いったんルーファスが舞台を降りた後、客席は異様な興奮が満ちてきた。
気がつくと、スライが通ると思われる通路に人が殺到。
もちろん、私も。
「スライ!スライ!」と掛け声が。
20代とも思える若者たちがたくさん。
皆、上気した表情でスライの登場を待っている。
1人の若者からにこやかな表情で手を差し出され、思わず握手。

あまりに人が集まったせいか、ステージに向かい、右側からスライは壇上へ。
"Dance To The Music"
髪は紫ともピンクとも言える。

次にキーボードに向かい、"If You Want Me To Stay"を歌い始めたスライ。
キーボードの周りを20人位が囲んでぎっしりスタンディング。
もちろん私も。
その後ろをさらにまた何人もの人が遠巻きにしている。
もう、スライが出てきてから、席なんて関係ない状態になっている。
右に左に、前に後ろに、スライに合わせて観客が波のように打ち寄せる。
女性はバッグ、男性もジャケットにお財布とか入っていたと思うけど、
貴重品のことなどみんな眼中にない状態。

スライが歌っている、スライが弾いている、自分のすぐ近くで。
スライの鍵盤に向かう指先を見つめ、姿を焼き付け、耳を傾ける。
この時は、周りも先ほどまでのはじけ方から変わり、シーンと聴き入っていた。

"Thank You"で退場するスライは壇上から降りる時も、ストップモーションでスライらしく演出した。

スライの登場と共に、壇上にはスライの娘も現れた。
そして他のバックボーカルはチャカ・カーンの娘、トニーの娘もいる。
みんな、親の七光りではなく、実力を備えたボーカリストばかり。

"I Want To Take You Higher"
みんな、空に向かい、手を差し伸べ、熱狂はピークに。

スライは今度は私たちの側から退場。ブルーノートのスタッフとスライ側の付き人がきっちりガード。
手を差し出す隙もなく、スライと共に観客が移動していくので、姿も良く見えない。

アンコールが終わった時に、時計を見ると、10:45。
1時間45分もパーフォームしてくれたんだ。
周りの若者たちからスライは出ないけど、ルーファスのサイン会があると情報。

レジが空くのを待って、席を立った。
「良いライブだった。」と言うより、「もの凄いものを観た。」という感じだ。
中身の濃い1時間40分余りが終わり、はしゃぎ過ぎ、騒ぎ過ぎ、
踊って、叫んで、歌ったので、さすがにちょっと疲れてしまった。
しみじみとしたハッピーフィーリングが残るというよりも、花火の終わった後のような脱力感。
でも、最高のライブでした。

あれだけの大人数。
楽屋はどういう状態になっているのかとちょっと気になった。
スライだけ専用の別室でも用意したのかな。