Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

Leon Ware @ Cotton Club 12/31 2009 1st

2010-01-05 10:12:23 | その他のライブ
2009年の12月21~25日のEric Benetの来日、
このライブが終わったら、脱力感に年末の慌しさが加わり、このままだとその後、
寝込んでしまうかと思った。

そこで、次の予定を何か設定しておこうということになる。
今まで行ったことのない年末のカウントダウンライブ、調べると、リオン・ウェアには空きがあった。
1stショウはお食事付き、2ndショウはシャンパン付きで同じ値段。
2ndは、もう指定席がないが、1stにはまだシートCが残っている。
何も10:45からのショウを観て、カウントダウンしなくても1stで充分と決めた。

6時の開場より少し早めに着くと、もう行列ができている。
案内された席はステージに向かって左よりのシート。
やはりコットンクラブは駅から近いのも魅力だし、雰囲気がゆったりしている。

支配人のOさんに、エリック・ベネイをここでやるわけにはいかないのかと質問。
「その場合はお一人様、¥35,000前後になりますね。」
メイズ、フランキー・ビバリーを上回る。
なぜMazeは、あの値段でできたのかと聞くと、「あれはこちらの持ち出しです。」
でも企画として例えばステージを客席の真ん中に作り、いろいろな角度から演奏が観られるとか
そんなライブがあっても良いと話していた。
いろいろと実験的な試みを今後、展開して行きたいとのこと。
今回のリオン・ウェア、全く知識なく、マーヴィン・ゲイの"I Want You"を書いたライターとしてしか知らない、
と告白すると、「聴いてみると、知っている曲がいくつもありますよ。
夏の来日で大好評だったので、31日のライブは彼にお願いしました。」

ディナーはフォアグラのテリーヌが可愛らしくカクテルグラスに盛られているアミューズから始った。
前菜はホタテのカルパッチョ、メインはサーロインステーキのグリエ、
お魚にも変更可、魚は黒睦のポワレと聞いたので、一品ずつにする。
オリーブのマリネを追加で頼み、グラスのシャンパン、ワインなどをお願いする。
デザートには林檎のローストに生姜のソルべ添え。
これってお食事だけでもこの日のチャージ分くらいになる。
全員が同じメニューだからこそ、この価格でディナー+ライブが可能なのだろう。
食後の飲み物はそれぞれ、アイリッシュコーヒー、アールグレイティーをオーダー。
ライブに来て、こんなにゆっくりと食事を楽しむのは久しぶりどころか、
初めてかもしれない。

コットンクラブは落ち着いていて寛げる。
音も柔らかくて心地良い。
指定席なら途中で中座もしやすい。
今日は普通の客として(!?)のんびり観たいと思った。

7:30にバンドが登場。
ギター、ベース、ドラムス、キーボード、グランドピアノも用意されている。
銘柄が遠くてよく見えなかったが、ヤマハではなくてスタンウェイだったように見えた。
インストの後、女性バックボーカルの歌。
インド舞踊風の赤に金のトリミングがあるぴったりしたセクシーなドレス。
ゴールドの髪飾りを付けている。
ドレスアップは、この晩、その年の最後を迎えるために集まった観客への敬意でもある。

リオン・ウェア、黒の少し光沢のあるスーツに黒いタイ、そして帽子にサングラス。
オープニングは"Holiday"
もう、今日は手ぶらで来たのに、何か習慣になってしまって、セットリストをメモしたくなった。
ペンを持ってきてないので、化粧ポーチからアイブロウペンシルを出してきて、
メニューの裏に書き始めてしまった。

「今日は皆、ホリディーだよね。そして今年最後の日。
年の初めには今年の一年を、こんな年にしたいとか抱負があったと思う。
叶ったことも、そうでなかったこともあるかと思うけれど、
また来年につなげて、良い年へとしていって欲しい。
そのために僕ははるばる飛行機に乗って、ここまでやってきたんだよ。」
"Something"

「今年亡くなった偉大なアーティストが何人かいる。
その中でもやはり最も大きな衝撃だったのは、マイケル・ジャクソンだ。
あれから半年近くになるが、彼の死は大きな損失として記憶に新しい。」
"Where You Are"

"Give It Up"
そして、クインシー、マーヴィン・ゲイ、ミニー・リパートンの楽曲が続く。
「30年ぐらい前の自分はどうしようもないほどロマンティックな男だったんだ。
もちろん今でもその名残はあるけどね。」
"All About Love"
新しいアルバムから"Moon Ride"

ゴスペルソングも歌い、「今日、まだやり残したことがあるね。それはこの曲。」
マーヴィン・ゲイの"I Want You"
「この曲は自分のアルバムに入れるつもりだったんだけど、マーヴィンからどうしても欲しいと言われて、
喜んで譲ったんだ。」

歌い終わった後、客席を回り、階下に下がった自由席、指定席の観客と、握手や会話。
ピーボ・ブライソンのように全員ではなくて、階下の部分の観客のみ。
私も「東京に来てくれて、ありがとう。そしてHappy New Year!」と握手。

左手に登り、楽屋に戻る前に、彼はもう一曲歌い始めようとした。
ステージマネージャーらしき人物が止めに入り、短く曲をはしょってステージを後にした。
スタートしてから約2時間が経過。
大サービスとも言えるし、たぶんリハなしで本番、これがカウントダウンへのリハとも言える。

何人か大ファンらしき人がいて、目立っていたが、ふと見ると机に突っ伏して眠ってしまっている。
寝ている人を数人発見。目の前にはワインの空ボトルが。
年末の仕事疲れに酔いが回り、耳に心地良い音楽とソフトなリオンの声がもたらしたアルファー波の効用。
一方、自由席の角で心から楽しそうにリズムを取っていた年配の男性、
いなくなったと思ったら、後方の通路に立ち、踊りながら観ていた。

12月31日、昨年、最後の日は、一つ一つの曲を大切に、
多くのアーティストのために作り、自分も歌うジェントルマンなソングライター、
レオン・ウェアの柔らかなライブで終わった。

その後、新丸ビルの7階で年越し蕎麦を食べていたら、カウントダウンがフロア全体で始まる。
20秒から秒読みになり、蕎麦屋では全員に日本酒が振る舞われ、
フレンチではマグナムボトルのシャンパンを持ったソムリエが回っている。
面識のない若者達と乾杯をして帰路に着いた。
31日に外出したのは何年ぶりだろう?
電車が動いているのにも驚いた。

元旦の日は、親戚一同が会する。
姪はディズニーランドでカウントダウンをして、貫徹だと言っていた。
1月1日から大学生の姪とやっていることがたいして変わらない。
さて、今年はどんな年になることでしょう。
いや、どんな年にして行こうかな?
いくつか計画中のことはあるけれど、実現にいたるかどうか。
決めるのは自分だけではない、運命に導かれる力も大きい。

昨年の7月、ニューオリンズ、エッセンスミュージックフェスティバル、
関連イベントが行われたコンベンションセンター。
入場するなり渡されたバッジ、書かれた文字は"BELIEVE IN YOUR DREAMS"だった。