Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

南青山六丁目楽団@Body&Soul 1/26 2010

2010-01-27 14:47:51 | その他のライブ
サックス奏者、岡崎正典が我社で学生アルバイトとして働いていたのは、いったい何年前だろう?
法政大に在学中だった岡崎は楽器を持ち歩き、
良いストリートパーフォーマンスをしているグループがあると、
声を掛けて飛び入りで参加させて貰ったりすると話していたのを覚えている。
その後、バークリー音楽院の奨学金を獲得、アメリカへと渡って行った。

「ボディー&ソウル」のスケジュールに岡崎正典の名前を発見。
翌日は休日だったので、これならセカンドショウまでしっかり聴ける。
このお店のショウスタートは8:30、セカンドが10時過ぎ。
今までは1stだけで失礼していた。
前日に予約の電話を入れて、岡崎が出ているか、確認。
満席に近い状態らしく、指定したカウンターは取れずにバーの前の席になる。
Body&Soul
http://www.bodyandsoul.co.jp/

昨日は陽が差した日中は暖かく感じられたが、夜になってからは、風も吹き、めちゃくちゃ寒かった。
それでも、出掛けていくのは、岡崎正典がもちろん今現在、演奏者として素晴らしいだけでなく、
学生時代の彼がアルバイトで、きっちり仕事をして、後輩にもしっかり指導したりっぱな青年だったからだ。

8時前に入店し、自家製ピクルス、シーフード炊き込みご飯、牛頬肉の赤ワイン煮、などを注文。
オーナーマダムのKyokoさん、「その赤ワインソースは、ぜひパンに浸して食べて。」
フランスパンも追加。
このお店で本格的に食事をするのは、初めてかもしれない。
どれも美味しいくて、寒い夜に心温まる丁寧に作られた料理の数々。
食事中は赤ワイン、食後にはホットバタードラムをお願いする。

メンバーたちがカーテンでステージと仕切られた楽屋で、音合わせをしているのが聴こえる。
アレンジの確認を楽器ではなく、生声でしている。
みなさん、絶対音感を持ったプロ、歌声を聴いているだけで、演奏が楽しみになってくる。

1st、最初は南青山六丁目楽団のテーマソング。
このネームミングはオーナー。
そして、コルトレーンの"Blue Train"
オズの魔法使いから、"Over The Rainbow"は、サンバ風のアレンジが新鮮だ。
昨年、岡崎が参加した小曽根真のNo Name Horsesは、ラテンがテーマだった。
そこからインスパイヤーされたのかな?
"Take The A Train"
中低音ばかりのグループ、高い音の楽器がないが、決して地味にはならず、落ち着いた心和らぐ中に、
華やかさも感じるのはメンバーのセンスと技術ゆえだろう。

"Tenderly"
トロンボーン奏者、片岡雄三の演奏に岡崎の説明が入る。
この曲の演奏で片岡は、7ポジG音から1へと演奏を展開していく。
ボストンで学生をしていた時に、曲のアレンジの授業があり、これは手の長さや場所の広さも必要なので、
演奏者泣かせのアレンジ、譜面にやたら書くなと指導を受けたそうだ。
苦もなく、その演奏をこなしてみせた片岡に岡崎はエールを送る。
そして山岡潤の専門は、日本では珍しいユーフォニウムという楽器。

最後の曲は、Gigi Gryce "Hymn Of The Orient"

セカンドは、ルイ・アームストロング、"Strutting Some BBQ"
カウントベイシーの"The King"
「リパブリック賛歌」
コルトレーン、"I Want To Talk About You"
南青山六丁目楽団のアルバム収録曲でもある、コール・ポーター、"It's All Right"
スタンダードな曲で多いに盛り上がり、最後のアンコールはブルースでしっとりと締め括った。

「曲はまだたくさんあるけれど、この辺で。」
このユニット、それぞれが実力のある演奏者でスケジュールも先まで詰まっているため、
中々、セッションが難しいそうだ。
この場でオーナーのkyokoさんが次回は5月末と決められていた。

いつも慌ただしく1stだけで店を後にしていたが、初めて1st、2ndと通して観て、
完結した演奏を聴くことができた。
セットリストも前半、後半と合わせて考えられていることと思うので、全部を聴けて大満足の夜だった。
お店も4時間近く滞在したことになるが、音の反響も柔らかく、スタッフもフレンドリーで居心地がいい。

ジャズファンの常連のおじさまがセンターに座っていて、掛け声を掛けたり拍手喝采、
感動の余り合掌したり(笑)
煙草の煙が演奏者に向かないように、気を使って吸っている。
アンコールや、次回の出演も要求してくれた。
会場を仕切りつつあったその方を、マダムが「今日の主役はあなたじゃないのよ。」とやんわりと諫め、
大人の素敵な女性の貫録を見せる。
岡崎正典、南青山六丁目楽団の演奏、そして『ボディーアンドソウル』の雰囲気を堪能した夜でした。

南青山六丁目楽団
岡崎正典(ts)
片岡雄三(tb)
山岡潤(euph)
紅野智彦(pf)
小西忠哲(b)
高橋徹(ds)