Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

金子三勇士 リスト 二つのハンガリアン・ラプソディー

2010-06-17 21:15:55 | ピアニスト 金子三勇士
画像は金子三勇士、ハンガリー、ブタペストのドナウ川、ブタ河岸にて。

1851年から53年に掛けて、リストはハンガリー狂詩曲、第1番から第15番を作曲した。
これはこの数年前にハンガリーへ里帰りしたリストがジプシー音楽を聴き、
それをハンガリー的と捉えて、シリーズ化したものだ。

16番以降は余り知名度がなく、一般的に良く知られていて聴けば、
聴いたことがあると思い当たる、それがハンガリー狂詩曲第2番だ。
ホロビッツもアレンジし演奏している。

金子三勇士はリストのハンガリー狂詩曲の中で第2番と第12番、
演奏と録音がある。
この二つの曲はどちらもピアノソロだけではなく、オーケストラ用にリスト自身が編曲もしている。

金子三勇士が帰国して最初に録音したディスクにはハンガリー狂詩曲第12番が含まれていた。
16才の時の演奏。
重厚なテーマから始まり、途中は鈴の音のように爽やかだ。
そして民族音楽的なリズムが軽やかに続く。
今、改めて聴くと非常に金子三勇士らしい演奏に仕上がっている。

一方、今年の初めに録音された新しいディスク。
こちらにはハンガリー狂詩曲、第2番が入っている。
「ピアノの詩人」とされたショパンに対し「ピアノの魔術師」と言われたリスト。
そのリストの華やかさが燦然と輝くかの如くの楽曲。

トルナト―レ監督の映画「海の上のピアニスト」で船上で二人のジャズピアニストが対決、
そんなシーンがあった。
ピアノ上に置いた火のついた煙草が落ちないように演奏されたかと思えば、
次は鍵盤から火花が出るのではと思うようなピアノを聴かせる。

もしそれがクラシックピアノだったら、そんな時に相応しいのがこのハンガリー狂詩曲第2番。
難易度の高い曲であり、リストがピアニストの持てる限りの技術を酷使させる。
金子三勇士は力強く勇壮にこの曲を弾きこなしている。

さて待たれるのが、この曲の入った金子三勇士のCDの発売。
オール・リストのニューアルバム、リリースが待ち遠しい。