世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●小選挙区、2大政党政治の問題点 米国の民主・共和党の茶番をみながら

2013年10月18日 | 日記
幻影(イメジ)の時代―マスコミが製造する事実 (現代社会科学叢書)
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●小選挙区、2大政党政治の問題点 米国の民主・共和党の茶番をみながら

 今日は特に“見出し”のような話を長々するほど時間がない。ただ、最近筆者は、小沢一郎などが理想としていた、小選挙区選挙制度と2大政党体制による、いつでも政権交代のあり得る緊張感あるデモクラシー政治体制と云う面に、「そうなのだろうか?」というHATENAマークをつけるシーンが多くなった。なにも、現在の目茶苦茶な政治を平気で行っている安倍政権のようなものが、小選挙区選挙制度と2大政党と云う概念から生まれた事だけを見ているわけではない。

 どうも英国の2大政党デモクラシーの基礎には、欧州の歴史に色濃く残っている貴族制度が今なお、国民の中に脈々と受け継がれている部分が存在しているような気がしている。小沢一郎も英国の議会制民主主義を学んで、日本の政治に持ち込もうとした気持は良く判る。英国も日本も、ロイヤルファミリーの存在する国なのだが、貴族社会の系譜が未だに実存する英国と、米国によってズタズタにされた日本の貴族の系譜は、経済的バックボーンが国家の基礎とはなっていないし、心の片隅に身分社会性が消えうせている。此処が大きく英国と異なる。

 米国も2大政党制なのだが、21世紀に入って、この2大政党制の切磋琢磨する政治体制と云う理想は崩れているようだ。ここ1カ月の民主・共和党の、デフォルト騒ぎを餌に行っていた政治屋のパフォーマンスを見ていると自明な感じがする。大雑把な捉え方だが、このような現象こそが、21世紀世界の混沌を明示しているのだろう。このような混沌(カオス)は誰が望んだわけでもないのだが、行政官僚体制、外交防衛、新自由主義経済が同時並行で展開される時、否応なく惹起される世界的現象なのだと考えられる。

 新自由主義を基礎とするグローバル経済が富の偏在をもたらし、財政は富の再配分を阻み、いつの日か、一般生活者の生活レベルは、否応なく低下していくだろうし、それに急ブレーキをかけ停止させ、ハンドルを操作して、方向転換する為のエネルギーを国民が持っているかどうか、甚だ怪しいのが現実だ。このような世界、日本を取巻く激甚的環境変化を基礎にして、小沢一郎が考えている理想の政治が、いまだにタイムリーなものなのか、それとも変わらなければならないのか、筆者なりに考えてみることにする。無論、政界全体を見つめる目や、日本の現状を観察する視点が異なる人々には、到底受け入れられない観察になるだろうが、それこそが、個人の信条言論自由であるので、夫々が個々に考えれば良いことだ。最後に安倍政権の政策を揶揄する記事があったので、参考程度に掲載しておく。


≪ 倍返しでは済まぬ消費増税の対価 どうなる中小企業の不良債務37兆円

 アベノミクスの成果は上々とみて、安倍晋三首相は来年4月から消費税率を8%に引き上げる。日経新聞は14日の朝刊1面特集記事で、「景気回復、裾野広がる 円安が設備投資に点火」とはやし立てた。

  しかし、巷の様子はかなり違う。知り合いの大手税理士事務所には、中小企業経営者から悲痛な相談が殺到している。「円安に伴う原材料高すら価格転嫁できな いのに、消費増税分をどうやって販売価格に転嫁できるのか」「来年4月からの販売契約を結んだが、消費税率アップ分は認めてもらえなかった」などだ。

 中小企業は全企業数のうち99・7%を占め、企業従業員の66%を雇用している。大企業はいわば富士山の頂上部分で、中小企業はその中腹から下の分厚い裾野を形成している。

 今局面でアベノミクスの日が差して輝いているのは頂上だけで、中腹から裾野は依然として暗い。消費増税の嵐の直撃を受けるのは中腹以下の企業層で、大企業はちゃんと分厚い雲の上にいられる。

  グラフは企業規模別の経常利益の前年比増減率である。資本金10億円以上を「大企業」、1億円以上10億円未満を「中堅企業」、1000万円以上1億円未満を「中小企業」と分類した。一目瞭然、アベノミクスがスタートした今年1月以降、大企業は急速に収益を回復しているのに対し、中堅企業は4月以降に失 速、中小企業はアベノミクスの恩恵を受けることなく沈みっぱなしだ。*グラフ省略

 アベノミクスがどうして大企業と中小企業の格差拡大を生んだのか。  

  そもそもアベノミクスの成果とは、円安と、円安がもたらす株高である。円安は輸入原材料のコスト・アップを招いているが、大企業は価格交渉力が強くて、仕 入れコストの上昇を最小限に抑え込む一方で、抑え切れない部分は販売価格に転嫁する。ところが、中小企業は仕入れ価格の値上がりを飲み込まされるうえに、 販売価格を上げられない。

 しかも、大企業は輸出比率が高いので、円安に伴う収益増を満喫できる。中小企業の大半は内需中心なので、円安による原材料高の直撃を受ける。

 この格差は消費増税によってさらに拡大し、中小企業の疲弊が進む。政府・与党も、3党合意で昨夏、消費増税法案を通した野田佳彦前政権の民主党も、増税が 中小企業に及ぼす災厄に背を向けた。増税推進の政治家たちは、消費増税で社会保障のバラマキ財源ができて、有権者の支持を得られると計算したが、デフレを 悪化させ、経済を支える中小企業とその従業員の苦境を無視したのである。大企業偏重の増税翼賛メディアも同罪だ。

 リーマン・ショック後の「中小企業金融円滑化法」で棚上げされてきた中小企業約40万社の不良債務(銀行にとっての不良債権)は総額で約37兆円にも上ると推計される。年8兆円の消費税増収の対価は、倍返しでは済まないだろう。 
≫(産経新聞特別記者・田村秀男)

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