世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●すべてに通じる楽観主義と悲観主義 日本の主流はノーテンキ

2014年08月07日 | 日記
禅脳思考
クリエーター情報なし
フォレスト出版


ランキング応援よろしくです
人気ブログランキング

●すべてに通じる楽観主義と悲観主義 日本の主流はノーテンキ

 以下のWSJの心理学における楽観・悲観主義の考察と健康との関連を書いたコラムだが、この論争のようなものが、外交防衛軍事にも言えるし、さらにマクロやミクロの経済的展望においては顕著に見られる。このようなカテゴリーを越えた論争として読んでみると、中々味のあるコラムだ。どこが、どのように味があるか、賢明な人々には、充分理解可能だろう。これ以上の筆者の解説は不要と考える。仏教思想などに興味のある方や成熟論に違和感のない人々には、より興味深いコラムなのだと思う。

≪ 悲観主義の効能―長寿に寄与との研究も
 世界のPollyannaたち(訳注:小説「少女パレアナ(Pollyanna)」の主人公。貧しさや不幸に負けない明るい女の子で、転じて「極めて前向きな楽観主義者」を言う)に告ぐ。一服の悲観主義は、あなたの健康や寿命に役立つかもしれない。
  専門家たちは、悲観主義がその人の心理的、精神的な福利に有効に機能する場合があると指摘する。一部の研究は、将来について、より否定的な見通しを持つことは長生きで健康な人生につながるかもしれないことを突き止めた。悲観主義と楽観主義は、個性のスペクトラムの両端にあり、人々は総じてその中間のどこかにいる。
 米カリフォルニア大学サンディエゴ校のディリップ・ジェステ教授(精神医学、神経科学)は「人々が90%以上楽観的であるのがいいと、本や公の場で言われ過 ぎている」と述べ、「それは良くない。成功するためには、バランスの取れた見方をし、個性の中に多少悲観的な傾向をもった方がずっと良い」と語った。 それでも世間では、依然として圧倒的に楽観主義の評価が高い。ポジティブ心理学(人々をどのように一層幸福にするかの科学的な研究)で支配的な見解は、楽観主義が身体的にも精神的にもより健康をもたらすというものだ。この考え方が、楽観主義者にな るためのさまざまな啓発書やセミナーなどを生み出している。
  米ウェルズリー大学のジュリー・ノレム教授(心理学)は「われわれは楽観主義的な文化の中に置かれている。それだけに、人は例えば職場で、いつも否定的な人物だというレッテルを貼られたくないのだ」と述べた。しかし「集団が何かを決める時には、このような否定的な見方が必要だ、という認識が高まっていると思う」と語った。
  楽観主義と悲観主義には、異なる複数の類型がある。まず気質、つまり特性的楽観性と特性的悲観性は、将来について肯定的ないし否定的な予想を持つ基本的な傾向を持っている(分かりやすい例で言えば、グラスに水が半分残っていると考えるか、水が半分なくなってしまっていると考えるかの違いだ)。次に、説明(解釈)的な楽観性ないし悲観性は、なぜ悪いことが起こるかを説明するやり方だ(悲観主義者はしばしば自分自身を責めるのに対し、楽観主義者は外的な要因を責める傾向がある)。
  昨年、専門誌「Psychology and Aging(心理学と加齢)」で発表された研究論文は、将来を悲観する高齢の人々は、バラ色の未来を予想する人々よりも長生きし、健康な生活を送る公算が 大きいことを突き止めた。研究チームは約1万1000人を対象としたドイツの全国調査のデータを利用した。質問の中には、自分の生活にどの程度満足しているか、そして5年後にどの程度満足していると思うか、というものもあった。 65歳以上の回答者、およそ1300人に着目したところ、研究チームは比較的悲観的な人々の生存率や健康維持率が、比較的楽観的な人々よりも10%ほど高かったことを突き止めた。論文の執筆者で独エアランゲン・ニュルンベルク大学のフリーダー・ラング教授(心理学・老年学)が明らかにした。
  「自らの将来に対して防衛的悲観主義の見方をする人々は、予備的ないし予防的措置に力を入れる可能性が高い。一方、楽観主義者はこういったことを考えない傾向を持つ」とラング博士は述べたが、因果関係は証明されていないと指摘した。同博士によると、研究は健康状態や金銭的な状況などの要因を排除する調整がされている。
  2011年に出版された「The Longevity Project: Surprising Discoveries for Health and Long Life from the Landmark Eight-Decade Study(長寿と性格)」の共著者レスリー・マーティン博士は、1528人を80年間にわたって追跡した長期研究で同じような結果を得た。この研究は、子供時代に極めて楽観的だと特定された被験者たちが最も早く死亡していたことを示した。
  カリフォルニア州にあるラシエラ大学で社会・人格心理学を研究するマーティン博士は「(楽観性で)比較的低い層の子供が実際には長寿だったというこの発見は非常に興味深かった」と語る。同博士によれば、最も楽観的な子供は喫煙や飲酒、危険度の高い趣味を持つなど、より多くのリスクを取っていたことが分かった。
 しかし ケンタッキー大学のスーザン・セガストローム教授(心理学)は、こういった発見は、「楽観的でいることのベネフィット(利点)は、いかなるコスト(欠点)をも凌駕する」ことを示してきたこれまでの一連の証拠群と真っ向から矛盾すると言う。同教授は、2006年出版の楽観主義に関する書籍「Breaking Murphy's Law(幸せを呼ぶ法則―楽観性のポジティブ心理学)」の著者だ。同教授は、楽観主義者は「一般的な健康面、精神面、体力面で絶対的に優位に立っている」と述べる。
 楽観主義と悲観主義との比較が分かりにくくなり得る理由の一つは、その特質が外的な環境によって左右される場合が多いことにある。セガストローム教授は「もしあなたがある面で悲観的なら、別の面で楽観的である可能性がある」と指摘する。
  前出のカリフォルニア大学サンディエゴ校のジェステ博士は、楽観的と悲観的のバランスを保ち、両極端を避けるのが良いと考えている。同博士は「人々は悲観的よりは楽観的に傾くべきだが、100%楽観的なのはダメだ」と述べ、パーフェクトなバランスは分からないが、70対30くらいが良いのかもしれない」と 話した。 ≫(WSJ)

日本仏教入門 (角川選書)
クリエーター情報なし
KADOKAWA/角川学芸出版


 ランキング応援よろしくです
人気ブログランキング

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

よろしくお願い

https://blogimg.goo.ne.jp/img/static/admin/top/bnr_blogmura_w108.gif