acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

湯俣川 弥助沢~伊藤新道

2016年08月21日 19時04分20秒 | 山行速報(沢)

日程:2016年8月12日~14日

メンバー:sasa

ルート
8月12日:七倉-高瀬ダム-湯俣6:30-硫黄沢(野湯)-弥助沢15:00
8月13日:弥助沢(周辺散策)
8月14日:弥助沢7:30-伊藤新道9:30-赤沢12:20-湯俣15:30-高瀬ダム-七倉


12日、まだ暗いうちに七倉の駐車場を出発し、湯俣に6時30分到着。
水俣川の吊り橋は復旧されていて問題なく渡れた。

湯俣川の遡行を開始してすぐに噴湯丘があり、その周辺にはブクブクと温泉が湧き熱湯が流れている。
湯俣温泉の周辺は大雨のたびに川の地形が変わるみたいだ。しばらく河原沿いに硫黄や温泉が湧き出していた。
心配していた対岸への渡渉は膝から太ももくらいで、10年前の9月上旬と比べると今年の水量は少ない。
まもなくゴルジュ帯に入り、巨岩の上の斜面から高巻き用のトラロープが下がっているが、高巻きは疲れるので水線通しに腰まで濡れて通過。
しばらくは渡渉の繰り返しとゴーロ歩きが続く。湯俣川は全体的に斜面の崩壊が進んでいて、その中を縫って行く感じだ。

4時間ほど歩くと乳白色の水流が流れ込んでいる硫黄沢出合いに到着。ここにザックを置きタオルを持って温泉に入れる場所を探しながら硫黄沢を登って行く。
簡単には見つけられず諦めかけていたら、自然が作った立派な野湯を発見。
適度に深く岩の割れ目から硫黄の湯が湧き出していて丁度いい湯加減だ。
ここまで来ると沢全体がぬるい温泉になっているので、流れる沢の温泉も楽しめた。
簡単には人を寄せ付けない険しい道のりの先にある温泉、まさに秘湯といえるだろう。

12時に硫黄沢出合いに戻り、この先の湯俣川は石がヌルヌル滑りやすくなる。徐々に高度を上げはじめ、大岩の高巻きが何度かあり疲れがでてきた。
やがてモミ沢出合いを過ぎ、樅沢から弥助沢に入ると沢の水量が減り穏やかな流れになる。
弥助沢には石が多くなかなか良いテン場が見つからない。連泊するのでできるだけ快適な場所を探しながら進むと、左岸になんとかテントが張れそうなスペースを発見。
テン場には薪が豊富にあり、夜は焚き火とビールと泡盛で贅沢な時間が過ごせた。

13日、停滞日で周辺の散策。

14日、4時に起床。誰もいない弥助沢で、朝日に照らされた稜線を見ながらコーヒーを飲む。最高に気分が良い。
いつもの事で撤収に時間がかかり7時30分に出発。今日も快晴で朝から日差しが暑い。水を浴びながら沢を登る。
急なガレ場を登り終えると、弥助沢の源頭にはお花畑が広がり美しい光景だ。振り返ると槍ヶ岳と北鎌尾根、硫黄尾根が良く見える。
前回は三俣山荘近くの登山道へ詰めたが、今回は僅かな水流を追いかけて伊藤新道に詰め上がった。
北アルプスのこの山域は何度登っても飽きないなあ。去年の秋は三俣山荘から黒部源流を越え高天原温泉でのんびりできたなあと思い出す。
時間に余裕がないので三俣山荘には寄らずに伊藤新道の下山にかかる。伊藤新道はしばらく斜面のトラバースが続き、草付きを踏み抜いた足跡が数ヶ所あり注意して歩く必要がある。
カブリ岩を過ぎると高度を下げ始め、樹林帯入ると草付きも無くなり歩きやすい道が続く。
展望台から先は急な下りになりトラロープが何ヶ所か下がっていて、標高1950メートル地点では斜面が崩れて通行不能になっている。
周囲は急斜面なので簡易ハーネスとロープを準備し、回り込んで一段下がった地点から懸垂下降で崩れた土砂に降りた。
土砂と倒木を渡り周辺を良く見渡すと道を発見。この先は笹藪の切り開きになり滑りやすい。赤沢に出ると伊藤新道の入り口には緑色の長いホースが置いてある。
赤沢は崩壊が激しく速やかに通過したくなる場所だ。10分くらい下ると湯俣川に合流した。

湯俣川の長い下りで足や足首が痛くなってきた。
晴嵐荘に寄り温泉に入っていくと、行きにすれ違った山荘のお兄さんにまた会う。
今年、伊藤正一さんが亡くなったと聞いてとてもショックだ。
16時30分に晴嵐荘を出発して暗くなった頃、七倉の駐車場に着いた。

 

湯俣川の遡行スタート

湯俣温泉の噴湯丘

湯俣川の渡渉

湯船を探しながら硫黄沢を登る

ワイルドな硫黄沢の野湯

顔を洗うと目が痛くなる乳白色の湯

二つの温泉が楽しめる

ふたたび湯俣川を行く

弥助沢の幕営地

焚き火

ガレ場の急斜面を登る

源頭のお花畑を進む

弥助沢の源頭を詰め伊藤新道に合流

美味しそうな木イチゴ

伊藤新道はしばらくトラバースが続く

伊藤新道から望む槍ヶ岳と硫黄尾根

展望台の下で斜面が崩れて通行不能。簡易ハーネスと20メートルロープを準備する

垂直な岩場を懸垂下降

伊藤新道が崩れた斜面

赤沢には目印のホースがある

湯俣川のゴルジュ

湯俣に戻ってきた。水俣川を渡渉する

晴嵐荘の温泉で汗を流す

夕暮れの高瀬ダム湖畔

2004年、白馬からの縦走中に購入した黒部の山賊

 

 

 



最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (とし)
2016-08-26 16:04:44
こんにちは!14日弥助沢でお会いしたものです!あの日のうちに下山、ほんとにされたんですね。すごい!やはり湯俣川はかなり水量少なかったですね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。