acc-j茨城 山岳会日記

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キリマンジャロその4

2010年01月16日 14時09分46秒 | 山行速報(海外)
キリマンジャロその4

12月24日、我々6名とガイド1名及びアシスタントガイド3名、総計10名で、午前0時頃ギボハットを出発する。ここから頂上までは高度差1200m。ちょうど富士山5合目から頂上までと同じくらいである。傾斜も同じようなものでジグザクの急登が続く。しかし、空気が薄いので苦しさは富士山の数倍になる。驚いたことにガイド達は何も持っていない。ポケットに両手を突っ込んで鼻歌交じりに登っている。息に乱れはなく、やはりプロのガイドであると感じた。既に上部にいくつもヘッドランプの灯りが見える。何人もの人が苦しさのため立ち止まっている。我々のパーティも、スウェーデン嬢とN氏は先行するが、一人がだいぶ苦しそうで、つまずいて転倒した。その時ツアーリーダーのT氏が「ガストンさんは先行していいですよ」と声をかけてくれたのでN氏の後を追った。すると決められたかのように、すぐに私の後ろにアシスタントガイドが一人ついた。つまり2パーティに分かれた我々のパーティは、先行パーティに2人のアシスタントガイド、後行パーティにガイドとアシスタントガイドの2名、というふうになった。それは多分ガイドの指示によるものだと思うが、きちんと役割分担が決められているようで感心した。私もN氏も高度障害は何も出ず調子は良好。スウェーデン嬢はギルマンズポイントの手前で嘔吐したが、気分がスッキリしたのか元気を取り戻し、又歩き出した。5時35分まだ真っ暗なギルマンズポイント(5681m)に着く。


まだ暗いうちにギルマンズポイントに着いた

ギルマンズポイントまで登ると、登山口で登頂証明書(ガイドのサインが必要)が発行される。このギルマンズポイントまでの登頂率は50%と聞く。このギルマンズポイントに7時半までに着かないと、本当の山頂であるウフルピークまで行くことは許されない。ここで後続を待つのかと思い座りこむと、ガイドが「レッツゴー」と言う。あとで知ったことだが、体が冷えてしまうと高度障害が出てくるので、高所で待つことはしないのが一般的らしい。スウェーデン嬢がまた嘔吐する。彼女はもうこれ以上行くのは無理だろうな、と思っていたが、ガイドと彼女が少し話した後、再び歩き始めた。7時10分、3人共ウフルピーク(5895m)に着いた。


ウフルピークにて、N氏と


N氏とスウェーデン嬢


ギルマンズポイント方面 ちょうど富士山のお鉢周りと同じような感じ


頂上にある氷河

周りの景色を眺めると、氷河を含め、あまりのスケールの大きさに圧倒されそうだ。記念写真を撮るとすぐ下山にかかる。頂上には5分といなかった。後続パーティとすれ違い声を掛け合う。そのあと私に変化が起きた。めまいがするのだ。フラフラする感じ。気分はまったく悪くなく頭痛もない。ガイドはそれを察知したらしく、私が何も言わないのに、すぐそばにピタっとついてフォローしてくれた。さすがプロであると感じた一瞬である。


私に寄り添ってフォローしてくれたアシスタントガイド君


ギルマンズまで戻り資料を見ようとしたら字が2重になって読めない。メガネをかけてみたが読めなかった。ここで初めてめまいではなく、目の焦点が合っていないことに気がついた。完全な高度障害である。私と同じ症状が当パーティでN氏を含め3人出た。


富士山の砂走りみたいなところを下る。やっと見えてきたギボハット。ガイドの話では、あと15分くらいで着くとのこと

ギボハットまで降り、後続が着くまで少し昼寝をし、目が覚めたらこの症状は治っていた。全員そろったところでホロンボハットにむけ下山を開始する。途中、行きあったパーティに「ジャンボ」と声をかけたら「こんにちは」という返事が返ってきた。見ると、ミウラドルフィンズの低酸素室でのトレーニングで、同じ部屋になった女性だった。新婚旅行でキリマンに登りに来たそうで、頑張るようにと、少しお話して別れた。ホロンボハットで夕食の時、我々のテーブルクロスの上にワインが置かれていた。そうか今日はクリスマスイブなんだ。そのワインはガイドからのプレゼントであった。登頂祝いとクリスマスイブか、と、みんな一同感激し、イキなガイドの計らいに礼を述べた。

   キリマンジャロその5に続く       ガストンガニマタ


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