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acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

西上州・鍬柄岳南稜

2023年12月22日 19時24分57秒 | 山行速報(アルパイン)

2023/12/2 西上州・鍬柄岳南稜

そこここに突き出る岩峰
一つ登れば、その先に見えるトンガリが気になってくる
岩に触れゆく道にスリルと緊張感
西上州には、そういう楽しさが溢れている

鍬柄岳もその一つ
下仁田の街から北に見える岩峰
マルチピッチの練習も兼ねて南稜からのアプローチ
skmさん、nksさんと

駐車場からは鍬柄岳がよく見える
あの先端へ行くのかと思えば、誰しも高揚することだろう

指道標に従って登山道を行く
30分ほどの登りで基部に到着する

登り始めはいくつかルートが取れるらしい
できるだけクライミングの高さを確保しようと、登山道を大桁山方面に下って西面へ回り込む
あれこれ吟味して西面のコーナークラックを登路に定め、装備を纏う

今日はskmさんがオールリード
先日入会のnksさんはセカンドで、sakがフォローしながらラストというオーダー

1P
バンドを少し登ってコーナークラック
右壁にハーケン
用意したカムはサイズが小さく、クラックで支点が取れないようだった
支点を求めて左壁を行くが苦戦を強いられていた

クラックを抜けた立ち木でピッチを切る
本来、その先のリッジまで伸ばせると思ったが、苦戦に加えて岩の冷たさに指が悴んでしまったようだった

続いてnksさん
やはりクラックの所で逡巡するも、時間をかけて登りきる

立木まで到達したのを確認してからsakもクラックを行く
ここはレイバック気味に行くとホールドスタンス共に得やすい

2P
フェイスを少し登ったらあとは階段状をリッジまで
本来はここまでで1Pだろう

3P
目前の岩を右から巻いてリッジに登る
ここは岩を直登の方が楽しいかもしれない
途中にある枯れ木はぐらつくので要注意
松の木をよけてクライムダウンしたら安定のコル
少し上にリングボルトとハーケンがある

4P
フェイスを20mでテラス
skmさんはその上の松の木まで伸ばす
支点は灌木でとれるものの岩が脆いので注意

5P
容易なフェイスだが、やはり岩は脆い
15mほどで山頂

休憩をとったら、登山道で下山する
この登山道もほぼ岩場の下りで鎖伝いに降りていく
15分ほどだが慎重に

岩場基部でお昼時間
もぐもぐタイムをしながら主に支点構築を中心にレクチャー
本日の課題を復習して山を下りる

駐車場から振り返ると、鍬柄岳のトンガリ
いつだって、登り終えた後の山は少しだけ恰好良く見える

あれが鍬柄岳
街道からこのトンガリを見るたびに、今日を思うことだろう


sak

動画も↓

 


足尾・松木沢ジャンダルム中央ルンゼ

2023年12月13日 00時36分59秒 | 山行速報(アルパイン)

2023/11/24 足尾・松木沢ジャンダルム中央ルンゼ

 


砂利道を歩く
小石を踏む音に、この地の道程を思う

松木沢ジャンダルム
朝日に照らされたそれは、岩峰そのものが輝いているように見える

今日は中央壁・中央ルンゼを行く計画
skmさんと

ジャンダルムの基部を左に回り込んでいくと顕著なルンゼを見る
ここが中央ルンゼ
少し上の安定した場所で装備をつける

ジャンケンで勝ったskmさんはフォローをチョイス
sak先行で登り始める

1P(リード)
ルンゼを詰めるが、落葉がたまっており掃除をしながら行く
輝く岩峰にあってルンゼ内には陽が届かず手が悴む
次第にルンゼの両岸が狭まり、斜度も立ってくる
進路が岩で遮られるため、右の岩棚でピッチを切る

2P(フォロー)
岩棚から一段上がるところは右から岩がせり出していて窮屈
ここは左にスタンスを見い出すが、足下は切れ落ちているので少し緊張する
そこからは階段状
ルンゼの行き詰まりを左上する

3P(リード)
ほぼガレ場の歩き
3本クラック基部まで

4P(フォロー)
本来、中央ルンゼは右凹角を行くのだと思うがここは直上ルートに合流して真ん中のクラックを行く
NP経験はないというskmさんだったけどソツなくこなす
クライミングとしてはここが一番楽しかったのではないか

5P(リード)
左のルンゼを行く
両壁に足を突っ張ってジリジリと高度を稼ぐ
コブシ岩の肩まで

6P(フォロー)
コブシ岩の凹角を行く
ホールドスタンスともに豊富で楽しい登り

岩上で一休み
風は強いが、小春日和
今日の登りを振り返りながら、次の計画を語り合う
緊張から解放されたこういう何気ない時間に心満たされる

下降路の右ルンゼは、フィックス頼りでロープを出すことなく下ることができた
取付きまで戻ってデポした荷物をまとめたらあとは往路を戻る


きらめく水面に魚影を見る
それでも、あの頃には戻れない

人も自然も時に翻弄され変っていく
そして、ゆっくりと進む

松木村の今
水面に映る空は青かった


sak


↓動画も

 


会越 御神楽岳・水晶尾根

2023年11月21日 22時36分33秒 | 山行速報(薮・岩)

2023/11/9 会越 御神楽岳・水晶尾根


晩秋の善き日に会越・御神楽
思いは通じ、目指すは水晶尾根
azmさんと


-魔法なんて、幻想だと思ってた-

岩壁に咲く彩葉
神が創りし、不溶氷

沢を遡り、藪を漕ぎ、岩を攀じる
そして静かな山旅
それは魔法のようなシチュエーション


前夜、津川で車中泊
4時に起床し、蝉が平先の登山口へ
暗いうちから歩き出すが、スモヒラまでの道は結構スリリング

登山道を右に見送り、直進して広谷川に出る
ここで装備をつけて、遡行開始

季節は晩秋
流石に腰まで流れに浸かりたくはないので、概ねへつる
1か所あるゴルジュは右岸巻き
ラクダの窓沢を仰ぎ見て、しばし進むと本名穴沢

いくつかの滝を越えると視界は開け、岩峰を縫うように走るスラブが見て取れる
そして右岸、トマノ左俣の細やかな流れに入る

途中、azmさんがゴーロの中に水晶を見つける

水晶は日本の国石
身につけることで邪気を払い、災難を防いでくれる効果があるといわれる
「水晶尾根」はその名の通り神の創りし不溶氷を見ることができ、スピリチュアルな魅力にも溢れている

トマノ左俣沢を少し登れば、左岸に濡れたスラブが現れる
過去の記録ではこちらを登ると記憶していたが、なかなか大変な登りになりそう

ここで一考
濡れたスラブの少し上流右岸から小尾根に乗って地形図上の尾根末端を目指してはどうか?
湯沢の頭までの距離は長くなるが尾根には乗りやすそうに見えた

ひとまず、偵察
右岸の草付きをひと登り
突き出たスラブの基部を左から回り込んで、スラブ上
そこから10mくらいの岩登りをすれば、あとは藪がつながり容易に支尾根に乗れそうだった

とはいえ、沢慣れしていないazmさんにはちょっと辛い登りだったみたい
不安は装備で解消しておこう、との考えからロープを出す

尾根に乗ってからはリッジを進む
始めは藪尾根、すぐに岩峰が現れて正面の藪を繋いで行く
次の岩峰は右を巻くように進むとしばらく藪が続き、扇状に広がる岩壁
右には山伏ノドームの威容が見える
そこを左にトラバースしてから右上で尾根に乗る

ここからは細いリッジ
容易だが落ちるとただでは済まないので引き続きロープを出してスタカットで行く

リッジを進み、岩塔を左から巻いて緩いフェイス
さらに細いリッジを進めば核心とされる御神楽槍
これを右から巻き気味に登ると、前方に山伏ノ頭が見える
尾根を目で追うが、結構距離はある

さて、ここで一考
これまで、安全性を重視してスタカットできたために時間は予定を大きく過ぎ、陽は傾き始めていた
日暮れまでには湯沢の頭に到達していないと今日の下山は厳しいだろう

「登山道まで2時間で行きたい。ロープは出さないで行くので、ゆっくりでいいけど休まないで行こう」

azmさんに、そう伝えた
自分にも言い聞かせた

「言葉の力」
それは魔法とも言うのだろうか

幸い、そこからのリッジはこれまでと比べると斜度はなく、藪も濃くない
足元の切れ落ちた場所でのクライムダウンもあるが、足を丁寧においていけば、ロープは要らなかった

尾根を回り込みながら行く辺りは、下を見るとスラブが続き落ちたら止まりそうもない
何か所かでお助けロープを使いながらも、あれほど遠くに見えた山伏ノ頭も目前まで迫っていた

フリクション抜群の岩場を登って、山伏ノ頭
そこから湯沢ノ頭まで藪を漕ぎ、闇に呑まれる前に登山道に出ることができた

目前の危機は脱し安堵
さて、ここからが踏ん張りどころ

あとは登山道をコロコロと、と言いたいところだけどヘッデンで行く栄太郎新道はなかなかスリリング
途中ルーファイで右往左往する場面もあったが、慌てることなく道を見出しながら慎重に下る
GPSアプリ様様

azmさんは弱音を吐くこともなく歩き続けてくれている
「強い山屋になるかもしれない」
そんなことを思わせる歩みだった

スモヒラで空になった水筒を満たして、喉を潤す
最後の休憩で行動食を摂るが、すでに晩飯の時間は過ぎている
それでも心折れないのは、あの日の苦闘があったからといっても過言ではない

あの日の苦闘

それは17年前の八ヶ岳
冬、阿弥陀岳北西稜での出来事だ
あの日も核心を抜けて、稜線の向こうに沈む夕日を見た

氷点下の暗闇を歩きながら頬張った飴が実に旨かった
先を行くsatoさんの背中が頼もしかった
そして、こんなシチュエーションに高揚した
まるで、自分が強くなったような気がして嬉しかったからだ

あの時の記憶が、今日の私を歩かせている

言葉の力
あの日の記憶

魔法なんて、幻想だと思ってた

でも、魔法はある
今ならそう言える

そして、それは繋がっていく

いつかきっと
今日を思い出すときに


sak



※ゴールが御神楽温泉になっているのはGPSアプリの消し忘れです


↓動画も

 


会越・浅草岳~鬼が面山

2023年11月15日 19時50分42秒 | 山行速報(登山・ハイキング)


2023/11/1 会越・浅草岳~鬼が面山


秋を歩く

彩りに満ちた、径を行く
田子倉から浅草岳、鬼が面山を辿って六十里越へ


六十里越の登山口に車をデポして、田子倉の登山口を目指す
歩けば2時間掛る所を、持参の自転車で約20分ダウンヒル

途中でiphoneを車に忘れたことに気付く
しかし「山と高原地図」もあるので、まぁなんとかなるだろうと気にせず自転車で滑走を続けた

田子倉の休憩所から中崎尾根を目指すが、途中で入叶津に至る踏み跡に入り込む
野趣あふれる道だなと思ったもののしばらく進み、浅草岳が背後に鎮座しているのを見てルートミスを確信する
iphoneのGPSアプリがないだけでこれかよ、と暗澹たる思い
手元にある24年前の地図にこの道はなく、詰めの甘さを反省するほかない

とはいっても、まだ時間は十分ある
「人生に寄り道はつきものです」との言い訳に励まされながら往路を戻る
約1時間半のロスだった

浅草岳への登路に復帰し、しばらくはゆったりとした道を樹々の彩りに癒されながら歩く
大久保沢の水場で小休止
ここからは急な登りとなる

次第に冬枯れの様相になっては来るが、南会津と会越、奥只見の景観も広がる
剣が峰では田子倉湖や鬼が面山東面の岩壁が美しい
もちろん、行く手に鎮座する浅草岳は重厚な山容を横たえている

左に草原が見えてくると山頂まで一投足
同定を尽くせないほどの山々が広がる

頂は旅の終着点ではない
皆、その先を信じて前に進む

鬼が面山までの径は小刻みなアップダウンを繰り返す
そして、東面の絶壁

斜きかけた陽に燃ゆる山襞と影
秋を行く心情、そのものだった

北岳を横目に進むと、鬼が面山
眼下に田子倉、只見が見下ろせる
秋色に染まった絨毯に田子倉ダムの水面が青く鮮やかだ

南岳までの道は一部足元注意
尖塔に立てばこれまで歩いてきた道を一望できる

旅路を振り返る
立ち止まり、山の深さを知る
衰えて尚、足元に気づきを得る
それが何事にも代えがたい

秋を行く
私たちは白秋の先に何を見るのか

空はどこまでもついてくる

 

sak

 

↓動画も

 

 


裏妙義・木戸壁右カンテ

2023年11月10日 20時39分46秒 | 山行速報(アルパイン)


2023/10/22 裏妙義・木戸壁右カンテ

 

木戸壁右カンテは、ホ-ルドもフリクションも支点も充実した岩場
リ-ドやツルベを実戦形式で行うことができ、岩峰に囲まれた景観も素晴らしい

skmさん、azmさんとは岩壁での初手合わせ
パートナーとの息合わせに丁度いいルートである
とはいえ、自身も久しぶりの岩壁なので心して臨む

国民宿舎跡から40分ほどで木戸壁の取付き
装備をつけ初クライミングのazmさんにいくつかレクチャ-を行う

先行パーティーを見送ったら、skmさんリードで登攀開始

1ピッチ目は体が硬くなりがちなので、慎重に

セカンドはazmさん
急遽参加の初クライミング
クライミングシューズはなく登山靴での登攀だが、フォローなので度胸で乗り切ってもらう

ラストのsakは岩壁の感触を確かめながら行く
一方で硬くなった股関節に暗澹たる心境ではあったが、総じて楽しい登攀

2ピッチ目は短めで松の木のあるテラスまで

3ピッチ目がハイライト
右のカンテから高度感のある岩壁を直上
azmさんも夢中で登っている


-初めてのクライミング-

私の「初めて」はいつだったか
そして、どんなことを感じていたか
もはや、追憶の彼方ではっきりと覚えてはいない
それでも確かなのは「夢中だった」ということだ


4ピッチ目
手足の豊富な岩場を右上
大きなハングの基部が終了点

この先、左のルンゼを行けば木戸壁の頭だが、あまり登られてはいない
過去の記憶で言えば、支点もリスも少ない
信頼には足らない岩凸で支点を取りながら、慎重に登った記憶がある

ここで、一休み
と言いたいところではあったが、終了点はあまり広くない傾いた岩場
後続もあるため、速やかに下降に移る

いつもは50m1本で小刻みに同ルートを下降するのだが、今回は後続に被らないようロープを繋いで松の木テラスまで下る

懸念はロープの回収だが、悪い予感は的中する
ロープダウン後にどこかでスタックしたらしく全く引けない
仕方がないので回収した50mを結んで登り返すが、途中後続パーティの方にスタックを解いてもらうことができた(多謝)

都合、3ピッチの懸垂下降で取付
トラブルはあったが、それもクライミングの一部
実体験の引き出しは多い方がいい

今日の出来事を振り返りながら、のんびりと下山
総じて皆、満たされた面持ち

それを見て、こちらも嬉しい
「ロープを結び合う」ということは相手に自分の命を預けること
一方的に頼るものではない

「互いに預ける」

登攀にはそういう意味があると、そう思う


sak


↓ 動画も

 


尾白川・鞍掛沢~乗越沢~日向山

2023年11月06日 21時05分25秒 | 山行速報(沢)

2023/10/16 尾白川・鞍掛沢~乗越沢~日向山

 

初めての沢登り
楽しいと思ってくれるほど嬉しいことはない

あわよくば、また行ってみたい! とか
奥只見や奥利根にも行ってみたい! なんて局地的に興味を抱いてくれたら、殊の外嬉しいに違いない

そんな都合のいい奇跡はともかく、何事にも順序というものがあるのが世の理

そこで「はじめての沢登り」というキーワードでWEB検索してみる
見つけた記事にはこう書いてあった

「当たり前のようですが、はじめての沢登りは重要です。ここで失敗すると沢登りにマイナスのイメージを持たれてしまい、2度目のそれはないかもしれません」

「2度目はない」
そう心に刻む、山行前

 

仕事明けそのままに相方を拾って車を走らせる
今回の相方は初顔合わせのazmさん

「沢登りをやってみたいです」
という言葉に、「これは!もしかして」と胸膨らましながらも冷静を装い、「じゃあ、今度行こうか」と実現した山行だった

前泊の地は「道の駅はくしゅう」
日の出に合わせて矢立石登山口まで

朝陽に森が染まる中、尾白川林道を行く
トンネルをいくつか潜り、径が途切れるところから尾白川へと下る
噂に違わぬ急な下り
足元も悪いので慎重に行く

.

そして尾白川
前日の雨による増水を懸念していたが、遡行には問題なさそうだった

最初に出てくるのが、大きな釜を持った3×4m滝
暑い盛りなら泳ぐのも楽しいだろうが、肌寒い朝には躊躇われ右岸巻き

しばらく遡行すると夫婦滝がなかなかの迫力で迎えてくれる
ここは右岸巻きか滝左のスラブを行くことになる

「ロープ出して行ってみる?」
azmさんに問いかけると「やってみたいです」との応え

傾斜は寝ているものの、足元の滑りもあって慎重にリードする
azmさんもこの「滑り」に苦戦しながらクリアする

登山経験は持ち合わせた彼も、この滑りには閉口気味
表情も曇りがちだった

マズい、極めてマズい
心の裡でそうつぶやく


途中、気分を変えて沢の歩き方や遡行図の見方などレクチャーしながら鞍掛沢に入る
鞍掛沢に入ると明るく開けた渓相と花崗岩のナメ床が美しい
加えて、紅葉の始まりに癒されながら沢を行く
滝はほどほどに出てくるが、滝脇のスラブを登ったり小さく巻いたりして進む


2条5×6滝は左岸巻きもアリだが、2条ある流れの中央突破を試みる
すべすべのナメ滝を細かな岩の弱点を拾っていく
抜け口手前の数歩はフリクション頼みで抜ける

滝上で肩がらみ
azmさんも苦戦しながらなんとか登りきる

「ファイト!一発!」

誰しもそう叫びたくなるような場面こそ記憶に残る
楽しめたかどうかではない
「記憶に残る」
硬派な我々が目指すべきは、そこだ!

そう、そこしかない!


ハング滝6mは手前の滝とともに左岸巻き
右に出合う10m滝
地形図で見ると、これが乗越沢らしく、左岸から巻き上る

この先は水量も格段に少なくなって、滝を登ったり軽く巻いたり、困難はない
しかし、アザミが多いので手元には注意が必要だ

細い流れを淡々と行くと前方にいかにも悪そうなルンゼ
ここは踏み跡に従って右岸の尾根に乗り上げる
小笹の径を行けば鞍掛山のコルに至る

コルで装備を解いて靴を履き替える
前日の低気圧通過、そして冬型の気圧配置で風もやや強く冷たい
ここからは雨具を着こむ

駒岩から日向山へ
下り基調だが、足元が悪い場所もあり慎重に進む

そして日向山

「天空のビーチ」ともいわれる景観と眺望で人気の山
平日でもここを訪れる方は多いみたい

寄せる山波が白砂に沁みる
青い空がどこまでも続く
そして影

まるでファンタジー
この歳になってファンタジーでもなかろうよ、と自嘲もするが自分の気持ちには素直になりたい
美しい記憶を胸に、山を下ればそれぞれの明日が待っている


さて、初めての沢登り
楽しんでいただけましたか?

困難も感動も、挫折も歓喜も
いろんなことが起きるからこそオモシロい

手軽な楽しさより、
労してやり遂げた記憶の方が「本物」
そう、思いませんか?


そういえば、山行前に読んだWEB記事はこう結んであった

「大切なのは、あなたの楽しみ方を知ってもらうだけではなく、その人ならではの楽しみを一緒に見つけてあげること。それは、あなた自身の「山」が広がるチャンスでもあります」

さて、次はどこへ行こうか
「本物」を探しに

硬派な我々が目指すべきは、そこだ!
そうに違いない

否、そう思いたい


sak

 

 

↓ 動画も

 

 


中ノ岐川・巻倉沢~兎岳~岩魚止沢下降

2023年10月17日 20時19分50秒 | 山行速報(沢)

2023/10/3-4 中ノ岐川・巻倉沢~兎岳~岩魚止沢下降


やっぱり兎岳に行く
そう決めたのは、数日前
山行前夜に催される懇親会に誘われた時のことだった

参加は自由
会議の後、行きませんか?
そう問われて、咄嗟に「ちょっと野暮用があるので」と口をついた
会社人としてはどうかとも思ったが、そう答えていた

兎岳との出逢いは16年前
利根川を遡ったその先に佇む峰、包容とした姿が印象的だった

控えめで、飾り立てて人目を引こうとはしない態度
私は、そんな姿に惹かれたのだ

折角なら沢を繋ぐ山旅がいい
中ノ岐林道から西沢、巻倉沢を詰めて兎岳へ

不安は雪渓の状態だが、この夏に限って言えばおそらく消えているだろう
そこにはどんな景観が広がっているのか
想像して高揚する反面、未知なる旅をためらう自分もいた

そんな時に誘われた前出の懇親会
咄嗟に口をついた言葉に、もう自分は決心していたんだなと自覚した


シルバーラインのタイムトンネルをゆっくりと走り抜け、銀山平
暗闇の樹海ラインを奥只見湖に沿って走り、雨池橋にて一夜を明かす

目覚めると車窓に微かな雨
それでも雲の流れと、森から立ち昇る靄でこれから晴れることはわかった

中ノ岐林道から西沢までのアプローチに自転車を使う
登り基調の林道でザックを背負いながらのクライムサイクリングは辛いので半分以上、押し歩き
この辺りは以前の経験から想定通り

それでもナメの美しい二岐川や林道に水を落とす滝沢、遥か上から流れを落とす上カブレ沢など見所は随所にあって飽きることはない

西ノ沢橋の手前左岸に藪に埋もれた林道がある
しばらくはそれを辿り、岩魚止沢
帰り道に通るであろうこの踏み跡入り口にケルンを積んでおく

そこからさらに西沢左岸の藪を行くと自然と沢に降りる
西沢の水量は多く、想像より冷たかった

雪渓の存在も想定しながら、岸辺を辿る
時に現れるゴルジュ地形も小さく巻いたりへつって行けば困難はない

左に下り上り沢を見て、淡々と進みオキノ巻倉沢との出合
ここは水量の多い巻倉沢へ

地形図ではこの辺りから雪渓に埋もれているのだが、さすがに今年はただの河原だ

ちなみに、地形図の「雪渓」マークは国土地理院では「地図記号:万年雪」というらしい
そして万年雪の記号は、9月頃の雪の少ないときに50メートル×50メートル以上あるものを表示しているそうだ

巻倉沢はしばらく明るい河原が続き、巻倉岳への支流を見送ると次第に両岸は立ってくる
ゴルジュ状を1か所通過するが、困難はない
その後、小滝が続き水流脇を登ったり小さな巻きを繰り返す

中流部はゴーロが続く
たまに現れる小滝も小さく巻いたり、水流脇を行くことができる

左に支流を見ると、滝場が始まる
序盤は水流近くが階段状なので、どれも容易

標高1550mあたりの屈曲点で左に支流を見送ると、2段15m滝
ここは水流奥から取付いて中段で水流を跨ぐ
上段は右岸の岩草ミックスを登り、大岩下で落ち口にトラバースするがちょっと怖い
その後、10m直瀑は右岸巻き、2段10mは水流右を行く

そして巻倉沢最大と思しき、3段30m滝
下段、中段は水流右を行き、上段は右岸スラブを巻き気味に行く
草と岩が外傾しているので、念のため空身+チェーンスパイクで行き、荷揚げ
藪に入ってトラバース、草付き急傾斜を草頼りのクライムダウンで沢床に復帰

この後もいくつか滝は出てくるが、水流脇を登ることができる
次第に開ける源頭が秋の空に映えた

その後はガレが多くなる
そしてガレの間から水が湧き出しておりこれが水源となっていた
水を500ml確保し、この先は沢型を忠実に詰めていく

左に大水上山が見えるころ、小笹から背丈ほどの藪に突入
15分ほど藪を漕ぐと兎岳への登山道に出る

荷物をデポして、大水上山まで往復
奥利根の山々を指呼しながら、春の健闘を思い返す


振り返れば、兎岳
踏み出すごとに近づくそこは彩色の時が近づいていた

「よく来たね」
山標にそう記されていた
よぎるのは、あの時から山を紡いできたことへの労い
自身「よく来たな」とも思う

兎岳を後に稜線を荒沢岳方面へ向かう
道中、日が傾き風が変わった
さきほどまで爽やかだった風が急に冷たくなる

今日の宿りは、巻倉山の先の平坦地の予定
少し下れば、岩魚止沢の源頭で水も確保できる場所
彩色の中、寒さに呼応するように歩も足早になる

水を確保し、ツエルトを張り終える
今宵の友は真野鶴の純米吟醸
あとは、山上の宴で友と語り合うだけ

と、そこまでは良かった

夜半からの雨
暗闇でシュラフカバーに包まりながらも、下山を憂慮していた

朝、事態はそれ以上に身の回りを侵食していた
防水性の低いツエルト内部は雨水で水浸し、空だったはずのコッヘルには布地を伝って雨水が並並と溜まっていた
濡れたライターにコンロ、火をつけるにほとほと苦労した

朝食準備をする間にも衣服は濡れ、寒さに震えながら岩魚止沢を下降して西沢へ向かう
増水が心配であったが、水場の水量も昨日とあまり変わりはないので問題ないだろう
淡々と下っていくが、ほどほどに滝が続く

途中の大滝25m+15mは左岸を巻き下り
これらを含めて、終始クライムダウンか両岸の藪を使って巻き下りでこなす
懸垂下降は要しなかったがチェーンスパイクがあると心強い

下流部(1310m)で右俣を合わせると穏やかになって下降も捗る
最後のゴルジュ状をこなすと沢は一層穏やかとなって、見覚えのある目印に出合う

腹ごしらえをして昨日辿った西沢沿いの藪化した林道を行く
そのころには雨も途切れ途切れとなって、時折太陽も顔を出す

中ノ岐林道に出れば、あとは自転車での滑走
雨池橋まで40分ほどでたどり着くという、痛快なデプローチ
車輪は偉大だ

風切る疾走感
流れていく緑と灰色の岩峰、渓谷美
行く手に真っ赤な雨池橋と奥只見湖

今日も無事に下山できそうだ
そうして思い浮かぶのは、家で待つ妻の姿

控えめで、飾り立てて人目を引こうとはしない態度
私は、そんな姿に惹かれたのだ
あのころからだったのかもしれない
落ち着いた深みのある安らぎを好むようになったのは

奥利根と奥只見の間
中ノ岐川・巻倉沢を遡り、兎岳へ

開けた源頭が秋の空に映える
刻々と彩色の時が近づいていた


sak


 

↓動画も

 


谷川・万太郎谷から転戦、白毛門沢へ

2023年10月12日 20時47分39秒 | 山行速報(沢)

2023/9/29 谷川・白毛門沢

土砂降りの雨
これはどうにもならないな、そんな夢で目が覚めた

そして車窓の外へ目をやると、水たまりに雨粒がいくつも輪を重ねていた

土樽パーキングの高架下で雨宿り車中泊
これはどうにもならないな、と二度寝を決め込む

降雨レーダーによると、午前8時頃には雨が上がるらしい
パートナーのENさんとその情報に一縷の望みを託す
実際、そのころに雨はあがった

なんとか気持ちを立て直して向かうは万太郎谷
井戸小屋沢を目指してのことだった

身支度を整えて入渓するも、明らかに水量は多く流れは強い
普段なら、この先の渓相に夢膨らましながら、サクサクと通過する序盤から緊張を強いられる流れなのだからどうしようもない
この時、すでに転戦先を考え始めていた


-国境の長いトンネルを抜けると-


万太郎谷を後に遡行服のまま車を走らせた
関越自動車道・湯沢インターチェンジから東京方面へ

先ほどまで燻っていた場所の上を通過し、関越トンネルに入る
そして、その先

モノクロームの世界から、総天然色の世界へ
悩むことなき、快晴
革命的な出来事にENさんと二人、気分は高揚した

時間は9時を回っており、時間的余裕もない
そして、白毛門沢へと向かうこととした

**************

白毛門登山口で再び準備を整えて出立

陽差しが眩しい
爽やかな風に口元も緩む

ハナゲの滝は中段から巻いて、東黒沢出合
ここから白毛門に向かう

序盤はナメ滝が続く
この短時間に悪天から好天の遡行へ転進した気分の高揚を体現するかのように、泳ぐ必要もない釜で泳いでみたりしながら進む
足元はヌメる場面もあるので、慎重に行く

中盤は滝が続く
直登をためらう滝にはしっかりと巻き道もあるので、安心だ

そういえば、白毛門沢にはその昔、単身で遡ったことがあった
残っている記憶といえば、ハナゲの滝下部でヌメに足を取られて転んだことと白毛門山頂へダイレクトに突き上げ、気分のいいクライマックスだったということ
中盤のF1(10m滝)やタラタラノセンの印象はなく、それはそれで新鮮な遡行を楽しめた

上部稜線が近づくと終盤のスラブ帯
傾斜は強くなるが手がかり足掛かりは豊富なのでグイグイ登れて、景観も広がる

息を切らしながらも源頭
この好天と爽やかな風
遡ってきた白毛門沢の沢筋を眺めながら小休止

ここを登ってきたのか
振り返れば、今日という一日の長さを知る
あっという間の出来事のようで、意外と長い道程だ
いずれにせよパートナーがいてこそ、山行は豊かになる
良きも悪しきも、共にしてくれたことへの感謝

最後は小笹の踏み跡を行けば、白毛門の山頂
いうまでもないが、視界を遮る物はない

あとは登山道をひたすら下る
いつもながら、膝に負担がかかる下りだ

ジジ岩、ババ岩を横目に見覚えのある場所で手を合わせる
「今日も、無事下山できそうです」
あの日のパートナーにも感謝で返す

失意の朝から、何とか立て直すことができた今日
「楽しい」と思えるのは、特別なこと
そこに特別なものはなくてもいい


sak

 

↓ 動画も

 

 


川内・下田を巡る山谷の沢旅

2023年09月21日 21時56分44秒 | 山行速報(沢)

2023/9/7-10 川内・下田を巡る山谷の沢旅

 

川内下田・今早出沢~魚返りの大滝~青岩~東又沢~大ブナ沢~1096峰~西の沢~室谷川

 

一ノ俣沢橋の袂で夜を明かす
朝、ここで雨が降っていないのは初めて

3時間ほどの仮眠であったが、寝起きは良かった
それはもちろん、これから始まる沢旅への期待がそうさせたのだ

-川内・下田を巡る山谷の沢旅-

秘境の先へ
青の別天地
深懐の森と夜
静淵の時

山谷を繋ぎ、巡る理由

「そこに身を置いてみたい」
ただそれだけのことだった

 

2023/9/7

今日はアプローチ
一ノ俣沢橋から右岸の踏み跡に入り、一ノ俣沢を遡る
何度か辿った道なので記憶のままに遡っていったら、一ノ俣乗越に至る枝沢の手前を詰めてしまい余計なヤブコギをこなすことになってしまう
なんとか尾根に乗って獣道を北進すれば、明瞭な踏み跡の一ノ俣乗越
踏み跡を下っていくが倒木などで隠された場所もあるので、注意深く下る
窪をいくつか渡りながら右(北)へトラバース気味に下降していくとアカバ沢の流れ
この流れを下っていくとナメとともに今早出沢に合流する

今早出は水量が少なかった
この夏の猛暑と新潟の少雨が原因だろう
それでも見上げれば青空、足元には金色の流れが煌く
流れに浸りながら行くのが、実に気持ちいい

5年前に泳いだ瀞場は渇水に加えて、大岩が鎮座しており腰を濡らす程度の通過


横滝も水流少なく、容易に直登
折角だからと甌穴の中に入ったり、積極的に水と戯れ遅い夏休みを楽しむ
あとは淡々と流れを遡り、ガンガラシバナを望む右岸草地に幕を張る

ガンガラシバナ右方ルンゼは、渇水で流れが目視できない
それにしてもこの迫力
今早出を遡った者のほとんどがそれに目を奪われるだろう

ささやかな焚火で夜を過ごす
星夜を肴に今宵は「奥の松」

寝不足で闇が満ちる前から睡魔に襲われる
明日は関東地方に台風が接近するらしい
その影響もあって新潟も終日好天は望めないだろう

岩峰のシルエットに明日を思い、残りの薪を全てくべる
火勢が増し辺りの草木がオレンジ色に染まり、時に爆ぜる
迫る闇に抗っているかのようであった

 

2023/9/8


-秘境の先へ-

ガンガラシバナを横目に今早出沢の本流を行く
流れを詰めると、スラブ状にガレや大岩が堆積する
前衛の3つの滝は概ね右から小さく巻くように進んだが、3つ目の草付トラバースは一歩が悪い


魚返しの大滝

 

過去の記録では左壁からとある
クランク状に佇立する壁に滝の流れは概ね二条

当初は左水流の左を走るクラック沿いで想定
下部のバンドを右上しクラック下まで
少し登ってみたが、かなりのヌメりでちょっと怖い
一旦退く

次に取付いたのは、そこからさらに左の岩壁
傾斜はキツいが、岩は乾いている
そして途中に灌木が生え、その上も草が使えそうであった

空身の荷揚げ
荷揚げの労力とリスクを考慮し10mで一区切りとした

下部はスタンスが少ないので慎重に
灌木に手が届けば、強引に身体を上げられる
ここから右に移動し、少し安定した場所で最初の荷揚げ

そこからは左上気味に草と岩のミックスを行く
草付は土が外傾して堆積、さらに締まっているのでキックステップが切りずらい
バイルと念のため装着していたチェーンスパイクが活躍
やや被った上部岩場基部の灌木でビレイ、荷揚げ

ここからバンドを落ち口にトラバースして滝上
これにて大滝は終了、一息つく

大滝上からは大岩の間を越え、すぐにゴルジュ状
続く第二ゴルジュも含めて左から巻く

一旦河原になり右からの流れを合わせる
このころから風が強まり、雨が落ちてきた
雨具を着込んで先を急ぐ

いくつか滝を越えると、6m滝が左から落ちる
ここは少し本流を遡ってからの巻きで、この支流へと入る
狭いルンゼ状を行くと5m滝、ここは念のため空身で登り荷揚げする

滝上から窪状を詰めていくと開放的なスラブが見える
青岩(青い岩盤)だ


-青の別天地-

その昔、残雪を利してここに立った時はあったが、これほど広大な岩盤とは思い至らなかった


藪尾根に囲まれた中にあって唯一といっていい開放的な癒しの空間
異空間の佇まいであった

雨はあがったものの未だ風は強い
藪を風よけに小休止し、早々大川支流の東又沢へと下降した

東又沢は3度ほど懸垂下降を要したが、それ以外は特筆することなく下降には適していた
但し、下部では流木の堆積が膨大でまるで迷路のようだった

流木ゾーンを越えると穏やかな流れに岩魚が走る
左にぶなの森を見るようになると大ブナ沢との出合も近い
しかし、大ブナ沢に水流はなく涸沢と化していた
予想外の事態であったが、5分ほど歩くと水流は復活し安堵する

ここからは右に左に幕場を探しながら行く
深懐のぶなの森は木木が連なり沢を覆う


-深懐の森と夜-


二又ぶなの袂に居住まいを定めて宵の支度に入る
今夜だけ、この森の仲間に入れてもらう

騒めく、ぶなの木々
流れは瑞々しい音を奏で、焚火のゆらぎが空間を支配する

深懐の森の一夜はそうして更けていった


2023/9/9

朝陽の眩しい渓を行く
空は高く、秋を予感させる
晴やかな朝だった

穏やかなゴーロを行くと両岸が迫る
この20mの滝は右から、空身と荷揚げで通過する
その上の3mは右から巻く

大岩脇の8m多段滝は右岸から小さく巻き、6m柱状節理を越えて右に932コルへ詰める支沢を分け、左に水量の多い支沢を分ける
そして現れる10m滝
この時点で標高は770m
1096mピークまでは約320mの高低差だった

-葛藤と我慢-

ここで一考
10m滝はいかにも悪そうなので、右岸尾根から巻きの一択
まずは支尾根に上がりその先を偵察しようと考え、尾根に取り付く
藪はそれほど濃くなくチェーンスパイクの威力を存分に味わい快適に上がる

そしてその先、谷筋には幾筋ものスラブが山肌を走る
大きな滝が見えたわけではないし、森に入ればなんとかなるだろうとは思った

一方、すでに支尾根に上がっている自分
そしてこれから川床に下り戻ってから谷を登り直す労力
完結性より安全性を採用し、尾根を詰めることにした

今となっては「あの時、自分は妥協したのだ」という思いもある
しかしながら、後悔はない

とはいえ、そこから駒形山の北1096m峰までの道のりはヤブが次第に濃くなり苦労する
我慢の3時間半となった

1096峰からは安堵をもって取り組める
遠く、青岩が見える
あそこから歩いてきたと思えば感慨深い

西の沢下降は駒形山へと向かう途中の鞍部手前から谷筋に下る
しばらくは、ぶな林の窪を下る
いくつか窪を合わせるとナメ滝が続く
明るく気持ちのいい景観である反面、足元は非常に滑る

藪がある所は藪を手掛かりに下る
懸垂下降は4か所(計6回)
50m1本だったので、上流部の二つの大滝は2ピッチに分けた

540mあたりの河原に幕場を求めて本日の行動は終了
今日はヤブコギと足元の悪い下降でくたびれた
辺りに薪がゴロゴロしていたが、今日の焚火はなしとして早々に横になる

見上げれば、月が微笑んでいた


2023/9/10

今日は下山日
青空に口元も緩む
本音で言えば、下山したら何を食べようかなどという邪な想いもあったことを告白しておく

西の沢も中流部以降は穏やかになる
順調に下降を続け、室谷川に至る
出合の8m滝は左岸側の立ち木を使って懸垂下降

さて、ここからはこの沢旅のエピローグ
室谷川だ

 


-静淵の時-

スラブを穿がつ流れを泳ぎ下る
自然の妙なる造形に見惚れる

はぁぁぁ、ほぉぉぉ、とか言葉にならない感嘆詞が思わず口をつく
そして、日差しに揺らぎ輝く水面

流れに浸かりながら静かにゆっくりと進む
透き通った流れを手ですくって口にすれば、わずかに甘い
ザックを浮袋にラッコ泳ぎで空を見上げる

静かな時の流れに、これはもう最高の終わり方ではないか
もう、これで満足してもいいのではなかろうか
「山の納め方」を考える歳になって、そう思うこともある


人の行路は山谷にも近し


山谷を繋ぎ、巡るもう一つの理由


旅は死ぬまで終わらない
歩くのさ、この足で


sak


↓動画も

 

 


足尾・神子内川手焼沢

2023年09月19日 21時48分50秒 | 山行速報(沢)

2023/9/2 足尾・神子内川手焼沢


朝発で沢登
午後の雷雨リスクも考慮して手近で軽めの沢登りを企画
初顔合わせのtakさん、skmさんと

こんな時のために「マイ沢リスト」に温存されていたのが、足尾の手焼沢
森中の涼に浸り水流を胸まで浸る場面もあって残暑に嬉しい1本

日足トンネルの足尾側出口から入渓
地蔵滝を見物して足場で組まれた通路を行くと手焼沢と長手沢の分岐
手焼沢を進むと明らかに足跡

石積み堰堤手前で先行の釣師に追いつく
竿を出しているようだったので、しばらく待機

頃合いを見計らって、声を掛け先行を申し出る
しばらく巻き気味に行くことを伝えて快諾いただく

 

ゴーロをしばらく行くとゴルジュ地形
ここからは水流を行くのが楽しい
逆くの字滝は水流左から取付くも屈曲部分がスタンス少ないナメ状のため、戻って右を巻き気味に通過

ここからは小滝を越えることに終始
涼と生と緑に見惚れながらの遡行となる

源頭は右岸の笹原をひと登りで登山道
茶ノ木平で一休み

茶ノ木平の分岐標から少し戻ったところから長手沢へ下降
早めに窪に入ってしまえば、それほどの苦労はなかった

1か所5mほどの懸垂下降を要したものの、あとは淡々と下る

左岸にピンクテープが見える
地形図を見れば、この辺りまで林道が伸びているようだった

takさんが少し足を痛めたようだったので、1150あたりからこの林道へ乗り上げる
あとは平坦で立派な林道~細尾峠の道を足尾に向けてポクポク歩く

まだまだ暑い9月
予報通り、山間に鉛色の雲が湧き始めていた


sak

 

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