Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

「炎の人」~能登演劇堂

2010-10-12 | 映画・テレビ・演劇・芸能
 天気予報は雨だったのに秋晴れとなり、集合場所の読売会館前へは自転車で行けた。 10/10(日)、演劇鑑賞会から能登中島(今は七尾市)の能登演劇堂での、無名塾「炎の人」を観に行く日だった。
 8日に「族譜」(次回アップします)を観た直後で、観劇続きである。 40名募集のところ、キャンセル待ちが多く、結局60名弱となり、マイカーで行く人もいたらしい。 バスは全補助席を使う満席だった。

 この演劇堂(トップ写真)へは、数年前、JRで、Saさんと若尾文子主演の演劇を観に来たことがある。 15年前に開館したが、それより更に10年前、仲代達矢主宰の「無名塾」がこの地で合宿を始め、以後、無名塾と能登七尾の交流が続いている。 5年前の「ドライビング・ミスデージ」(奈良岡朋子との共演)で、舞台の正面奥の外舞台から赤のポルシェが出てきたり、昨年の「マクベス」で同じく外舞台に馬が登場したことは有名だ。 「炎の人」で外舞台は開くのだろうか。 向日葵畑が外舞台一面に見える? 

 演劇は4時半開演。 それまでに隣のレストラン「なかしま亭」で早めの夕食をとる。
              
 
 店内には、仲代さんの新聞記事、演劇の街・中島の旗、「炎の人」のポスターなど。
                
           

 仲代さんは、ゴッホになりきるため7キロの減量をしたそうだ。 「何と言っても自画像があるから」とのこと。 なるほど、あごが細く、自画像によく似ていらっしゃる。
 
 ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ「没後120年展」が、東京国立新美術館で開催中だが、1853年にオランダで生まれ、1890年37歳で自ら命を断つ。 その短い生涯の中で1900枚の作品を残したそうだ。 生前に売れたのは1枚だけ、と言われる。

 さて、お芝居の一幕目、若きゴッホが炭鉱で熱心に伝道している姿を描く。 暗く貧しい部屋。 坑夫達の力になろうとするが、絶望。 神の存在に疑問を感じる。 弟テオの援助でブリュッセル美術学校を出てパリへ。
 パリの画塾。 ルーベンス、モリゾ、シニャック、ゴーギャン・・・などと交わり、影響を受け、また議論を戦わす。 弱くて頑固な、孤高と言われるにふさわしいゴッホ。 ゴッホってこんな人だったんだな~と熱い思いが湧いた。 多くの画家や日本の浮世絵の影響を受け、模倣と言われ反論する…。
 そしてアルルへ。 明るい色調の「アルルの寝室」、「アルルの刎ね橋」、もちろん「ひまわり」も、何枚かの絵が舞台に並んだ。 下は、いつもテオの手紙を届けてくれる「郵便配達夫ルーラン」(今年、世田谷美術館で展示された絵)。 舞台では、このルーランと絵を持って舞台正面奥へ立ち去る場面で、正面が開いた。 アルルの明るい風景を思わせるライトアップされた森。 サッと場内に外気が入り、枯れ草の匂いが。 虫の音も聞こえる。
                   

 楽しみにしていたゴーギャンとの共同生活が破たんし、耳を切る場面で終幕だった。 後、オーベールで狂気の中に入退院を繰り返し、自殺を図るまでの晩年はナレーションだ。 今までの登場人物(無名塾の若手の俳優さん)達が次々メッセージを送る。 ”テオ以外の誰もがなぜゴッホを理解できなかったか”と。

 作は三好十郎、演出は鵜山仁である。 かなり前に、高岡で、滝沢修の民芸の舞台を観たのだが、ゴーギャンとのやりとりの場面を覚えている程度。
 また10年ほど前、まめさん、つもさん(このツアーにも来ておられた)と、アムステルダム、”ゴッホ美術館”で、日本語音声ガイドを耳に人混みをかき分けながら数多くの絵を観た。 晩年の「烏の群れ飛ぶ麦畑」が強く印象に残っている。 どんな思いで描いたのだろう、と思いながら見たものだ。

 下は、ロビーの展示。 無名塾のポスターや、「マクベス」の写真や衣装。 
          

           

 そして、ここにもパテシェ辻口氏のケーキが売られていました。
                
 

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8 コメント

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Unknown (つも)
2010-10-12 20:52:16
写真も文章も詳しく感性にあふれ、とてもすばらしいレポートで感心しました。
今も、素晴しかった演劇の感動に包まれて幸せです。又、ご一緒できるとよいですね。
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Unknown (風子)
2010-10-12 21:17:13
清姫さん
外舞台があるのがすごい。
出演者も観客も感動でしょうね。

辻口さんのケーキ、和倉店で買ったことあります、どれにしょうかと目移りして、
結局一個ずつ色々買ってしまいました。
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Unknown (清姫)
2010-10-13 07:51:41
つもさん
ありがとうございます。
いつもですが、書きたいことがたくさんありまとまりません。
演劇だけでなく、旅行もいつか一緒に行きたいです。だんだん出るのが億劫になっています。
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Unknown (清姫)
2010-10-13 07:53:52
風子さん
能登演劇堂からは、毎年スケジュールが送られてきますがなかなか行けません。
ケーキまだ1度も食べたことがないのですよ。
いかがですか?評判どおり美味しいの?
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Unknown ()
2010-10-14 01:25:53
豊謡会の日でしたね。
能登へ行ったとき、無名塾の看板を何度か見たことがあります。
好きな人は、どこまでもいくのですね。能登ならまだ近いか・・。
10K減量で、役に臨む。仲代さんは、プロ中のプロですね。
激しく悲惨な印象を受けるゴッホの絵。
私生活も尋常ではなかったようですね。
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Unknown (清姫)
2010-10-14 09:49:57
姫ちゃん
はい、それで豊謡会は失礼しました。
能登演劇堂はたまに行くといいですよ。
拡大した記事に「枯れた芸を意識したらやめなきゃいかん」と書いてあるのを読み、やはりプロだな、と私も思いました。
東京のゴッホ展も行きたくなりました。
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Unknown (風子)
2010-10-14 21:06:10
清姫さん
ケーキの味は?2年ほど前なので忘れてしまいましたがまた食べたいと言うほどのこともないような?
私が又食べたいケーキはローストビーフの店鎌倉山で食べたケーキ。
(ずい分以前のことですが)
食後、庭に出て、ワゴンで運ばれてくる手作りケーキ達から好きなものを選び頂きました。
たしかその場で切ってくれたと思います。
皆、美味しい!旦那さんにも食べさせたい!と感激していました。
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Unknown (清姫)
2010-10-15 08:59:09
風子さん
ローストビーフの店は鎌倉で? 
東京にもいくつかあるそうですね。
いつか機会があれば味わってみたいです。
11月初め、無理して一泊で上京することにしました。
英在住の同窓生の帰省に合わせてクラス会を開くそうで、少し話を聞こうかと思っています。
時間があれば、ゴッホ展寄るかも。
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