日々の生活の中でのちょっと気にかかる小さな出来事。そんな記事を”つれづれな日々”として書いています。今日は40回目です。
《「集金旅行」の囲む会》
「集金旅行」とは井伏鱒二の小説。佐田啓二、岡田茉莉子主演で映画になっている。今度は「劇団民藝」のお芝居になった。吉永仁郎さんの脚本である。主演は、西川明さんと樫山文枝さん。伊藤孝雄、小杉勇二さんもまじえ、7月に高岡演劇鑑賞会で公演される。事前学習会として「吉永仁郎さんを囲む会」があると聞き、ウイングウイングへ出かけた。5階の研修室は満員。
井伏鱒二と言えば、「黒い雨」、「山椒魚」が教科書にも載っていたものだ。吉永さんいわく、「集金旅行はあまり知られていない作品なので、思い切り脚色した。」 原作の最初に登場する、アパートの主人の息子(子ども)の代わりに太宰治が登場すると言う。もっとも太宰治は井伏鱒二を頼って荻窪へ引っ越して来たと言うから、でたらめなことではない。2人は師弟関係だったと言う。そして荻窪の近くに、私の学校があったのでなんとなく懐かしい。
《あらすじ》 荻窪のアパートの主人がぽっくり亡くなった。遺されたのは多額の借金。大家はアパートを壊すと言う。が、ここが気に入っている居住者たちは、ここに住み続けるため借金を返済しようと企てる。部屋代を踏み倒して夜逃げした不届き者達の郷里を巡り借金を取り立てようとする。それが集金旅行。出かけるのはヤブセマスオ氏。同行するのはコマツラン子さん。コマツさんは各地にいる昔の不実な恋人達から慰謝料を取り立てようと思った。かくして目的は違う集金人二人の珍道中が始まる…。
映画だと、旅する各地の風景を映像で映し出せるが、お芝居はそうは行かない。そこで活躍するのが方言。中国地方、九州地方の方言が聞けるらしい。2人のほのぼのとした掛け合いも面白いそうだ。さて、結末はどうなるのだろう?原作(中編)のコピーを事務所でもらい、週末の伊豆への旅行中に新幹線の中で読んだ。唖然とする結末だが、お芝居ではどうなるのかしら…。
《在英の友人と娘夫婦》
昨年北陸新幹線が開通したのをきっかけに金沢で大学のクラス会をとのプランが浮上し、呉羽のYoさんと高岡の私が幹事役を仰せつかった。クラスメートの中にイギリス在住のEさんがおられ、娘が結婚すると決めた時、ちょうど新宿でのクラス会に参加された彼女に相談した。その後、Eさんは日本のお母さんをも、イギリスのご主人をも亡くされ、今はシートンで一人暮らしをしておられる。イギリス国籍をとり、もう日本に帰ることはないだろう、と言っておられる。クラス会の案内をメールで送った時、娘夫婦のことにも触れたら、ぜひ会いたいと言ってくださった。
「善は急げ」のマークのこと、すぐさま約束をとりつけ、ブリストルからシートンまで2時間余のドライブを楽しんだらしい。折しも日曜日で、Eさんの教会の礼拝に出席して教会の仕事のお手伝いもしたようだ。家で筍ごはんや五目ずしのご馳走もいただき、今抱えている悩みをいっぱい聞いてもらい、とても嬉しかったと電話があった。
《6時間のピアノ練習》
元の職場仲間の集いが、大門「さかなやさん」で開かれた。当時の思い出話や近況話で盛り上がったが、一番感心したことをひとつ紹介します。音楽の教員だったOさん、最近の日課は毎日ピアノを弾くこと。なんと、1日6時間弾くそうだ。楽しく歌いながら弾くのかな?と思い、「どんな曲?」と尋ねると、「モーツアルト」だと言われる。ずっと前から、いつか弾けるようになりたいと思っていた難曲だそうだ。間違ったら最初からやり直す。なかなか前へ進めない、と仰る。これは厳しい課題だな~。私が謡や太鼓のお稽古をする時、よく似た練習法をとるのだが前へ進めたためしがない。そんなことをしていたら日が暮れる。逆に後退してしまうのだが…。
やはり芸術家だね。すごい集中力だ。私は”楽しくお稽古をモットーに。間違えてもクヨクヨしない”と決めたばかり。でも、Oさんにとっては、きっとそれが楽しみなのだろう。