東京へ用事で行くついでに何か観るとなれば、展覧会か帝劇ミュージカル、たまに歌舞伎座と言うのがいつものパターン。今回は1割引チケットを使うために国立能楽堂を選んだ(実際にはキッチンのテーブルの上に忘れ、使えなかったが)。
5日(水)午後、JR千駄ヶ谷駅に降りると、高校バレーの試合とかで駅前は若者でいっぱい。ほんの5分ほど歩くと能楽堂の門が見え、辺りは落ち着いたたたずまいだ。昔はもっと閑静な場所だったのだろう。門を入ると、前庭が広がりベンチがいくつか置いてある。時間があったので展示室を見せてもらう。文献や絵巻物が多く、能面や能装束は後期の展示になるらしい。
ロビーは木を基調にした造りでお土産売り場、食堂もある。正面には立派なお正月飾りが。やはり、金沢能楽堂、まして高岡の「青年の家」の能楽堂とは全然違います…。
中も広い。591席だそうだ。能舞台の床材は尾州檜材と書いてある。橋懸かりも長いとのことだ。
また、聞いてはいたが、座席の背中に画面がついており、飛行機の中のように字幕が出る。
開演前で、笛や鼓のお調べが聞こえる。画面には、”お調べー開演に先立つ楽器の最終調整”と、出ている。謡の詞や所作の説明も字幕で出る。もっとも字ばかり読んでいると舞台は見られない。
さて、演目は:
狂言(和泉流): 「佐渡狐」(シテ<佐渡のお百姓>)・・高野和憲
(アド<越後のお百姓>)・・深田博治
(小アド<奏者>)・・野村萬斎
能(観世流): 「小袖曽我」(シテ<曽我十郎>)・・山階彌右衛門
(ツレ<曽我五郎>)・・観世芳伸
(ツレ<母>)・・藤波重彦
(ツレ<鬼王>)・・清水義也
(ツレ<団三郎>)・・角幸二郎
(アイ<春日の局>)・・石田幸雄
笛・・一噌庸二
小鼓・・森澤勇司
大皷・・柿原弘和
太鼓ナシ
お能は観世流なので知らない方ばかり、十郎、五郎を演じられた二人は双子の兄弟でまだ若い方だった。富士の裾野の鷹狩りで父の仇を討とうと、兄弟が母に別れを告げに行く場面で、中入りはなく、最後に兄弟での「男舞」が息がぴったりで見ごたえがあった。
狂言方は、野村萬斎、石田幸雄さんの二人は、名前を知っている。
正面席の最後列で少し遠かったが、正面席は4,800円で、脇正面、中正面はそれぞれ値段が違いもっと安い。駅から近く、行きやすい場所なので機会があればまた行ってみたい。
3時前に終了、東京駅から4時過ぎの新幹線に乗れた。ホームで並んだが、自由席も一人でゆったり座れラッキーだった。深大寺へ行った時Siさんにもらったお土産を、電車の中で開けたらこんなきれいなお正月限定のチョコレートだった。今、歌舞伎座は建て替え中、こんなお土産がデパートで売っているのだそうだ。あ、コレもお土産にしようと、つばを飲み込んで口に入れるのは我慢し、電車の中でパチリ。