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ワーク・エンゲイジメントが注目される背景(WE4)

2020年11月24日 19時34分20秒 | キャリアコンサルタント
ワーク・エンゲイジメントが注目されるようになった背景には、3つの要因があります。ひとつは、国連の持続可能な開発のための国際目標(SDGs)では、「3,すべての人に健康と福祉を、8,働きがいも経済成長も」に見られるように健康、働きがい、経済成長は世界共通の開発目標に位置づけられています。

ふたつめは、日本再興戦略、安部前首相が提唱した3本の矢のうちの1本がこの日本再興戦略です。少子高齢化のなかで、生産性の向上と地域活性化が柱となっています。

3つめは、ポジティブメンタルヘルスの考え方の発展といわれています。ポジティブメンタルヘルスとは、働く人々の心身の健康度を高め、生産性の向上につなげることを目指す心理学的な考え方です。従来型のメンタルヘルスが、不調をいかに防ぐか、不調者の発生にどう対応するかに主眼を置いていたのに対し、ポジティブ・メンタルヘルスは、個人の成長や自己肯定感などを重視している点が大きな特徴です。

では、ワーク・エンゲイジメントとは何でしょうか?
ワーク・エンゲイジメントとは、「仕事に誇りや、やりがいを感じている」(熱意)、「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)、「仕事から活力を得ていきいきとしている(活力)」の3つがそろった状態です。仕事に没頭している、という点においては同様に見えるものとして、ワーカーホリズムがあります。

ワーカーホリズム の場合は、「仕事をやらなければ」と強迫観念にかられているのに対し、 ワークエンゲイジメントは自発的に仕事をしたいと思っている状態です。ワーク・エンゲイジメントが高まると、心身の健康が向上するだけでなく、生産性向上にもつながることが実証されています。

私の周囲には、これらのモデルがいます。Aさんは、40代女性、事務職。残業が多く、土日出勤も時折ある職場ですが、いつも元気で楽しそうに働いています。彼女は能力が高く、仕事とその人の人生が重なりあう部分も多いように感じます。週末は、趣味である料理やインターネットも楽しんでいるようです。この職場がどうなのかという問題は横におきますが・・。

一方Bさんは、管理職としてバリバリ働いていますが、周囲からあらゆる要望を抱えながら、朝から夜まで大忙しです。でもよく見ると義務感で働いており、仕事をこなすだけの毎日を過ごして、休みの日は死んだように眠っています。


ふたりの違いが何でしょうか?何が、AさんとBさんをそうさせているのでしょうか。よく見るとふたりの仕事への目的も違うようです。Aさんの目的は自分らしく生きること、Bさんはその場をうまくしのぐこと。

特にBさんの場合、その場のうまくやることが目的なので、相手や雰囲気、環境に合わせて生きるように(相手に依存)感じます。この違いがワーク・エンゲイジメントを考えるヒントになると思います。