もちろん、妻や子ども、孫と過ごす時間も大切にしています。
前からやりたかったことが多く、活動量を重視しがちですが、やはり時間の質も大切。明日のことはわからない。後悔しないよう毎日を丁寧に生きることを大切にしたいと思います。
「こころの若い人知っている?」、そう聞かれたら迷わずに、Mさんと答えるだろう。年齢に限らず、イキイキと生きている人を見ると、こころが若いと感じる。
彼女は写真撮影が趣味で、九州管内はもとより、全国を飛び回っている。ご主人も同じ趣味で行動をともにしている。おふたりで、個展を開いたり、さまざまな大会で受賞経験がある。
以前、撮影をお願いしたところ、翌日には「撮れたよ」と連絡があり、自宅から30キロも離れた宮崎市内まで届けていただいた。
目をキラキラさせながら、好奇心たっぷりにお話しをするMさんを見ると、素敵だなと思う 。
60歳を過ぎ、遠く県外まで運転、車中に寝泊まりしシャッターチャンスを狙う。何より、あの好奇心と素早い動き。私が同じ歳になった時、そんな勢いがあるのだろうか?
肉体は自然に年老いていくけれど、こころは"意識"や"心がけ次第"で、変えられると誰かが言っていた。案外、毎日のちょっとした積み重ねかもしれない。
(写真はMさんの撮影した写真)
「志」とは、読んで字の如く「十」の心を「一」にする心だと、以前お話で聞いたことがあります。心のなかで起こる、○○をしたい、○○もしたいと願う気持ちをひとつに絞ることだと理解しました。
しかし、ひとつに絞るということは他の願いを捨てる、または諦めるということになりますので、とても勇気が必要です。
一方、成し遂げたい願い・夢を完遂するには、選択と集中が必要です。しかし、「今日くらいは、休みたい」とか、「他にしたいことできた」などと、目移り、また目の前のことに振り回されそうになります。そんな時、志に試されている自分に気付きます。そこまでの思いだったのかと。
私自身、資格を取得する学びのプロセスを通して、志の大切さを学びました。そのエピソードをお伝えしたいと思います。
60歳までにある資格を取得したいと考えた私は、1回は落ちることを覚悟して4年間という期間を定めました。しかし資格取得には、23単位を評価「C」以上で修了させることが必要です。
受講にあたっては大学教授や専門職講師から、与えられる事前課題作成に2週間。講義への参加(単位によっては、6時間~24時間)、修了レポート提出に2週間。そして評価。それを毎月繰り返すというものでした。1単位を取得するのに3ヶ月の学びが必要なコースもあり、1ヶ月に2コースを併走し、正月休みもない年がありました。
具体的には、週末夜に宮崎を発ち、関東や関西方面への移動。研修後、クリスマス夜を過ごした大阪御堂筋。8月の暑い日のこと、1日8時間の勉強。昼過ぎには行水をして気持ちを切り替えたり、朝5時から単語帳や問題集を解き続けました。50歳を過ぎ、記憶力も落ちた私は、新聞や本、目の前の出来事から学べないかと、毎日、情報ノートを書き続けました。振り返ってみると、1年間に1,000時間以上勉強をしていました。
何度も、これくらいでいいかも・・と思いました。しかし、合格することが目的ではない、支援に必要な力を身につかなけ起業はできても、生き残ることはできないと、自分を鼓舞し続けました。
その後、試験に合格。振り返ってみると、資格取得のプロセスで得たことは、学びの習慣が身に付いたことでした。それは、これから生きる推進力と源となっています。これも、志を立てなければ得ることができなかったことです。
新しい世界で、新しい仕事との出会いするなかで、力不足を感じています。果てなく続く学びの世界ですが、学んだ分だけ人や組織を支援できる力がつきます。悩んだ時、壁にぶつかった時は、「志」を思い出して、気持ちを新たにすることが大切だと思います。
少子高齢化という事象のひとつをとっても、多様性・個の自立・社会環境など大きく変化しています。組織が働く人のキャリアをサポートする時代は、過去の出来事。私たちが自分らしいキャリアをつくっていくためには、どう生きるか、何かできるか、何をすべきかを考え、その中心となるものに思いを実現するために、すべてのことをエネルギーにし、その思いを実現させる。まさに標記の言葉の意味することだと思います。