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『のだめ カンタービレ』第5巻 感想

2004-10-04 12:02:59 | コミックス 感想
これは面白い!面白い!面白い!ほんとに面白い。
うーん、こんなマンガがあるとは世の中広いです。
男女問わず、ジャンル問わずお勧めできる作品です。

今回は才能の方向性をどう持っていくのかという問題提起を文化祭を通してなされた巻なのですが、これに至る構成がまた見事でした。

■今回はSオケすら前座に過ぎなかった
前夜祭で公演された峰率いる「Sオケ」の(演奏する前から)伝説のパフォーマンス?は千秋が言うとおり「お前ら本領発揮だよ」と読者としても全く同じ感想で、「Sオケ最高!」「やっぱりSオケはこうでなくっちゃ」といたく感動したものです。
しかし、今回はそんなSオケのパフォーマンスさえも前座に過ぎなかったとは・・・。

■しかし千秋&シュトレーゼマンのAオケさえ・・・
これも前座に過ぎなかったのではないでしょうか。いやー、めっちゃ贅沢だー。
Sオケのパフォーマンスは千秋に「魅せる」とはどんなことか?というテーマを開眼させたわけですが、この「開眼」からシュトレーゼマンとの演奏を通じて「没頭」「楽しむ」「切なさ」に辿り着くプロセスが秀逸。
これこそが千秋に欠落していた部分だったので、その入り口に到達した意味は大きいですね。
またその扉を開いたのはのだめ達Sオケの面々とシュトレーゼマンであるというのが熱い。
このシーン、音が聞こえないマンガという世界でここまでの感動を与えられるのはほんと凄いことですよ。
#逆に音が無いからこそ成立する感動なのかもしれませんが、作者の画力・構成力には頭が下がります。

■ここが本命
千秋の公演に感銘を受けたのだめが我を忘れて練習した曲を千秋と連弾する部分が一番熱い。
SオケもAオケもここに到達するための前座だったと考えると、ものすごい贅沢をしている気分になります。
そして何より、ここがのだめという才能のかたまりに対する問題提起になっていること、これが秀逸。

■これでいいのか
千秋が演奏に没頭して気絶したのだめに対して呟くラストシーンですが、これは読者全員の意見の集約であるともとれます。
#つか、そういう展開をさせているのが凄いと思うんです。
のだめの夢の中でシュトレーゼマンが囁く言葉「もっと音楽と正面から向き合う必要があります」この言葉に、今後どうのだめが向き合えるかがポイントなんですよね。

■やっぱりこれを引き出せるのは千秋しかいない。
既に千秋自身は(シュトレーゼマンという触媒はあったにせよ)のだめによって、「自分は不幸だ」という自分だけの殻から他者を受け入れ、自分の感情を「開放」していく術を知らぬ間に身に付けることが出来つつある。
これに対してのだめの才能を「開放」する鍵は千秋しかいない。
#僕はブリーチやエア・ギアでは「解放」という言葉を好んで使いますが、のだめでは「開放」という言葉をあえて使いたいです。
こう思うからこそ、「これでいいのか」で終わるこの巻はにくい。
あー、もう次が読みたい。

■この作品にも敵がいない
嫌な女キャラの彩子や伝説の迷指揮をやってしまった大河内でさえ、今回スポットを当てて復活させている。
こういう手法は見事だなと。
基本的に皆音楽に対して情熱を持っているから、自分を見つめなおし、音楽に対して謙虚になって、自分の気持ちを「開放」させることによって、一度落ちたキャラも「脱皮」させているんですね。
こういう敵だ味方だ、善だ悪だという絶対的二元論に陥らない、変化・進化を肯定的に描いている点、それが僕がこの「のだめ」を面白くて仕方ないと感じるポイントの一つなんだと思います。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
のだめ大好き!!! (いずみ)
2005-04-03 19:48:39
私ものだめ大好きです。

演奏シーンも感動的だし、キャラクター1人1人とても魅力的ですよね

今は、のだめ普及活動にいそしんでます。ファンを頑張って増やします
返信する
のだめ普及委員会 (燕。(管理人))
2005-04-04 22:04:17
>いずみさんへ

コメントありがとうござます。

のだめ、ほんとに良いですよね。

特に捨てキャラを作らないあたりが最高です。

憎まれ役になったキャラにもちゃんとスポットを当てて復活させているあたり、キャラへの愛情が素晴らしいです。

のだめ普及活動、うちも頑張りたいと思います。
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