今日は2回もカブトムシを見た。
といっても、昨日の蟻や蝉ではなく、フォルクスワーゲンの旧型タイプ1のことである。
37.9度と今日も最高値を更新した名古屋の気温。茹だる午後の日差しの中を例の空冷エンジンのバタバタ音を響かせて走りすぎたベージュのビートルには若い男性が二人乗っている。クーラーは付いていないから、ウインドウは全開。でも、二人は余り暑そうな様子ではなく、結構楽しそうに笑っていた。カッコイイ。
二台目は写真に撮った黒のビートル。これは、西大須から松原に抜ける途中の裏通り、民家の前庭に置かれていたもの。たぶん持主はこの古い愛車を磨いて眺めて楽しんでいるのに違いない。仕事にはバスや地下鉄を使えばいいし、家族には自転車がある。黒ビートルが動くのは週末の一時期だけ。クーラーやナビなんてのは車道楽の本道から外れるわけだ。
ヒトラーとポルシェの思惑から生まれた国民車のタイプ1は、空冷4気筒エンジンで1リッターの排気量、巡行時速100キロ、大人3人子供2人が乗車可能、リッターあたりの燃費が14.3km以上、価格は1000DM以下などの条件を充たし、戦中の開発から戦後の本格的製造を経由して2003年のメキシコでの生産終了までの65年間で2100万台以上を全世界で販売した超ロングセラー商品。近頃のVW社がつくる新型ワーゲンとはまるで違ったコンセプトの車だったわけで、現在も旧型を愛好するひとたちが世界中にいるのだろう。
先の洞爺湖サミットでは、世界全体の温室効果ガス排出量について、「2050年までに少なくとも50%の削減を達成する」目標を各国が共有すべきだと難しい呼びかけをしているいるわけで、その現実化には、総量規制をして1900年代のある時点でのCO2排出レベルにもどすことをしなくてはならないはずだ。
街を走る車の99・9%が窓を閉め切って冷房をガンガン効かし、温室効果ガスを有効に大量排出し続けるのをにがにがしく思う歩行者としては、窓を開いて走る旧型ビートルの姿に、現代的なエコロジー&エコノミーの意味をしっかり感じ取ったわけである。
今週はアメリカ・南ダコタの小さな町で、スタージェス・オートバイ・ラリーというサマーイベントが開かれるとはVOAのIPODニュース。全米から50万人の集客があるという。
アメリカでは、ガソリンの価格沸騰もあって、エネルギー効率の良いモーターサイクル(オートバイ)が再評価されているようだ。一時期のヒッピー暴走族のイメージが消えて、ファミリー・バケーションの手段として見直しされて、中年バイカーの復帰が多いという。来年は高速オートバイブランドのインディアンが復活することも話題だ。
フォルクスワーゲンやホンダのカブなど、日本でも1960年代の移動手段に再びハイライトがあたれば、サミットの約束もあながち不可能とはいえないかも。
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