「我が国は、自由であり、美しく、とても上手くいっている。この国が嫌いで、ここにいるのが幸せでないのなら、出て行ってくれてもいい」
これは昨日、アメリカのトランプ大統領が発信したツイート。人種差別的だと物議をかもしている連続ツイートのひとつだ。移民国家といわれ、人種のるつぼといわれたアメリカで、それを真っ向から否定したような書き方。矛先は名指しはないものの、トランプ弾劾の急先鋒の民主党若手(ノンホワイト)女性議員たち4名に対してだ。
メキシコから越境してくる避難民を壁をつくって防ごうという「選挙公約」からして、スクオッド(チーム)と呼ばれる彼女たちには、人種差別以外の何物でもなかったわけだが、事態はエスカレートし、長年アメリカで(結果的に不法に)暮らして来た外国人家族を半強制的に分離して隔離するという、警察による「人狩り」のような政策もとられて、ことは人種問題から人権問題へと拡大している状態だから、このスクオッドとトランプの一騎打ちをマスコミも追いかけ、SNSがそれに輪をかけるといった様相だ。
それにしても、世界に冠たる大アメリカを代表する大統領が、こんなエゲツナイ云い方をすることに、異国民であっても摩訶不思議な気がする。ストレートな物言いがいいというコアなアメリカ人たちが多いというのも、彼らの本音が見えそうでとても興味のわくところだ。
さて、冒頭に書いたトランプのツイートだが。我が国を日本と読み替えたらどうだろうか。
アメリカほどではないにせよ、差別的発言や行動なら日本国内にも散見されるのではないのか。気になっているのは「メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン」と胸を張るトランプ大統領の八方破れの行動スタイルをよしとして、これをひたすら真似たい「欲」のようなものが、わが首相の心中にはあるのではないのか。それだけ、やることがどことなく似て来ていると思えるのだが。
今日も、中日夕刊の〈夕歩道〉を引用しよう。
参院選まであと4日、各党幹部は日本全国を飛び回って自党のアピールに余念がないが、自民党は総裁たる安倍首相の遊説日程をオープンにしていない。これを「ステルス遊説」というのだそうだが、首相とトランプ大統領の間で購入を決めてしまったF35戦闘機をイメージした命名なのだろうか。
お仲間のISさんが14日のツイートで「名古屋に安倍総理が来たようだ。なんの報道もなく自民党のCMばかりが目立つ。おかしな国になった」と嘆いている。たしかに中日にも「安倍訪名」の記事はなかった。
ステルス演説会を、敵に知らせぬのはよかったが、遊説に集まるのが味方ばかりでは、いつもの「余計な一言」がぽろりとでてしまう。それが、今日のホットツイート「お父さんも恋人を誘って、、、」だった。
「家族全員に期日前投票を」と呼び掛けたつもりが、「お母さんは昔の恋人を探し出して、投票箱に足を運んでください」とやったものだから、「これは不倫のすすめなのか」とか「男は現在進行形で、女は過去形で語るとは、女性を馬鹿にしている」とかリツイートされ、人権問題の日本的亜種が思わぬところでぽろりと顔を出してしまった。
可愛い女は好きだが煩い女性は嫌いなトランプのウイークポイントをも安倍首相は甘んじて真似ようというのか。
夕歩道氏は「選択的夫婦別姓さえ認めぬ自民党の保守的夫婦観や家庭観からすると、ずいぶんハジケタ投票のススメだが、保守派の皆さんはこれでよろしいか」と問うている。
共和党保守派の大多数は、乱暴なトランプの人種偏見や人権に関するツイート発言には「見て見ぬふり」だというから、自民党保守派の方たちも、アメリカ議会の行き方に倣うがイイのだろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます