5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

梨と泥鰌

2020-11-02 21:23:27 | 政治

11月2日の愛知県発表によると、新たに44人のコロナ感染が確認されている。累計は6331人である。名古屋市が23人、他の市町村で21人となる。1ヶ月前なら、この時間(午後8時30分)になればNHKも中日新聞も詳しく状況がWEBに公開されてきたが、このところ、県にしろ市にしろ、リアルタイムの詳細発表が遅れている。細かく公表したくない理由でもあるのだろうか。

安倍前首相が山口県長門市にある安倍家の墓参をしたと昨日の毎日新聞が伝えている。記者団に対して「安倍政権のあいだは憲法改正はしないと野党はいっていたが、今は菅政権だからその言い訳は通用しない」と憲法改正を巡り野党を牽制するコメントを言ったらしい。改憲論者の彼だが、なんの下心あってと疑ってみたくもある。

明日、11月3日は憲法記念日である。昭和憲法の発布は昭和21年のこの日だが、戦直後でもあり、当時のひとびとには内容がよく知らされておらず、偉い学者たちが地方をめぐって新憲法の説明を行ったのだとは、「ことばの歳時記」の金田一春彦先生。

茨城県の新治村(ウイキには茨城県だけで新治という旧地名が三か所あるから、これがどの新治かは判然としない)の近くでそうした講演が行われたときに、聞きに行った村の人が首をかしげながら帰ってきたので、「何の話だったのか」と訊くと「さあ、なんかケンポ梨のハナスだったヨ」と答えたという笑い話が紹介されている。

ケンポ梨(玄圃梨)とは野生のクロウメモドキ科の落葉高木で、秋には直径数ミリの果実を稔らせる、みかけは干し葡萄のようだが、梨のように甘く食べられる。村の人たちは、エラい先生の難しい話の中にときどき出て来るケンポウということばから、木に生っている秋の果実のはなしだと受け取ったというわけだ。

似たようなはなしに、農林省技師の土壌に関する説明を聞いて「シマ泥鰌やアカ泥鰌のほかにずいぶんいろんなドジョウがあるダナア」と感心した老人がいたという。専門的な話題を素人にもわかりやすく話すということは、まことに難しいことだ。というのが金田一先生の今日の結論である。

「ご飯論法」などという流行語ができるほど、最近の霞が関の政治語法はわれわれ下々のものには理解不能だ。梨や泥鰌の話題は現在の永田町周辺でも盛んに繰り返されているらしい。

 


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