5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

ユネスコの世界遺産

2011-06-26 22:19:38 |  ニュース
「夏草や つわものどもが 夢の跡」

有名な芭蕉の「奥の細道」、奥州平泉を詠んだ歌だ。

6月25日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の第35回世界遺産委員会は、岩手県平泉町にある中尊寺を中心とした藤原氏遺跡を世界文化遺産として決定したと発表した。

「平泉-浄土を表す建築・庭園および考古学的遺跡群」がコンセプト。自然に溶け込んだ日本独特の景観が高く評価されたのだという。3年前に一度見送られた遺産登録だから今回の関係者は「背水の陣」で臨んだというが、「東北大震災」の急襲で却って認定に弾みがついたようだ。新聞の見出しのように、はたして「平安の栄華」だけで東北が活性化できるかどうかが、現地が負うべき課題である。

平泉が決まる一日前には、東京都の小笠原諸島が、そのめずらしい生態系を評価されてユネスコ世界自然遺産に登録されることが決まっている。日本の自然遺産の登録は、屋久島、白神山地、知床に続いて4件目。

東京の都心からは1000キロも離れた小笠原諸島は、かつて大陸とは一度も陸続きになったことがなく、ここにしかいいない多くの固有種がみられることから「日本のガラパゴス」とも云われているのだそうな。この認定をきっかけに、動植物の種の研究がさらに進むことになるのだろうが、外来種対策や交通インフラ開発などにはきびしい制限も求められるのだろうから、島民にとっては面倒も増えるということだ。

偶然だが、今日6月26日は小笠原が日本に返還されて43回目の記念日。返還祭に自然遺産登録がかさなって現地はお祝いムード一色だったとニュースは伝えている。

ユネスコの文化遺産登録では、海外ニュースにも面白いものがあった。24日の中央日報が伝える「中韓文化論争」である。

ことは、21日に中国国務院が、東北部・延辺朝鮮族自治州のアリランを国家無形文化遺産に指定したと発表したことから。アリランのほか、カヤグム、シルム、遼寧省パンソリなどがその対象になっているようだ。中国側は朝鮮族の文化擁護だと主張するが、ユネスコ世界遺産登録への布石ではないかと韓国側は疑っているらしい。

さて、アリラン本家はこの国際文化摩擦にどう対処するのだろうか。

早速、韓国の文化体育観光部長官が「年内に国内のアリランを収集し、来年にユネスコ世界無形文化遺産登録を推進する」と声明を発表したというのだから、正直慌てたということだ。中央日報の記事見出しは「韓国の伝統アリランやキムチ、まだ“国家文化遺産”ではない?」とあるほどだから、一般の韓国人の認識もこんなところなのだろう。

現行法では、アリランやキムチやシルムには「特定保有者」が指定されないことから韓国無形文化材としては認められないのだそうだが、中国の横槍をきっかけにして法改正が進むことになるだろうという。アリランの世界文化遺産登録が推進されるのは結構なことだ。若しそうなるとすれば、やはり、韓半島のアリランやキムチやシルムであって欲しい。《Made in China》のラベル付きというのは異文化だとはいえしっくり来ないではないか。










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