里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

里山 研修旅行

2014-07-16 05:26:59 | Weblog

7月13(日),14(月)と福島県南会津町の NPO法人森の遊学舎「こめらの森」 に研修に行った。宿泊地は沼尻温泉である。

今回、会員20名(男子15名、女子5名)の参加を頂いた。男子の一人中山さんはマイカーで現地合流である。

午前7時、ペアーノを出発。西那須野インターで降り、会津街道を走り、予定の10時を5分ほど過ぎ、現地に到着した。

駐車場を探しているとおじさんが手招きしている。よく見ると中山さんである。すでに30分前に着いたとのこと。74歳になるが、今回の研修の目玉である「火おこ

し」の実演を是非見たいとの思いからマイカーで参加してくれたのである。中山さんはキャンプの火おこし名人なのだ。

駐車場からほど近い、赤いトタン屋根の民家が見えた。ここが「こめらの森」の拠点である。「こんにちはー」と元気に古民家の玄関で来訪を告げた。奥から額の広

い見覚えのある顔が にゅっ と出た。代表の大西さんである。もちろん初めてお会いしたのだが、ネットで拝見していたので懐かしい気がした。名刺の交換をし、

座敷に上がらせて頂いた。畳敷きの全くの古民家である。

大西さんの提案で、雲行きが怪しいので、「火おこし 体験を先にしましょう」となった。

全員、裏庭に移動する。 そこはかなり広く、冬に使用する薪の小屋がいくつも建っていた。ビデオを取り出し、その実演に備えた。

大西さんは、火おこし七つ道具(?)を丸いテーブルに並べ、それぞれの使い道、材料名などを細かく教えてくれた。 

 

いよいよ、火おこしであるが、これから先はビデオカメラに持ち替えたので、後日、会員の映像を拝借し、ブログに載せたい。

大西さんは火おこしの前に精神を統一し、神に何事かを祈り、おもむろに火おこし棒を杉板に当て、両手でゆっくりキリを揉むように回し始める。次第に激しく回転

し、ほどなく杉板から煙が立ち上り、焦げ臭い臭いが立ち込めると、杉板の下に敷いた乾いた植物の葉にその火種が落ちて溜まり、麻で作った鳥の巣のような器にそっと移す。

 麻を丸めて鳥の巣のように作る。(ここに火種を入れ、空気を吹き込むとパッと炎に変わる)

そこに息を吹き込むともくもくと煙が上がり、指先でその巣をつかみ、勢いよく腕をぐるぐる回す。2,3周目でパッと炎が上がった。

期せずして大歓声と拍手の渦が沸き起こった。 

どなたかやってみませんか? 一番早く名乗り出たのは私。数ある火おこし棒から真っ直ぐなものを選び、精神統一をし、いざ挑戦。肩に力が入りすぎたのか煙が出

てきたところで、息が切れ、山下さんにタッチ。山下さんからさらに中山さんに繫ぎやっと発火した。それでも約3分で炎となったのである。

 (森の遊学舎フェースブックより転写)

訓練によって時間は短縮できるだろう。会員から受け木となる杉板の切り口の角度、厚み、など鋭い質問が出て、大西さんも驚いていた。新たな火おこしの作法を学び、再び母屋に戻る。

一服し、後半はパーポイントを使った講義で「来訪者に対する安全管理」を拝聴した。大西さんはCONE(自然体験活動推進協議会)のトレーナー(最上位)の資格を持っている。

講義の中で「人は 聞いたことは5パーセントしか心に残らないが、体験したことは75%残る」という科学的な研究結果の数値が表わされていたが、確かにそうだ。

特に幼少年期に五感で体験した思い出は一生心に残るような気がする。まさに私たちの活動の意義がここにある。

今回の火おこし技術は来る29,30日の里山キャンプに早速、活かされるだろう。

また、様々な来訪者を迎える上で、「安全管理」は活動の継続、来訪者の更なる信頼を得るため、とても重要な項目である。会員が共有し、活動の質の向上につなが

る研修になったと思う。

午後12時、約2時間の研修を終了し、古民家を移築した山王茶屋で昼食となった。沼尻温泉「のんびり館」には4;30分に到着。

ナトリウム、カルシュウムの温泉に浸り、予想を超える豪華な夕食に舌鼓をうち、自慢?の のどを全員が披露し、楽しい宴会となった。

是非、次回はさらに多くの参加を期待したい。

森の遊学舎  https://www.facebook.com/ugaku?hc_location=timeline