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哲宗とビョンインの闘い。
結局、哲宗が勝ちました。
「王宮の主が誰か、分かったか?」
と、哲宗。
悔しさのあまり、ビョンインは言葉も出ません。ただ睨むだけ。
そして、ソヨンに狙いを定めたファジンの矢は、ソヨンすれすれに飛んで、後ろの木に突き刺さりました。
最後の最後に思いとどまったと言うべきでしょうかね、ファジン。
ファジンが本気だったことは、ソヨンにも分かりました。
第一、本物の矢を使ったことが、その証拠です。
ファジンは、もう敵意も殺意も隠そうとしません。一応口では、手違いだと言いましたけどね。
嫉妬や誤解でファジンはどんどん悪人になって行ってます。
ソヨンはオウォルのことを誤解していると知りましたが、いくら説明しようとしても、一切受け入れないファジンに、お手上げです。
最初からあまり好きになれなかったファジンですが、このところ、本当にムカついてしまいます、あたくし。
大王大妃は、哲宗の力量を知り、苛立ちました。
これまでのように、田舎育ちと言う言葉は、もう噂に過ぎないと誰もが気づいたでしょうから。
キム・ジャグンに、苛立ちをぶつけました。
しかし、ジャグンは焦ってはいません。彼は既に手を打っていましたからね。
その一つが、食材を奪うということです。これは成功していました。
永平君が何とか調達して宮殿に戻ろうとした一行が、またもや賊に襲われてしまったのです。
ハン室長に似た男が、ト内官と会っているのを見かけたソヨン。
男はト内官とつるんでいるようです。
すぐにチェ尚宮に後を追わせました。正体を探るようにと。
ソヨンは男が水に何かを入れているのを目撃していました。
まさか・・・毒?と不安になったソヨンは、水刺間に急ぎました。
食材が届かないので焦っているマンボクに、哲宗が言いました、自分を信じろ、必ず届くから・・・と。
その哲宗の必死の思いがマンボクには伝わりました。
ソヨンはその様子を目撃しました。
マンボクには強気で言ったものの、本当は不安で仕方が無い様子の哲宗を見たソヨンは、可哀そうになったようです。
諦めたら?と声をかけました。その方が楽だから・・・と。
「では、死体のように口をつぐめと?それは出来ません。全力で出来る限り足掻きます。見ているのが辛いなら無視してください。」
分かった・・・と、ソヨンは背を向けました。
そんなソヨンにホンヨンが言いました。心にも無いことを言わないでください・・・と。
「王様が傷つくかと、心配されてるくせに。」
水刺間では、大変な事が起こっていました。
料理人たちが皆お腹を壊していたのです。勿論、水のせいです。
マンボクだけが無事だったのですが、それは緊張すると水も飲めなくなる性格のお陰でした。
とにかく、宴の料理を作れる状態じゃありません。
ソヨンは、こうなったら自分がやるしか無いと腹をくくりました。
食材も無い、料理人たちも使い物にならない状況です。
マンボクがかき集めて来た王宮の畑で取れた食材を元に、メニューを考えました。
料理が遅れ、宴に出席していた者たちは相当空腹になっていました。
永平君から食材を奪われたと報告を受けた哲宗は、絶望的な気分になっていました。
キム・ジャグンはほくそ笑んでいました。
そこに、料理が運ばれて来たのです。
添えられている料理の説明を見て、哲宗は気づきました。ソヨンだと。
手紙をやり取りしていたのが、活きましたね。
一見すると、質素な料理。なにせ、現代の屋台で売ってるジャガイモの串揚げですからね。あのトルネード状態の。
不満が大臣たちの口から洩れました。見た事のない料理ですし。
しかし、一口食べて、皆食べた事のない味に感動したのです。
次の料理は、一見すると、ハンバーガー。名付けて“メクドゥナルドゥ”。噴き出してしまいました、あたくし
哲宗の“簡素だが地味ではなく、華やかであるが贅沢ではない”もてなしと言う意図を見事に酌んだ料理でした。
哲宗の顔が立ったってことでしょうか。
一方、男の後をつけて行ったチェ尚宮は、何とか男の名前を聞き出していました。
男の名前は、ハン・シムオン。
お金で買った偽の家系でした。
必死に駆け戻って来て、ソヨンに報告しました。
やっぱりハン室長の先祖だと、ソヨンは思いました。
慌てて宴の席に戻ったソヨン。
ファジンは傍を通ったソヨンから油の匂いがすることに気が付きました。
哲宗は居並ぶ大臣たちを前に言いました。
これからは膳の数を減らし、肉を食するのも禁じると。要するに贅沢な膳を禁じるということです。
「酒と歌舞や、党派の争いも止めること。これに違反した者には、罪を甘受してもらいます。」
皆戸惑いました。不満顔です。
この時、キム・ジャグンが進み出ました。残念な報告があると。
ビョンインたち義禁府の兵たちが、永平君の部下である禁衛営の兵を引っ立てて入って来ました。
身元を偽り、哲宗の警護をしていたとジャグンが言いました。
タイミングを見て、暴いたのです。
哲宗は、ジャグンの計略だと叫びました。
しかし、ジャグンは全く動じません。
「あの三家の後ろ盾を信じてそのようなご発言を?三家が王様のお世辞を真に受け味方につくとでも愚かですね。目を覚ましてください。」
無礼であると、我慢の糸が切れた哲宗が叫びました。
「目上の者を侮辱するとはもはや不忠ではなく謀叛だ」
落ち着かれませ・・・とジャグン。
「何か当てがあってのことでしょうが、手足を切られたら、それも無用の存在になります。身勝手な振る舞いの代償を払いませ。」
そう言ったかと思うと、ジャグンは禁衛営の兵に言い渡しました、打ち首だと。
永平君が軍の掟で裁くと言いましたが、ジャグンは認めません。
哲宗が永平君の言うとおりにと言っても、もう大臣たちは黙っていませんでした。
永平君も知っていたのでは?とか、禁衛営全体が反逆者の集まりなのでは?とか口々に騒ぎ立てました。
禁衛営を解体し、隊長を連座させるか、罪人の処罰を自分に一任するか・・・だとジャグンは言いました。
一任すると言う事は、今後一切何もしないと言う約束をすることだと信じ、隊長は見逃すと。
もう、哲宗に打つ手はありませんでした。
本当の操り人形になるということですが。
全て、無意味だったか・・・と呟いた哲宗。
ジャグンに一任すると言いました。涙がこぼれ落ちました。
ソヨンはそれを言葉も出ずに見つめていました。
この時の表情が、本当に上手いです、シン・へソンさん。セリフは無いけど、心情が表れていました。
哲宗は、端午の節句の残りの式次第を黙々とこなしました。
涙がたまっています。無気力な表情です。
神への祈りの言葉を読み上げる時も涙は止まりませんでした。
その直後、哲宗が灯した線香が燃え尽きようとした瞬間、大爆発が起こったのです
哲宗は吹き飛ばされ、血まみれです。
ソヨンは血相変えて哲宗に駆け寄ろうとしました。それを、抱き留めたのはビョンイン。
誰の仕業