レビュー一覧は、こちらから。
キム・サブは言いました。お互いやるべきことをやるだけだ・・・と。
自分は医師として手術をするから、男は暴行犯の患者に対して罪を問いたいなら問えと言う事です。
殺気だった男は要求が聞き入れられないと知ると、激高し鎌を振り上げました。
ソジョンは体を固くしているしか出来ません。
男の叫び声を聞きながら、キム・サブは手術を再開しました。ト・インボムたちもそれに従いました。
30分だけ猶予をやると男は言いました。
キム・サブは手術室に音楽を流せと言いました。
それによって、徐々に雰囲気が落ち着いて来たのが分かります。男もそう見えます。
知らせを受けたヨ院長は、ただちに患者たちを避難させました。
警察の特殊部隊がやってきて、手術室の前に待機しました。
手術室の外に男の妻と娘が来ていると、外の刑事から電話が入りました。
「パパ・・・。」
と言う娘の声を聞いて、男の表情が一気に緩みました。殺気が少し消えました。
手術が終わりました。
キム・サブは男に言いました。
「生かすも殺すも好きなようにしろ。患者は脊髄を損傷しているから、一生障害が残るだろう。歩く事も、何もできやしない。そんな男のために犯罪者になりたいなら止めはしない。ただし、多くのモノを失う覚悟はしておけ。」
それでも男は殺すぞと叫びました。
キム・サブは、その場にいた者たち全てを手術室の外に出しました。
男はソジョンを放しました。
倒れ掛かったソジョンをキム・サブが支え、ドンジュがそのあと連れて出て行きました。
一人残った男は、手術台にうつぶせになったままピクリとも動かない患者に近づきました。
でもね、殺せませんでした。
特殊部隊が突入し、男を確保し、騒動は終わりました。
キム・サブは男の娘にこっそり言いました。
「おじさんが治してやる。全力を尽くして治してみせるよ。病院代は心配いらない。おじさんがただで治してあげるからね。」
男の妻は泣き出しました。娘は嬉しそうに微笑みました。
当然、ソン外科長はキム・サブに噛みつきました。
患者だけを残して手術室から出て行くなんて、とんでもないと。
これが外部に洩れたら、病院が閉鎖に追い込まれますよ・・・なんてね。
閉鎖と言う言葉を聞いたら、キム・サブだけじゃなく、ナム麻酔医もチャン・ギテだって黙ってはいられません。まるでソン外科医が本院にご注進するぞと言ってるようなもんですからね。
「犯人じゃなく子供の父親だ。この件を変に歪めて報告するな。閉鎖だと?今度口にしたらただじゃおかないぞ。鎌を持って押しかけるぞ。」
ソン外科長、本当はキム・サブが怖いんですよね。ト院長の威光を笠に着て偉そうに言ってますが、強く出られると、つい、逃げ腰になってしまうんです。
ソジョンはキム・サブに謝りました。自分のせいで驚かせてしまったと。
キム・サブは呆れました。
ソジョン自身が一番危険な目に遭ったと言うのに、人の心配をしてどうするんだってところです。雑用係をしろと言ったら、素直にするし・・・。
キム・サブはソジョンを心配しているのです。
PTSDが再発したら、病院にはいられなくなることを。
気を引き締めろと言いました。心配だから小言も多くなるってわけです。
「さっきはよくやった。辛かったろ。」
キム・サブが言いました。
ソジョン・・・嬉しさがこみ上げて来ました。キム・サブに褒められたと。
この話を、コサン病院の看護師が見ていました。
その看護師は、仕事もせずに病院内をうろついては職員の話を立ち聞きして情報を集めています。
ソジョンのPTSDの話なんぞ、大スクープですわな。
オ看護師長は気になっていることがありました。
手術の時、キム・サブが、必要だと思われる処置をしなかったのです。
手を抜く人ではないと分かっています。時間が無かったからだとも思えません。
「もしかしたら、迷ったのかもしれない。」
と、オ看護師長はナム麻酔医に言いました。
まさか、キム・サブが感情に流されて処置をしないなんてこと、ありえない・・・とナム麻酔医。しなかったのではなく、出来なかったんだ・・・と。
これは、ト・インボムも気づいていました。
処置をしなかったと言うのではなく、何か迷っていたということだけは。
これでいいんだ・・・とキム・サブは眠る患者を見ながら呟きました。
やっぱり、敢えて処置をしなかったようです。
これも後に問題となりそうで、不安。
ドンジュは相変わらずキム・サブと言う人間が理解できませんでした。
普通の医師とは全く別の言動をするので彼の理解を超えているのですが、かと言ってソン外科長の言うようにサイコパスとは思えないのです。
ただ一つ分かっているのは、キム・サブは自分を圧倒する存在だということです。
「俺が大事にするのは“浪漫”だ。」
と、キム・サブはドンジュに言いました。
賢くて計算が速いお前には、そんなもの目に入らないだろうな・・・と。
そこまで僕を嫌う理由は?とドンジュが聞くと、嫌いだとは言ってないぞ・・・とキム・サブ。
「自責の念に駆られ、被害者意識を持っているからだ。それを隠すために必死になり全国一位の肩書にこだわっているのが頭にくる。」
・・・と。
「仕事の仕方だけ学んでも意味を知らないと医師として価値がない。」
と、キム・サブ。その言葉、ドンジュの心に沁みたようです。
自分を無視し続けるト・インボムに、ソジョンはしつこく付きまとい、誤解を解こうとしました。自分は愛人の子ではないということです。
ソジョンの母とト院長は大学のころの友人だったのです。
ト院長がソジョン母に片思いをしていた頃もあったようですが、ソジョン母には好きな人がいたとか。それが父親だと言いました。顔も知らないそうですが。
ト院長が父親であってほしいと思ったこともある・・・とソジョン。
でも、違ったと。
そこまで話しても、ト・インボムは信じません。
DNA鑑定までしようと言いだしましたよ。
患者の家族が激怒して抗議しに来ました。
バス停で倒れて、回復が思わしくないので、高額治療を始めた患者の息子です。
ソジョンが母親と娘には説明をし、承諾を得ていたのですが、医師が無知な家族を騙して、お金を巻き上げようとしていると言うのです。
やっぱり問題となりましたね。
どちらの言い分も分かります。何としても意識を取り戻してほしいと思う気持ちも、だからと言って生活できなくなるようじゃ、困るということも。
綺麗ごとじゃ済まない問題ですよね。