紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

「熊野古道巡礼」東方出版社

2004-10-16 16:44:06 | 13・本・映画・演劇・音楽など
この本の著者トモさん(吉田智彦さん)と初めて会ったのは、9年前のことだ。フィジー・本島から、セスナ機のように小さな飛行機に乗り、1時間ほど飛んだ所にあるタベウニ島のホテルで一緒になった。
私は、娘と良流娯さんと知夏ちゃん、4人で旅をしていて、まだ学生っぽさの残るトモさんは、一人旅のようだった。

4日ほど滞在するうちに、どちらからともなく話しをするようになった。
タベウニ島の最後の日、私たち4人は、トモさんと一緒にホテルのレストランで食事をすることになった。そこで初めてトモさんが、ノンフィクションライターを目指していることを知った。私は沢木耕太郎さんが好きなので、一緒に沢木さんの著書について話したり、私が子どもの本を書いていることなども話した。

それ以来、年賀状で近況を知らせてくれたり、ハガキなどで、雑誌などに文章がのると知らせてくれた。
その度に、あきらめずに、ノンフィクションライターに向かってがんばっているんだなあと思っていた。
そして、9年後の今秋、初めての本の出版が決まったという連絡をもらった。ほんとうに、よかったねと思った。9年間、夢をすてなかったことに、感動した。
「熊野古道巡礼」ぜひ読んでみようと思う。

そこで、突然、私自身の話しになるが、初めて本を書きたいと思ったのは、20歳の時だった。なんとなく少し希望が見えたのが30歳。初めて「ぼくらの夏は山小屋で」が出版されたのは、34歳。
やはり、本を出すって、簡単にはいかない。よほど運と才能がある人は、するすると進むのだろうけど、おおかた、ふつうの人はあきらめないことが肝心なのだろう。