ぶらぶら人生

心の呟き

徒(あだ)なるもの 徒雲・徒花・徒言などなど

2010-02-10 | 身辺雑記
 先日、辺見庸氏の本をアマゾンから取り寄せた。
 <辺見庸コレクション>の1と2。『記憶と沈黙』『言葉と死』の2冊である。
 『言葉と死』のⅠ<前に駆り立てるもの>と<消えゆく残像――駅頭の兵士たちと寂しい詩人>、『記憶と沈黙』のⅠ<垂線>をまず読んだ。
 

 辺見さんの言葉は重い。鋭い批評眼に心を突き動かされる。
 身近な体験談を綴りながら、現代の抱える問題点を抉るエッセイが多い。
 辺見さんの論理的頭脳にも感心する。

 辺見さんは語彙の豊かな作家でもある。
 今日読んだ文中に、<徒雲>という言葉があった。
 徒雲(あだぐも)は、<やがて消えるはかない雲。浮雲。>のこと。
 私の遣ったことのない語彙である。

 徒花(あだばな)、徒言(あだごと)など、<徒(あだ)>の付く熟語は多い。
 広辞苑には、<徒>について、<実のないこと。浮気。いたずら。はかないこと。かりそめ。>などの意味を載せている。
 しばらく、辞書で、<徒>の付く熟語を確かめて遊んだ。


 今日は午後、街へ買い物に出かけた。
 小糠のような雨が降って、風景が霞んでいた。(写真)
 周囲の低い山は、濃霧の中に姿を隠していた。


               

               
コメント
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