ぶらぶら人生

心の呟き

松江へ 2 <フランス絵画の19世紀展>

2009-05-02 | 旅日記
 4月の末、島根県立美術館へ出かけた。
 <フランス絵画の19世紀展>を見るために。
   ~美をめぐる100年のドラマ~
  アカデミスムか?  印象派か?
 という言葉も添えられていて、展示は4部門に分かれていた。

  1章 アカデミスムの基盤~新古典主義の確立
  2章 ロマン主義の台頭とアカデミスム第一世代
  3章 アカデミスム第二世代とレアリスムの拡がり
  4章 アカデミスム第三世代と印象派以後の展開

 上記の歴史的な流れを追って、絵画は並べられていた。
 大作が多い。
 過日、NHKの「日曜美術館」で紹介されていた、アングルの≪パフォスのヴィーナス≫が、手にしたパンフレットの1ページを飾っていた。(写真)

 今回の展覧会は、日本であまり紹介されることのなかった<フランス・アカデミスムの流れ>を本格的に紹介することを主眼としたものであった。
 各章の説明を見てもそれがうかがえる。
 「フランスの19世紀=ロマン主義・レアリスム・印象主義」といった常識の枠にとらわれず、それらをも網羅しながら、アカデミスムの画家たちを多く取り上げていた。
 大作が多いだけでなく、展示室の壁に掲げられた絵画作品の大きさにも驚いた。一堂に、そうした大きな額の並ぶ展覧会というのは、これまであまり体験したことがない。
 今回、特に重きを置かれた、アカデミスムの画家たち(前衛的な画家たちに対峙する形で存在していた)の中には、今までなじみのない画家もあった。
 絵画に対する専門的な知識はないし、自分流の見方しかできないので、展示に込められたせっかくの意図を、十分には理解し得なかったように思う。
 展示された80点ばかりの大作を、ゆっくり見てまわった。
 中には、かつて見た絵もあった。国内の美術館で、お目にかかったものであろう。

 日を経た今、画家の名や絵画が思い出せるのは、グロ、ジェラール、アングル、ドラクロア、クールベ、シャヴァンヌ、マネ、シスレー、モネ、ルノアール、ラトゥールなど。


     
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松江へ 1 (宍道湖畔)

2009-05-02 | 旅日記
 松江行きは、二年ぶりであった。
 松江に行くといえば、大抵、県立美術館に出かけたり、安来に住む妹夫婦に会って食事を共にしたりするのが慣わしであった。が、一昨年の秋、妹がしばらく入院していたこともあって、一緒に食事をしたり、絵画を鑑賞したりはできなかった。

 島根県立美術館が、創立10周年を記念して、規模の大きな展覧会<フランス絵画の19世紀展>を開催中である。それを見に来ないかと、妹から誘われていた。
 妹夫婦はすでに見ているけれど、私が来れば一緒にもう一度見に行くから、ということだった。

 そこで、一昨日、日帰りで出かけてきた。

 たくさんの名画を見た後、宍道湖畔を歩いた。
 好天に恵まれ、風景は穏やかであった。
 湖畔の景色に心を休め、彫刻を眺めた。

 水際に向かって十数匹?のウサギが、曲線を描いて配置されていることは前々から知っていた。面白い発想に心なごみ、童心に戻る感じで見てきた。
 作者が誰であるかなど、考えもせず。
 ウサギの一つ一つをよく観察することもなく。
 この日、ゆっくり眺めると、居並ぶウサギはみな同じではない。
 両の耳が離れたのと、くっついているのとが、交互に置かれている。さらに、水際に最も近いウサギだけは、両の耳を背に寝かせている。水にたじろいでいるかのように。(写真①②)

 子どもの時、ウサギを飼っていた時期がある。
 しかし、どんな時、どんな仕種をするかなど、観察した記憶がない。餌として好物の(?)葛の葉っぱなど採ってきて与えると、せわしなく口をもぐもぐさせていた、その口もとが思い出せる程度である。

 傍のプレートには、

   宍道湖うさぎ
   Shinji-ko Rabbits
   藪田 佐斗司  1999

 と記されていた。

 建畠覚造作、<WAVING FIGURE>(1998)も、存在感がありながら、宍道湖の風景に溶け込んでいた。(写真③)
 漫画家、園山俊二の<平太とガタピシの なが~い一日>の碑も、湖水に向かって佇んでいる。漫画の内容は知らないのだが、平太とガタピシの、ゆったりのんびり佇んでいる姿が、頬を緩ませてくれる。(写真④)

 嫁ヶ島もはるかに見えて……。(写真⑤)
 美術館の周辺は、自然景の一つ一つが、巧まざる芸術品のようである。

  
      ①

                 ②

      ③

                 ④

      ⑤
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