ぶらぶら人生

心の呟き

広島で 6 (「マルコポール」からみた縮景園の木々)

2007-10-02 | 旅日記
 新幹線で広島駅に着くと、すぐタクシーで広島県立美術館に向かった。
 12時前であったが、まずは昼食を済ませて、靉光展を観ることにした。
 館内のレストラン「マルコポール」に入った。

 まだ客が立て込んでおらず、窓側の席に案内された。
 縮景園の樹木の一部が見える席であった。(写真)
 窓を額縁とした風景には、秋の気配が全く感じられなかった。
 お食事を終えた後、コーヒーを飲みながら、お箸入れの袋に、目の前に見える風景をスケッチした。黒い蝶や黄色い蝶が視界を飛んでいたので、俳句まがいの句をスケッチに添えておいた。
  閑かなる古園舞いおり秋の蝶

 スケッチも五七五も、人に見せられるようなものではない。しかし、最近は、わが身の力なさを恥ずかしいとも思わなくなった。ありのままの姿を人前にさらし出せるのは、年を重ねた証拠だろうか。
 一昨日、訪問の友人に見せたところ、誉めも貶しもせず、
 「それ、栞にしたら」
 とのことだった。
 暫くはそうするとして、すぐ行方不明になってしまうだろう。 
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広島で 5 (「広島県立美術館」から見た縮景園の桜)

2007-10-02 | 旅日記

 9月28日、広島県立美術館で、靉光展を観た。
 会場を巡りながら、足を止めては、大窓の向こうに、縮景園の景色を眺めた。幾度となく。一番最近訪れたのは友人と一緒だった。
 あれはいつだったのだろう?
 年とともに記憶が曖昧になっているが、ふっと縮景園に萩の花が咲き始めていたことを思い出した。そして、斜めに傾き始めた日差しがかなり濃く、季節はやはり9月ではなかっただろうか、と。
 それを手がかりに画像フォルダを開いて調べてみたところ、昨年の9月19日と分かった。「藤田嗣治展」を観て、その後、縮景園を友人と散歩したのだった。

 あれから一年を閲したということのようだ。
 今回はひとり、窓の向うに落葉し尽くしたような桜木を眺めた。(写真)
 美しく紅葉することもなく、すでに裸木に近い。昨年はどうであったか?
 今年の格別の暑さが、桜木を早々に冬支度させたのかもしれない。
 天気予報では、雨が近いと報じていたが、ついに雨とはならず、裸木の梢の彼方には、秋雲の広がる青空が見えていた。

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広島で 4 (平和記念公園のクロガネモチ)

2007-10-02 | 旅日記

 前夜宿泊したリーガロイヤルホテルから歩いて、原爆ドームの前を通り、平和記念公園に入った。前述した「クスノキ」と相対して、「クロガネモチ」の木も立っていた。(写真)
 クスノキに比べ、葉が力強い。光沢と厚みがある。
 こちらも、今は緑色の実をつけているが、これは熟して、見事な赤い実になるはずである。
 木々の命のたくましさを眺め、なんとか平和の保たれ続けていることへの喜びを感じるのだった。
 旅人として、樹下に様々な思いを去来させる私だったが、これら常緑樹は、四季を通じて多くの人々を憩わせ、鳥たちや小動物の憩いの場ともなっているのだろう。

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広島で 3 (平和記念公園のクスノキ)

2007-10-02 | 旅日記

 二つの美術館には、日を改めて出かける予定にしていたのに、28日に、靉光展(広島県立美術館)と野田弘志展(ひろしま美術館)を観てしまったので、二日目は久々に平和記念公園を訪れることにした。

 そこで見た大樹の一つには、「クスノキ」と名札が付けられていた。(写真)
 既に実をたくさんつけていた。公園のあちこちにこの木は植えられている。被爆後、大きく育った樹木の生命力に感動した。
 <広島市の木>なのだろうか。木の下に記してあったはずだが、記憶が曖昧である。県の木と書いてあったような気がして、私の持っている地図帳を調べてみたところ、県の木はモミジとなっていた。ということは、市の木なのかもしれない。

 今は緑色をしている実が、間もなく黒く熟するのだろう。
 吹く風を受けて、さわさわと枝が揺れ、葉がそよいでいた。
 樹下に佇んで、ひととき雑念を払い、私もこの木の如く、泰然と生きたいと思ったのだが……。

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広島で 2 (「ひろしま美術館」前のトチノキ)

2007-10-02 | 旅日記
 色鮮やかな緑と、葉の姿に目を奪われ、マロニエより先に、何の木かしら? と思ったのは、ひろしま美術館の正門を入って右手に見える木だった。(写真)

 木の名前は、館を出るとき、美術館の人に尋ねて分かった。トチノキだと。
 そういえば、高知の牧野植物園でも、若木を見て、葉に特色があるな、と思いつつ眺めたことが蘇った。
 木の下には、初めは観光バスから降りた人が大勢いて、帰りには男性が座り込んでいて、近づいて眺めることができなかった。今は実の目立ち始めた季節、樹下に佇めば、その実を眺めることができたかも知れないのだが……。
 トチノキも、辞書には、5月頃、枝頂に白色に紅のかかった花を多数つける、と記されている。
 マロニエの花だけでなく、トチノキの新緑や花を見に訪れるのも楽しいだろうと思いながら、今回は遠目に樹形と葉の美しさを眺めた。
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広島で 1 (「ひろしま美術館前のマロニエ)

2007-10-02 | 旅日記

 先日、9月の28,29日に広島市を訪れた。二つの美術館をめぐることが目的だったが、この両日に出会った木々のことも、写真を添えて記録に留めておきたいと思う。
 <ひろしま美術館>の正門を入って左手に、マロニエの木があった。(写真)

 その木の下には、看板があり、そこに、その木の存在するわけが記してあった。
 (パリから来たマロニエ)と題して、
 <このマロニエは、昭和53年11月ひろしま美術館の開館を祝して、ピカソの子息クロード・ピカソClaude Picassoより贈られたものです。
  4月下旬から5月上旬にかけてピンク色の可憐な花が咲きます。>
 と、記してあった。
 今まで、幾度かひろしま美術館を訪ねながら、この木に気づかなかった。ということは、木々にも草花にも、無関心であった証拠であろう。花の時期に来ていれば、あるいは花に惹かれて、植樹のいわれと、木の名前を記憶したかもしれないのだが……。

 マロニエの花の咲く頃、是非訪れてみたいものだ。 

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秋を飾る (懐古庵 4 萩)

2007-10-02 | 旅日記
 「今年は、萩が見事に咲きました」
 と、懐古庵の店主に促されて、駐車場の側に出てみると、花の咲いた枝が幾重にも重なり、豊穣な花を咲かせていた。(写真)
 たくさん咲いても、派手さのないのが、いかにも秋の花らしい。
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秋を飾る (懐古庵 3 「銀水引」の花)

2007-10-02 | 旅日記

 「懐古庵」に立ち寄ったときの習いで、室外に出てみた。前庭には、季節を彩る草木があり、それを眺めるのを楽しみに。
 懐古庵に、赤色の小花をまばらにつけた「水引」のあることは、昨年から知っていたが、白色の花には気づかなかった。
 今年の庭には、細い線状に伸びた茎に、赤と白の花をつけた水引が入り混じるように生えていた。その気になって眺めると、白の水引も赤に負けじと、結構たくさんの花を咲かせている。(写真)
 地味なために、今まで気づかなかったのだろうか?

 紅白の水引を見比べれば、見慣れた赤の方が好きだが、白にも秋の凋落の色を感じ、改めてその味わいを見直した。
 先刻、広辞苑を引いてみたところ、<白い花のものを「銀水引」という>と書いてあった。さらに、<紅白まじりのものを「御所水引」という>とも。後者の水引は、まだ目にしたことがない。

 辞書についで、以前、お土産にWTさんからいただいた『花の日本語』(山下景子著)を開いてみた。
 <花穂の周りには、紅白の小さな花がたくさんついています。その小さな花をよく見ると、下の方は、白色になっているのです。
 見事に、紅白の水引というわけですね。
 とあり、下線を引いた部分に対し、(?_?)と思った。
 早速、家の庭に降り、そこに咲く水引を確かめた。小花の裏の紅が多少は薄色になっているが、白とまでは言えそうにない。
 いささかこじつけのようで、やはり疑問は疑問のままである。
 私が観察者となって、花穂に触れると、赤い小花がハラハラと零れた。その小さな花にも、紅白を感じることはできなかった。

 祝事に使う水引をイメージして、この鄙びた野草に、「水引」と命名した人が誰であったのかは知らないが、なかなか気のきいた名前のつけ方だと感心する。
 まだ見たことのない「御所水引」こそが、最も水引に似ているのだろうか?

 <夏から秋にかけて、野山にたくさんの花穂を出している水引の花は、大地にかけられた「水引」なのかもしれません。>
 山下景子さんの、この表現に対しては、<そうですね>と、頷きたくなる。 

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秋を飾る (懐古庵 2 柿の飾り)

2007-10-02 | 旅日記
 お菓子ケースの傍らに、ミニ柿が飾られていた。(写真)
 手作りの、熟した小さな柿の実が、本物の木に下げられているのであった。
 「懐古庵」には、実にさりげなく、その季節にふさわしいものが置かれている。
 
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秋を飾る (懐古庵 1 活け花)

2007-10-02 | 旅日記
 先日(9月29日)、広島からの帰り、山口線への接続が悪く、新山口で、一時間待たねばならなかった。
 喫茶店で本を読みながら、時間待ちする予定だった。が、新幹線の車内で、乗り継ぎ案内のアナウンスを聞いて、私の乗る予定の前に、山口までなら行ける列車のあることがわかった。それなら、新山口で待つより、山口駅前の<懐古庵>で、ひと時を過ごそうと、即座に予定を変更した。

 山口に下車したついでに、E薬局にも寄ってこようと、荷物を懐古庵に預けて、駅前の道をまっすぐに歩いた。往復1キロの道のりをさっさと歩いても、暑さは感じなかった。一泊した旅の後にしては、疲労感がなかった。涼しく凌ぎよくなったせいだろう。

 「懐古庵」にも秋の風情が漂っていた。
 大きな花瓶には、薄、秋桜、吾亦紅、水引草が活けられて。(写真)
 眼前に揺らぐ、色づき始めたソヨゴの実を眺めながら、お抹茶をいただいた。
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