大方は、生前の父が育てたものである。
横庭のナルコランも、昔からあるものだ。
今年も花を咲かせてくれた。(写真)
和名としては、アマドコロというらしい。
弓なりの茎に、白い釣鐘型の小さな花がぶら下がるよう格好で、すずやかに咲いている。茎によっては、二つの花が一緒に並んだり、一つだけだったり、気まぐれな花のつけ方をしている。
葉も斑入りで、なかなかさわやかな感じだ。
地味な美しさの、大人好みの植物である。
4月26日、友人の車に乗せてもらって、江津市の<今井美術館>へ。
今回は、「再興 第91回 院展 島根展」を観に。
現代日本画家たちの大作を多く観ることができた。
中でも印象的だったのは、次の5作品。
宮廻 正明(1951~ ) 「午後の揺曳」
今井美術館で、以前「宮廻正明展」を観て以来、この画家の作風が気に入っている。
川瀬 麿士(1941~ ) 「八甲田」
スケールの大きな絵。モノクロ世界に引き込まれた。
福王寺一彦(1955~ ) 「上弦の月<三>」
私の好みの絵。日本的叙情を感じる。
福王寺法林(1920~ ) 「ヒマラヤの月」
福王寺一彦の父君とのこと。月を描いている点では共通しているが、作風は2点を見た限りでは、かなり異なっている。法林氏の絵は、どちらかと言えば力強く写実的?
後藤 純男(1930~ ) 「秋映大和」
前々から好きな画家の一人。
以前にも、大和の秋景色を描いた絵に出会っている。その作風を思い出し、すぐ作者を想像できた。
「後藤純男美術館」が、十勝岳の麓にあるという。そのことを知って、訪れてみたい衝動に駆られているが、チャンスがあるかどうか。
第一会場、第二会場に展示された絵の数はかなりなもので、多くの秀作を楽しめた。
ただ、第二会場は、広さの割に展示作品が多く、ゆったりと鑑賞するには、スペースが狭すぎるように思った。
中学生の団体や老人ホームの方たちの団体見学もあり、思いのほか混み合っていた。山峡の小さな町に、いい美術館があり、今回のような、ありがたい企画がなされ、遠出をせずに、数多くの大作に触れられるのは、幸せなことだ。
小さなドライブの旅には、申し分のないお天気であった。
木々の新緑、道辺の草花の色も鮮やかで、特に帰途の眺めは、さながら絵の世界の延長にいる思いであった。
ゆったりと流れる江川の河畔を走り、いつもの事ながら、川のある風景は心を和ませてくれる、としみじみ思う。(写真 川戸近辺)
「江川は中国太郎、筑後川は筑紫次郎、吉野川は四国三郎」
と呼ばれていることを、友人のTさんに教えてもらった。昔、習ったような気もするが、至極曖昧である。
中国、四国、九州を代表する川の中でも、江川は太郎格なのだから威張ったものだ。
江川に近い町で、小学校の低学年を過ごした私にとっては、格別懐かしい川でもある。