4日、5日とお花見に出かけた。
友人、知人の車であちこち出かけるのだから、疲れるはずもないのだが、それでも疲れる。気が置けない人ではあっても、ひとりの我侭な生活に慣れているので、長時間人といることで、随分精神的に疲れるらしい。
昨日は、呆けたように午前中を過ごした。午後からは気を取り直して頑張ろう、と思っていたところへ、電話がかかってきた。
4日のお花見を一緒にした、知人のSさんである。
実は、先日別れるときに、今度の日曜日に、海老谷桜や城山桜を見に行きましょう、と誘われていたのだった。Sさんは、土曜日や日曜日より今日がいいと判断、急遽予定を変更して、午後から出かけましょう、との誘いの電話だったのだ。
お天気もいいし、今日ならまだ落花も始まらないだろうし、ということだった。
疲れついでに(?)出かけてこよう、そう思って同意した。
三日連続のお花見である。世の中に、こんなのん気な生き方をする人は珍しいかもしれない。
午後1時、迎えの車が到着した。
早速、海老谷の桜を見に出かけた。国道9号線を少し走って、山道に入る。花見客のために、道路が改修され、随分通行しやすくなったらしい。
海老谷桜は、樹齢300年を優に超える大樹である。
木の前に立つと、圧倒されそうな見事さである。そう遠からぬ所に住みながら、名前も知らなかったし、当然見るのも初めてである。
山桜である。
<海老谷桜の治療できました> という看板がかかっていて、<治療前><治療中><治療後>の様子が写真入で説明してあった。
威厳を保って咲き誇っている、この老木も、今後生き永らえるためには治療が必要だったようだ。この辺りでは有名な大森樹医さんが、その任に当たられたらしい。
大木に近づけないように囲いがしてあり、治療跡を確かめることはできなかった。が、あまり老いを感じさせない立派な姿だ。
地元の人だろうか、筵を敷いて宴を張っているグループが二つあった。花見客もかなりな人数だ。車でやってきた人ばかりである。
本格的に写真を撮影するカメラマンもいる。同行のSさんも、三脚を立てて誇らかに咲く海老谷桜を撮影。私はデジカメで気楽に撮影。
全体像を眺めるのは、あの民家まで下りた方がいい、とSさんに言われ、一緒に下まで歩く。確かに上からでは見えない部分まで眺めることはできたが、右に傾き、なんだか危なっかしい姿なのが気になった。が、これこそが海老谷桜の全貌なのだろう。(写真)
上の広場で見たときには、写真の左側だけを見ることになっていた。
桜を管理する市の職員の姿があった。
「今年は冬が暖かく、花の色が白っぽくて見栄えがしません。もっと紅色できれいなのですが……」
と、残念そうであった。
今までに何度も足を運んでいるSさんが、到着直後に、
「こんなに白っぽかったかなあ」
と、呟いておられたのは、今までの桜の色が、脳裏に焼きついていたからだろう。
海老谷桜も、気象異常に災いされたらしい。人間ばかりでなく、植物も敏感に異変に反応するらしい。
今年も見るチャンスを逸したが、この地方で、より有名なのは大平桜だ。
子供のとき遊んだ「石見カルタ」に、
<経たか千年 大平桜>
と、あった。<経たか>の正確な意味は分からないまま、随分年取った木なのだろうと、まだ見ぬ「大平桜」を想像したものだった。実際に「大平桜」にお目にかかったのは、遥か後年になってからであった。
やはり大平桜の魅力には及ばないかもしれないが、海老谷桜も、これはこれで見事である。
友人、知人の車であちこち出かけるのだから、疲れるはずもないのだが、それでも疲れる。気が置けない人ではあっても、ひとりの我侭な生活に慣れているので、長時間人といることで、随分精神的に疲れるらしい。
昨日は、呆けたように午前中を過ごした。午後からは気を取り直して頑張ろう、と思っていたところへ、電話がかかってきた。
4日のお花見を一緒にした、知人のSさんである。
実は、先日別れるときに、今度の日曜日に、海老谷桜や城山桜を見に行きましょう、と誘われていたのだった。Sさんは、土曜日や日曜日より今日がいいと判断、急遽予定を変更して、午後から出かけましょう、との誘いの電話だったのだ。
お天気もいいし、今日ならまだ落花も始まらないだろうし、ということだった。
疲れついでに(?)出かけてこよう、そう思って同意した。
三日連続のお花見である。世の中に、こんなのん気な生き方をする人は珍しいかもしれない。
午後1時、迎えの車が到着した。
早速、海老谷の桜を見に出かけた。国道9号線を少し走って、山道に入る。花見客のために、道路が改修され、随分通行しやすくなったらしい。
海老谷桜は、樹齢300年を優に超える大樹である。
木の前に立つと、圧倒されそうな見事さである。そう遠からぬ所に住みながら、名前も知らなかったし、当然見るのも初めてである。
山桜である。
<海老谷桜の治療できました> という看板がかかっていて、<治療前><治療中><治療後>の様子が写真入で説明してあった。
威厳を保って咲き誇っている、この老木も、今後生き永らえるためには治療が必要だったようだ。この辺りでは有名な大森樹医さんが、その任に当たられたらしい。
大木に近づけないように囲いがしてあり、治療跡を確かめることはできなかった。が、あまり老いを感じさせない立派な姿だ。
地元の人だろうか、筵を敷いて宴を張っているグループが二つあった。花見客もかなりな人数だ。車でやってきた人ばかりである。
本格的に写真を撮影するカメラマンもいる。同行のSさんも、三脚を立てて誇らかに咲く海老谷桜を撮影。私はデジカメで気楽に撮影。
全体像を眺めるのは、あの民家まで下りた方がいい、とSさんに言われ、一緒に下まで歩く。確かに上からでは見えない部分まで眺めることはできたが、右に傾き、なんだか危なっかしい姿なのが気になった。が、これこそが海老谷桜の全貌なのだろう。(写真)
上の広場で見たときには、写真の左側だけを見ることになっていた。
桜を管理する市の職員の姿があった。
「今年は冬が暖かく、花の色が白っぽくて見栄えがしません。もっと紅色できれいなのですが……」
と、残念そうであった。
今までに何度も足を運んでいるSさんが、到着直後に、
「こんなに白っぽかったかなあ」
と、呟いておられたのは、今までの桜の色が、脳裏に焼きついていたからだろう。
海老谷桜も、気象異常に災いされたらしい。人間ばかりでなく、植物も敏感に異変に反応するらしい。
今年も見るチャンスを逸したが、この地方で、より有名なのは大平桜だ。
子供のとき遊んだ「石見カルタ」に、
<経たか千年 大平桜>
と、あった。<経たか>の正確な意味は分からないまま、随分年取った木なのだろうと、まだ見ぬ「大平桜」を想像したものだった。実際に「大平桜」にお目にかかったのは、遥か後年になってからであった。
やはり大平桜の魅力には及ばないかもしれないが、海老谷桜も、これはこれで見事である。