『美しい日本語の辞典』という本の「日本の色」というページに、
「朽ち葉色」という色があった。
林床を覆いつくす葉っぱの色に近く、
決して、朽ち果てた色ではない。
「朽ち葉色」とはこれから朽ちゆく葉の色、
つまり、「落ち葉色」のことではないか・・
と、勝手に考えている。
冬枯れの林が温かく感じられるのは、
やはりこの夥しい落ち葉たちのおかげのような気がする。
落ち葉は、昆虫などの生き物に棲家を与え、やがて朽ちて土に返り、
そして、いつの日か若葉という新しい命として甦る。
「森に佇む」ことは、
途方もない豊かさのまっただ中にいる、ということにちがいない。
(頭上を仰げばユリノキの実。花と同様やはり上を向いています)