くさの間から顔をのぞかせているヘビイチゴ。
ヘビイチゴとヤブヘビイチゴがあり、
どちらかはっきりしませんが、
ピカピカ光っているのでヤブの方だと思います。
善福寺公園の茂みの下は、
たくさんのヤブヘビイチゴで色どられていました。
くさの間から顔をのぞかせているヘビイチゴ。
ヘビイチゴとヤブヘビイチゴがあり、
どちらかはっきりしませんが、
ピカピカ光っているのでヤブの方だと思います。
善福寺公園の茂みの下は、
たくさんのヤブヘビイチゴで色どられていました。
エゴノキの花はもう盛りを過ぎていました。
エゴノキは、子どもの頃の思い出につながります。
絵画の先生のお宅の庭にエゴノキの大木がありました。
絵を描いた後は、この木の周りを走り回って、
夕方まで友達と遊んだものです。
私たちはその木を「石鹸の木」と呼び、
秋口に白い実がなると、
それを採って手を洗い、石鹸のように泡立てて遊びました。
エゴノキにはサポニンが含まれていて、泡立つのだということを、
最近になって知りました。しかもサポニンは有毒なのだそうです。
「石鹸」を食べた子どもはいなかったので無事だったのでしょう。
公園を歩いていると
タンポポの綿帽子たちに迎えられました。
ふだんは通り過ぎてしまうけれど、よく見れば、繊細でかわいらしい。
しばらく行くと、今度は
千切れた真綿のようなものが、風に乗って地面と平行に飛んでいます。
おびただしい数の綿毛・・。ポプラかしら、と
周りを見回しても、それらしき木は見当たりません。
いったい何の綿毛なのか、結局解らないまま
帰ってきてしまいました。
(善福寺公園で)
目的はだだひとつ。ユリノキの花を見るために、自転車を走らせ、
善福寺公園(東京都杉並区)に向かいました。
すでに地面に花びらが散って、盛りを過ぎているようでもありましたが、
まだ、蕾のものもあります。
旧ボート乗り場前の広場に数本のユリノキがありますが、
何分にも高木。20mくらいあるでしょうか。
花は上向きに咲くので、高所のものは、下からではよく見えないほどです。
以前から目をつけていた、下の方の枝に花を見つけました。
下とは言っても8mほどの高さで、私のデジカメではこの程度が限度。
ユリノキに魅せられて数年、
なぜかこの木のファンに出逢うことが多くなりました。
なぜ、ユリノキなのでしょうか・・。
ユリノキ属の化石は、北米やグリーンランドの
白亜紀層から多く発見され、これが最古とされるものだそうです。
およそ1億万年前という、想像を絶する過去から
さまざまな進化を経て、現在はその末裔の2種類が太平洋を隔てて
アメリカのユリノキと中国のシナユリノキとして生き残っています。
現在日本で見られるユリノキは明治の初めにアメリカから渡来したもの。
その長い長い旅路を経て、いま私たちの前にこのような花を咲かせてくれる木。
そんなユリノキからのメッセージが人の心をとらえるのかもしれません。
(モクレン科・別名ハンテンボク)
このたびの札幌日記はこれが最終回。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
しめくくりは大通公園での情景です。
札幌名物 観光馬車は
市街の人気スポットをめぐります。
観光客を降ろして、やれやれ、お馬さんもひと休み。
ザゼンソウ(坐禅草)が前と後ろに重なっています。
水芭蕉のブラウン版という印象。
同じサトイモ科です。
ちぎれた苞(花びらのように見えるところ)に
顔を近づけたら、猛烈に臭い。
英語名「スカンク・キャベツ」の意味がわかりました。
エンレイソウ(延齢草)には多くの種類があり、
同定するのは難しい。
上の写真はエンレイソウですが、図鑑を見ると
エンレイソウの中の変種・クロミノエンレイソウのようです。
下はミヤマエンレイソウ。
同じ属でもブラウンパープル色とオフホワイト色のお花では
ずいぶん雰囲気が違いますね。
実物よりは一回り大きい写真ですが、
これも北国の春の林に群生するユリ科の花。
北大の校章はオオバナノエンレイソウをモチーフにしたもの、
そして北大の寮歌にもこの花が登場することで知られます。
学名のTrilliumが「3を基数としたユリ」を意味すしているように
この花は3片のがく、3片の花びら、3つの葉・・というように
それぞれの器官も3が基数になっています。(北大植物園)
エンレイソウの仲間はゆっくり成長します。
発芽してから最初の花をつけるまでに
10~15年もかかるという
のんびりしたもの。
森を歩くと、花々の美しさだけではなく、
自然の不思議を感じずにはいられません。
札幌近郊の野幌森林公園は今だに原生林が残る所です。
「自然観察会」に参加して、広大な森のほんの一部を歩きました。
森の林床を彩っていたのが
ケシ科のエゾエンゴサク(蝦夷延胡索)。
北国のお花で、初めて出逢った時から惚れ惚れ。
花色も、空色から紫がかったブルーまで、それぞれに個性があります。
春先に咲いて、6月ごろには葉っぱも地上から消えてしまう植物で、
このうようなタイプのお花は
「春の妖精」と呼ばれています。
(2006年5月9日撮影)
今日は久しぶりの「晴れ」でしたのに、
夕刻、俄かに暗くなり、
まるで亜熱帯地方のスコールのような凄まじい雨。
しかし、雨雲が去ってしまったあとには、
青空が現れました。
東京では久々に見る高い空。
毎日、こんな空があればいいのに・・。
中島公園では園芸市が開かれていました。
色鮮やかな数々の花の中で、
ふと目にとまったのがこの花。
タツタソウ(竜田草・メギ科)です。
「日本には自生してない野草で、
朝鮮半島北部からアムール地方にかけて原生する花だ」と
店のおじさんが言っていました。
野にある花は生まれ育った地にあってこそ美しい・・
と常々思っている私ですが、
この花は鉢の中にあってもハッとするほどの色合いでした。
大陸の方では、もっと美しく咲いていることでしょう。
中島公園を訪ねたときは、必ず豊平館(ほうへいかん)を見に行きます。
とくに、春は周囲の緑と桜のピンクが
ブルーに縁取られた白い洋館を引き立てて、とびきり華やかです。
館をいろいろな角度から眺めながら、
心和む贅沢な時を過ごしました。
豊平館は明治13年に、洋式のホテルとして建てられました。
明治天皇が最初の宿泊者だったそうです。
昭和33年に中島公園内の現在の場所に移築され、
結婚式場や喫茶室として利用されています。
「文明開化期に建てられたアメリカ様式の建物として、
また、開拓使による建築として、
現存するものの中で最も重要な建築物である。」と
『ウィキペディア』には書かれています。
訪れる者を魅了する歴史のロマン。
国指定の重要文化財です。
淡緑の芽吹きと、紅のエゾヤマザクラ。
燦燦と降り注ぐ陽光は
すでにくっきりと陰をつくっています。
緯度の高い、北国ならではの春模様です。
緑の深まりを感じた、1週間ぶりの東京です。
いよいよ桜前線も北海道へ上陸、という時季に
札幌に滞在しておりました。
樹も花も小鳥たちも、そして人々も
待ち侘びた春!
上の写真は
中島公園を挟んで札幌の市街地が広がり、
今だ雪を戴く、手稲山の眺望。
下は
幌平橋口から入った遊歩道ぞいのエゾヤマザクラ並木。
蝦夷山桜はソメイヨシノよりピンクが濃く、
赤っぽい葉も一緒に芽吹くので
華やかな雰囲気です。
これが今年最後のお花見。
南北に長い日本列島の、自然の恵を
しみじみと感じる日々でした。
(2006年5月8日撮影)