連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

恵方巻き

2005-02-03 | 家ごはん
「おとうさん、これよこれ!」朝飯の最中にオバサンが素っ頓狂な声。
テレビでは、国営放送のリポーターが寿司店の店先から中継の真最中。

最近は、節分に太巻きを食べるのが流行っているとか。
ご丁寧に食べ方まで説明している。「食べるのに方角があるだと?」

関西から流行りだしたのが、こちらでもブーム?になったらしい。
「〇〇でも予約やってたわよ、お昼に買ってこようか?」ガキじゃあるまいし!

「どっちでもいいよ、お前が食べたければ買ってくれば」俺はあまり興味ないな。
「じゃぁ豆は食べなくていいのか?」 

「それは又、別なんじゃないかしら?」
世の中変わった。それにしても商魂たくましいのは結構な事だ。

・・・・・・・・やがてお昼時。
「おとうさん、ご飯よ」オバサンから声が掛かった。

階下に下りてビックリ、何と皿の上には太巻き寿司がのっている。
「ほんとに買ってきたの?」「おとうさんが食べたいと思って」頼んでないよ!

「方角がどうとか言ってたよな?西南西?とかってどっちだ?」
オバサンの指差す方に向かってがぶりと一口。たいして美味くないな。

「あれ、お前、ちゃんと向いたか?」 
「どっち向いたっておんなじよ、こんなの」 

パクパクと頬張っているオバサン。
なんだい結局自分が食べたかっただけか。