
南座で開催されている「歌舞伎鑑賞教室」です。令和4年からメインがわれらが吉太朗クンになりました(それまでは吉太朗クンの師匠の上村吉弥さん)。吉弥さんの時は解説が桂九雀さんでずっと固定でしたが、吉太朗クンになってからは毎年出演者とスタイルが変わっています。どの方法がいいのか模索されているのか、あるいは毎年目先を変えたほうがいいと思っているのか、そのあたりのことはよくわかりませんが。
今年は落語家の桂團治郎さんが解説を担当されました。米團治さんのお弟子さんです。小米朝さんが米團治を襲名されて20年ぐらい経っているそうですが、ご本人には申し訳ないのですが、いまだに“小米朝さん”の方がしっくりくるんですよね。劇場でもらったパンフレットの團治郎さんのプロフィール欄に「上方落語界の重鎮である五代目桂米團治に入門」って書いてあったのですが、最初「誰?」って思いましたもの…。“重鎮”っていう漢字を見て、米朝師匠?って思ったくらいで…。何秒かして状況を理解できて、「え、小米朝が重鎮?それはないやろう」ってパンフレットに突っ込んでしまいました。スビバセンネ。
まぁ、でも米朝一門であれば、皆さんいろいろな芸事を仕込まれているし、芸能のお勉強もなさっているし、そういう意味では安心できる人選ではありますが。解説も台本を読んでる感はなく、自分の言葉でおっしゃっているようでした。
最初の「歌舞伎のお噺」は、出雲阿国から始まる定番の歌舞伎の解説から始まります。千壽さんと吉太朗クンも加わり、歌舞伎の三代名作の紹介やお客さんの女形体験コーナー、この日の演目にちなんだ「石橋物」の解説、関西で開催される歌舞伎の予定と盛り沢山で、あっという間の50分でした。「石橋物」の解説では吉太朗クンが過去に踊った「連獅子」の写真も出てきました。12年前の12歳の時に南座の歌舞伎鑑賞教室で踊ったそうです。それ、見ました。吉弥さんが「吉太朗がどうしても『連獅子』をやりたい、って言うから」とおっしゃっていました。御曹司は大体中学生ぐらいになると自分の親と「連獅子」を踊るのが定番のようになっていますからね。それを見て吉太朗クンも踊りたいって思ったのかなぁと。それに応える吉弥さんも吉太朗クンのことが可愛くて可愛くて仕方ないんやろうなと思ったのを覚えています。
解説の途中で、次の拵えがあるからと千壽さんと吉太朗クンは退場、その代わりに千藏さんと當史弥さんが登場され、「七段目」を“落語THE MOVIE”みたいに上演されました。千藏さんをあんなに長い時間見た、台詞を聞いたのは初めてかも、です。よく出てらっしゃるので見かけるのですが、まだ名題下さんなのであまり台詞もないんですよね。いつも秀太郎さんにぴったりくっついていらっしゃったイメージが強くて。秀太郎さん、とても信頼されていました。
20分の休憩を挟んで「相生獅子」です。「相生獅子」のみどころです。
千壽さんも吉太朗クンも“美形”なので、姫の拵えは申し分ありません。とても綺麗で優雅なお姫様でした。踊りは二人で踊ると二人の差みたいなものは出てきますね。若手の中では“踊りの名手”である吉太朗クンの方がやはり上手いです。微妙な差なんですけどね。腰の落とし方、首の傾げ方、背の反り方…吉太朗クンの方が形が綺麗だし、しっかり意識してその型を作っていらっしゃるようにお見受けしました。決して千壽さんが劣るというのではなく、おそらく吉太朗クンが上手すぎるんだと思います。それと、真ん中で踊ることを経験されている回数の差もあるのかなぁと…。こっそり贔屓の鷹之資さんとわれらが吉太朗クンががっぷり四つに組む踊り、見たいなぁってちょっと思ってしまった失礼な客はワタシです。
最後は獅子の姿になって毛振りがありました。高速でブンブン回してました。お客さんは盛り上がるんですが、個人的にはそこまでしなくても、って思うのですが。
幕間も含めて1時間40分の公演、これで4000円は値打ちがあると思います。24日(土)まで、
です。
《かべす》

お隣の祇園饅頭のしんこ。幕間にいただきました。


切通し進々堂の卵トースト。終演後にいただきました。


鍵善の深みどり。道明寺羹と練羊羹を重ねた棹菓子です。初夏の定番です。

赤福の抹茶大福。中は餡子と抹茶の餡子の二重になっていました。しっかりお抹茶の味がして美味しかったです。京都伊勢丹の赤福でお買い上げです。
《定点観測》


八坂神社です。結婚式に遭遇しました。


新緑もツツジも美しかったです。
今年は落語家の桂團治郎さんが解説を担当されました。米團治さんのお弟子さんです。小米朝さんが米團治を襲名されて20年ぐらい経っているそうですが、ご本人には申し訳ないのですが、いまだに“小米朝さん”の方がしっくりくるんですよね。劇場でもらったパンフレットの團治郎さんのプロフィール欄に「上方落語界の重鎮である五代目桂米團治に入門」って書いてあったのですが、最初「誰?」って思いましたもの…。“重鎮”っていう漢字を見て、米朝師匠?って思ったくらいで…。何秒かして状況を理解できて、「え、小米朝が重鎮?それはないやろう」ってパンフレットに突っ込んでしまいました。スビバセンネ。
まぁ、でも米朝一門であれば、皆さんいろいろな芸事を仕込まれているし、芸能のお勉強もなさっているし、そういう意味では安心できる人選ではありますが。解説も台本を読んでる感はなく、自分の言葉でおっしゃっているようでした。
最初の「歌舞伎のお噺」は、出雲阿国から始まる定番の歌舞伎の解説から始まります。千壽さんと吉太朗クンも加わり、歌舞伎の三代名作の紹介やお客さんの女形体験コーナー、この日の演目にちなんだ「石橋物」の解説、関西で開催される歌舞伎の予定と盛り沢山で、あっという間の50分でした。「石橋物」の解説では吉太朗クンが過去に踊った「連獅子」の写真も出てきました。12年前の12歳の時に南座の歌舞伎鑑賞教室で踊ったそうです。それ、見ました。吉弥さんが「吉太朗がどうしても『連獅子』をやりたい、って言うから」とおっしゃっていました。御曹司は大体中学生ぐらいになると自分の親と「連獅子」を踊るのが定番のようになっていますからね。それを見て吉太朗クンも踊りたいって思ったのかなぁと。それに応える吉弥さんも吉太朗クンのことが可愛くて可愛くて仕方ないんやろうなと思ったのを覚えています。
解説の途中で、次の拵えがあるからと千壽さんと吉太朗クンは退場、その代わりに千藏さんと當史弥さんが登場され、「七段目」を“落語THE MOVIE”みたいに上演されました。千藏さんをあんなに長い時間見た、台詞を聞いたのは初めてかも、です。よく出てらっしゃるので見かけるのですが、まだ名題下さんなのであまり台詞もないんですよね。いつも秀太郎さんにぴったりくっついていらっしゃったイメージが強くて。秀太郎さん、とても信頼されていました。
20分の休憩を挟んで「相生獅子」です。「相生獅子」のみどころです。
大名家の座敷。二人の姫が優雅な姿を見せて四季折々の様子や、恋に迷う女心を艶やかに舞います。そして、紅と白の獅子頭を手に踊るうち、蝶を追っていずくともなく姿を消します。やがて二人の姫は、獅子の精となって現れ、牡丹が咲き乱れるなか、百獣の王である獅子の狂いを見せるのでした。
勇壮な獅子を題材にした“石橋物”のなかで最古の作品。優美で上品な女方の獅子の舞いをご覧ください。
勇壮な獅子を題材にした“石橋物”のなかで最古の作品。優美で上品な女方の獅子の舞いをご覧ください。
千壽さんも吉太朗クンも“美形”なので、姫の拵えは申し分ありません。とても綺麗で優雅なお姫様でした。踊りは二人で踊ると二人の差みたいなものは出てきますね。若手の中では“踊りの名手”である吉太朗クンの方がやはり上手いです。微妙な差なんですけどね。腰の落とし方、首の傾げ方、背の反り方…吉太朗クンの方が形が綺麗だし、しっかり意識してその型を作っていらっしゃるようにお見受けしました。決して千壽さんが劣るというのではなく、おそらく吉太朗クンが上手すぎるんだと思います。それと、真ん中で踊ることを経験されている回数の差もあるのかなぁと…。こっそり贔屓の鷹之資さんとわれらが吉太朗クンががっぷり四つに組む踊り、見たいなぁってちょっと思ってしまった失礼な客はワタシです。
最後は獅子の姿になって毛振りがありました。高速でブンブン回してました。お客さんは盛り上がるんですが、個人的にはそこまでしなくても、って思うのですが。
幕間も含めて1時間40分の公演、これで4000円は値打ちがあると思います。24日(土)まで、

《かべす》

お隣の祇園饅頭のしんこ。幕間にいただきました。


切通し進々堂の卵トースト。終演後にいただきました。


鍵善の深みどり。道明寺羹と練羊羹を重ねた棹菓子です。初夏の定番です。

赤福の抹茶大福。中は餡子と抹茶の餡子の二重になっていました。しっかりお抹茶の味がして美味しかったです。京都伊勢丹の赤福でお買い上げです。
《定点観測》


八坂神社です。結婚式に遭遇しました。


新緑もツツジも美しかったです。
きちんと継承されている証なのでしょう。
お家の名ではなく、実力でメインを張られるような歌舞伎界になっていただきたいですね。
吉太郎さん、頑張ってください。
美味しいものも、ぜひ味の継承を。
行きつく先はここです。
最近はお江戸でも菊ちゃんや幸四郎さんがお弟子さんを抜擢する機会が増えました。良い傾向だと思います。
幸四郎さんは千壽さんと仲良しなので、一昨日の鑑賞教室に乱入?され、女方体験コーナーに参加されたそうです。その日のお客さん、めちゃくちゃラッキーでした。