
南座で開催された玉ちゃん
と小朝さんの公演です。演目は「対談」「怪談牡丹燈籠-御札はがし-」「越路吹雪物語」でした。「牡丹燈籠」と「越路吹雪物語」は昨年歌舞伎座でも上演されました。今回はそれに「対談」が追加されました。歌舞伎座は1日限りの特別公演ということでチケットはすぐにSold outになりました。南座のチケットもどうなるかしらと心配しておりましたが3階は結構空席がありました。ワタシは敢えて最後列を取るのですが、周りはどなたもいらっしゃらなくて、ワタシ的には快適に過ごせました。まぁ、玉ちゃん
の公演はお高い席から売れると言われているそうなので、1階席はほぼ満席のようでした。
「対談」は緞帳が上がると、右側に玉ちゃん
、左側に小朝さんが床几に腰かけていらっしゃいました。背景は水色の照明、玉ちゃん
は白?ベージュ?エクリュ?色の置物で、帯はグレージュ、キラキラしていたので金糸か銀糸を織り込んであるのかと。(3階のてっぺんからオペラグラス越しに見ているので、お色目については、違っている可能性もあります。以下同文です)
「対談」とはなっていますが、実質は玉ちゃん
が質問に答えるコーナーでした。質問は当日受付でした。13時50分まで受け付けていて、それで14時からの公演って、なかなかの“離れ業”です。質問の内容は前日とはまた全然違っていたそうです。ただ重なっていたのは「京都の好きなところ」と「よく行くお店」だったそうで、こちらは小朝さんが「圓通寺」と「それはお答えしません」と代わりに答えていらっしゃいました。
前振りのようなものは一切なく、いきなり小朝さんが質問されていました。
Q マンネリはありますか
A 今は『一期一会』の気分で舞台を勤めているのでありません。若い時はとにかくいろいろなお役をたくさん演じたので、日によっては調子が悪いなと思うこともありました。そういう時は悪いところを基準にしている。そこから始めると違う見え方がする。あるいは、好きなものを買って「幸せだな」と思って舞台に出ていく。同じことをするにしてもいろいろ考えてやっていく。
Q 不機嫌な時はありますか
A 昭和の先輩は訳がわからずに不機嫌な人はいた。私は『今日は機嫌が悪い。近づかないで』とあらかじめ言っておく。機嫌が直ったら、『直った』と言う。
小朝さんが振ったと思うのですが、玉ちゃん
は「努力した記憶がない」とおっしゃっているそうです。若い時から大役をもらって、それに食らいついていくのに必死で、周りも全然見なかったそうです。だからいじめられた記憶もないそうです。
Q 人形振りについて
A 実演してくださいました。文楽の人形は二の腕がなく、肘から下しかない。手首もこういう動きしか出来ないって実演しながら「ただ、簑助さん
はちゃんと出来ていらっしゃいましたけどね」って玉ちゃん
の口から「簑助さん」って単語が発せられて、そこでちょっとテンションが上がりました。ワタシは簑助さん
の人形を見ると、いつも玉ちゃん
を思い浮かべていたので、やっぱりお二人は相通ずるところがあったのね、と勝手に納得しておりました。
解剖学の専門家にも教えを乞うて研究されたそうです。肩を落とす仕草は、人形のとおりするとかなり無理のある姿勢で、肩を脱臼したことがあるくらいだそうです。人形の動くところ動かないところを勉強すれば自ずとできる。今の若手の人形振りってかなりカクカク動くけれど、実際の文楽はあんなにカクカク動いていない。ただ、手を打つところはわざと右手と左手を合わさないようにして、人形っぽく見せることもあるそうです。
「八百屋お七」は足を割るところは人形だからできる、歌舞伎だと裾が乱れるとここで実演があって、玉ちゃん
が着物の裾をはだけて大きく足を開いて、立役の見得みたいな恰好をしてくださいました。玉ちゃん
のあんな形、初めて見ました。人形振りは顔は無表情だそうです。実際の文楽って結構表情出るんですけどね。
Q 日本舞踊を上手くなるためには
A 扇は肩から上には上げない。小柄な人は大きく見せようと扇を上げる人がいるけれど、上げないとおっしゃっていました。歌舞伎の踊りのお稽古は鏡張りのお稽古場で、自分も周りも全部見ながらお稽古されるそうです。
踊りの上手い人はアキレス腱にぜい肉がないそうです。トップアスリートもそういう足をしている。
Q きれいに見える手のしぐさ
A 指をバラバラにしない。
Q 女性らしさ
A 心掛けです。謙虚で礼節が守れる人。
Q ストレス発散
A 人にしゃべる。ただし、相手は選ぶ。人を選んで吐き出す。海風、山風に当たるのもいい。
Q 自分になくてうらやましいこと
A やんちゃな男の子の活動。「オープンカーで彼女とドライブする」とか「恋のバカンス」の歌詞のような青春は一切なかった。スポーツは全くされないそうです。
Q どんな立役がやりやすい?
A 先代の團十郎さん、孝夫さん
はやりやすい。女形がつかまりやすい人。気を遣わせずにやりやすくしてくれる人。
小朝さん、にざたまに結び付けたいようで、「仁左衛門さんはやっぱりやりやすい?」って畳みかけて聞いていました。孝夫さん
は時々玉ちゃん
につかまってくると。おかるが癪を起した時に(忠臣蔵の七段目?)、帯?をギュッと締めるところで、孝夫さん
力任せに締めて、玉ちゃん
が「痛い、痛い」って言ったら、「堪忍、堪忍」って言われたんですって。ちょっと嬉しそうに孝夫さん
の口真似をされて、この日のワタシの萌え
ポイントでした。玉ちゃん
、やっぱり孝夫さん
のこと、好きですよね。
でも、女形は本来は立役さんがやりやすいようにするのが仕事。立役さんの後見だと思って勤めなさいと言われているそうです。
Q 最近のお気に入りの曲
A 今の音楽はわからない。言葉が入ってこない。何を言ってるのかわからない。
Q お琴
A 柾目、板目、お稽古用と3面持っている。左手が糸から離れないのが品が良いと言われている。
Q 20代、30代に伝えたいこと
A 実際に見る、映像ではなく実物を見る。
若い頃、いろいろ見た。1回見ると覚えてしまうので、何回も見ることはない。記憶力というよりは、映像がそのまま頭に入ってくるみたいです。
Q 次のCDの予定
A 11月か12月に出ます。J-POP、シャンソン、アメリカンスタンダードなど。
Q 映画の「国宝」について
まだ、見ていない。周りの方が見られたそうで「とても良かった」とおっしゃっていたそうです。
歌舞伎を取り上げてくださって有難い。主役のお二人のファンの方が歌舞伎の方へ来てくださったら嬉しい。また、映画産業が不調なので、ぜひ成功してほしい。
Q 老後はどう過ごされますか。
A 今年いっぱいでもう大役はできない。みっともない姿は見せたくない。
Q 映画を撮ること
A お金も時間もかけられない。もし「お金も時間も好きなだけ使っていい」って言うスポンサーが出てきたら撮りたいとおっしゃっていました。
「対談」は以上だったと思います。抜けているとか、私の理解不足とかいろいろあると思いますが…。


「対談」は緞帳が上がると、右側に玉ちゃん


「対談」とはなっていますが、実質は玉ちゃん

前振りのようなものは一切なく、いきなり小朝さんが質問されていました。
Q マンネリはありますか
A 今は『一期一会』の気分で舞台を勤めているのでありません。若い時はとにかくいろいろなお役をたくさん演じたので、日によっては調子が悪いなと思うこともありました。そういう時は悪いところを基準にしている。そこから始めると違う見え方がする。あるいは、好きなものを買って「幸せだな」と思って舞台に出ていく。同じことをするにしてもいろいろ考えてやっていく。
Q 不機嫌な時はありますか
A 昭和の先輩は訳がわからずに不機嫌な人はいた。私は『今日は機嫌が悪い。近づかないで』とあらかじめ言っておく。機嫌が直ったら、『直った』と言う。
小朝さんが振ったと思うのですが、玉ちゃん

Q 人形振りについて
A 実演してくださいました。文楽の人形は二の腕がなく、肘から下しかない。手首もこういう動きしか出来ないって実演しながら「ただ、簑助さん




解剖学の専門家にも教えを乞うて研究されたそうです。肩を落とす仕草は、人形のとおりするとかなり無理のある姿勢で、肩を脱臼したことがあるくらいだそうです。人形の動くところ動かないところを勉強すれば自ずとできる。今の若手の人形振りってかなりカクカク動くけれど、実際の文楽はあんなにカクカク動いていない。ただ、手を打つところはわざと右手と左手を合わさないようにして、人形っぽく見せることもあるそうです。
「八百屋お七」は足を割るところは人形だからできる、歌舞伎だと裾が乱れるとここで実演があって、玉ちゃん


Q 日本舞踊を上手くなるためには
A 扇は肩から上には上げない。小柄な人は大きく見せようと扇を上げる人がいるけれど、上げないとおっしゃっていました。歌舞伎の踊りのお稽古は鏡張りのお稽古場で、自分も周りも全部見ながらお稽古されるそうです。
踊りの上手い人はアキレス腱にぜい肉がないそうです。トップアスリートもそういう足をしている。
Q きれいに見える手のしぐさ
A 指をバラバラにしない。
Q 女性らしさ
A 心掛けです。謙虚で礼節が守れる人。
Q ストレス発散
A 人にしゃべる。ただし、相手は選ぶ。人を選んで吐き出す。海風、山風に当たるのもいい。
Q 自分になくてうらやましいこと
A やんちゃな男の子の活動。「オープンカーで彼女とドライブする」とか「恋のバカンス」の歌詞のような青春は一切なかった。スポーツは全くされないそうです。
Q どんな立役がやりやすい?
A 先代の團十郎さん、孝夫さん

小朝さん、にざたまに結び付けたいようで、「仁左衛門さんはやっぱりやりやすい?」って畳みかけて聞いていました。孝夫さん








でも、女形は本来は立役さんがやりやすいようにするのが仕事。立役さんの後見だと思って勤めなさいと言われているそうです。
Q 最近のお気に入りの曲
A 今の音楽はわからない。言葉が入ってこない。何を言ってるのかわからない。
Q お琴
A 柾目、板目、お稽古用と3面持っている。左手が糸から離れないのが品が良いと言われている。
Q 20代、30代に伝えたいこと
A 実際に見る、映像ではなく実物を見る。
若い頃、いろいろ見た。1回見ると覚えてしまうので、何回も見ることはない。記憶力というよりは、映像がそのまま頭に入ってくるみたいです。
Q 次のCDの予定
A 11月か12月に出ます。J-POP、シャンソン、アメリカンスタンダードなど。
Q 映画の「国宝」について
まだ、見ていない。周りの方が見られたそうで「とても良かった」とおっしゃっていたそうです。
歌舞伎を取り上げてくださって有難い。主役のお二人のファンの方が歌舞伎の方へ来てくださったら嬉しい。また、映画産業が不調なので、ぜひ成功してほしい。
Q 老後はどう過ごされますか。
A 今年いっぱいでもう大役はできない。みっともない姿は見せたくない。
Q 映画を撮ること
A お金も時間もかけられない。もし「お金も時間も好きなだけ使っていい」って言うスポンサーが出てきたら撮りたいとおっしゃっていました。
「対談」は以上だったと思います。抜けているとか、私の理解不足とかいろいろあると思いますが…。
玉さまの人形振りのお話しには感心しました。今の若い人のを観てなんか違うなぁと感じてたのですが腑に落ちました。 玉さまの老後→寂しいです。
仁左さんとの共演まだあるかしら?
国宝の映画 話題ですが 3時間もあるそうですね。ちょっとしんどいと思ってます。
いつも思うのですが玉さまの話し方は媚びないし、淡々としているけど暖かい。見習いたいです。
映画の「国宝」、話題ですね。ワタシは普段映画を全く見ないのですが、これは行かなければと思っています。