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おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

華岡青洲の妻

2025-07-12 20:30:55 | 観たもの
 南座で「華岡青洲の妻」を見てまいりました。公演直前になって姑の於継役の波野久里子さんが体調不良で降板、通常代役ってそこにいっしょにいる役者さんからだと思っていたら、何と文学座の小野洋子さんがお勤めになることになりました。10月に文学座でも「華岡青洲の妻」を上演することになっており、小野さんはそちらで於継をされます。於継って脇役というよりは準主役で、台詞も動きもいっぱいあって、おそらく既に台詞が入っている小野さんに白羽の矢が立ったんでしょう。文学座の女優さんが商業演劇の脇役で出てるってことはよくありますが、準主役って珍しいように思います。

 文学座って普段から和物をされることが多く、和物の着付けや所作は慣れていらっしゃいます。小野さんも、立ち居振る舞いも台詞もとても美しく、加恵の“憧れの女性”ってお役、全然無理はありませんでした。久里子さんも今回の於継は初役だったそうで、そちらも見てみたかったです。文学座は見る予定なので、今年は「華岡青洲の妻」の見比べができると期待していたので、ちと残念でした。

 かんじんのお芝居の「華岡青洲の妻」です。今回が初めてではありません。直近では新派で見ています。文学座も杉村先生で見たような見ていないような…。玉ちゃんも平成2年に加恵をお勤めです。於継は杉村先生、青洲は北村和夫さんでした。玉ちゃんの於継っていうのも見てみたいです。意地悪っていうのか、そういう単純な言葉では言い表せないいろいろ思いの詰まった於継をどう演じられるのか興味があります。

 お芝居の「華岡青洲の妻」はこれまで単なる“嫁姑のバトル”って思っておりましたが、今回のを見ると“青洲が悪い!”っていう感想を持ちました。二人の青洲に対する愛情につけこんで、ええように利用したなって…。加恵は強い麻酔薬のせいで失明するし、妹二人は癌を患い、医者がそばにいるにもかかわらず、二人とも手の施しようがなくなるまで放置されてしまい、死を迎えました。「なんだかなぁ…」って思いました。

 ご出演の大竹しのぶさん、25歳から始まりましたが、大丈夫でした。ま、ワタシが3階のてっぺんから見ているせいもあると思いますが。ただ、大竹しのぶさんって何を演っても、“大竹しのぶ”なんですよね。お役を自分のところへ引き寄せる力があるんでしょうか。文学座の女優さんだとどうなるのか、楽しみです。

 京都の後は久留米と新橋演舞場で公演があります。久里子さん、演舞場は出られるんでしょうか。暑い時期なのでご無理のないようにと思います。
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