おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

歌舞伎NEXT 阿弖流為(アテルイ)

2015-10-11 23:57:23 | 観たもの
 10日の土曜日に松竹座で「阿弖流為(アテルイ)」を見てまいりました。この日、急に仕事の関係で某先生の講演会を聞きに行かないといけなくなり、それが千里で2時から4時までありました。「阿弖流為」は4時半開演、3時半には会場を出るつもりにしていましたが、小さい会場で、客席も明るいままだったので、途中で立つことができず、結局千里を出たのが4時前、20分ほど遅刻してしまいました。「阿弖流為」は漢字は難しいけれど、ストーリーはそれほど複雑ではなかったので、何とかついていくことができました。

 「阿弖流為」は7月に新橋演舞場でかかりました。大好評、大絶賛、大入りの公演でした。ブログやツイッターでもよく見かけました。ツイッターで話題になっていた“熊子”もようやくわかりました。「ちょっと禁じ手ちゃうん?」と思わなくもなかったけれど、ストーリーの中の箸休めのような存在で、亀蔵さんとのコンビネーションも抜群で、出てくるとホワッとなりました。かなり活躍したと思うんですが、なぜかカーテンコールには登場せず、「なんでぇ?」とちょっと思ってしまいました。

 って、いきなり熊子から入ってしまいましたが、「阿弖流為」は、平成14年に染五郎さん主演で新橋演舞場で上演された「アテルイ」を歌舞伎として再創造されたお芝居です。そのために頭に“歌舞伎NEXT”というタイトルがついています。脚本は中島かずきさん、演出はいのうえひでのりさん、主役は染五郎さん、勘九郎さん、七之助さんのお三方で、脇に彌十郎さん、萬次郎さん、亀蔵さんが出演されています。

 「歌舞伎役者がやれば、それは歌舞伎になる」とよく言われていますが、これは「歌舞伎見た感」はだいぶ薄かったです。独特なメーク、国籍不明な衣装、やたら煌びやかな照明、大音量の音楽、超高速の立廻りとあまり普段の歌舞伎では見ない聞かないものばかりで、まあ一応見得とか型とかはあるし、附打もあって(打ちすぎ?やたらめったら附打が入ってうるさいってちょっと思ったくらい)、歌舞伎らしいことはしてるんですが、うーーーん、ワタシ的にはちと苦手でした。歌舞伎ぢゃないお芝居として見れば、萬次郎さんのマリー・アントワネットのような金髪の鬘や真っ赤なお衣装・口紅は妖しさ100倍でお役の雰囲気とドンピシャリって感じだし、照明のオペレーションは素晴らしく、3階から見ていましたが、本当に美しく幻想的な舞台面になっていました。殺陣もスピーディーで歯切れ良くて、「よー、怪我せえへんねぇ」と感心しながら拝見しておりました。

 主役の染五郎さん、勘九郎さん、七之助さんもほぼ出ずっぱりで、帝人と蝦夷の戦いのお話(って乱暴にまとめてしまいましたが)なので、ご本人たちも激しい立廻りがあり、すごい体力を消耗するんでしょうね。歌舞伎役者さんですので、確かに台詞を言えば歌舞伎になっていました。ただ、時々、素にもどる台詞があって、歌舞伎にはそういうのがあまりないので、ちょっと気になりました。

 ワタシ的には萬次郎さんがツボでした。萬次郎さんは昨年藤山直美さんと共演された折からずっと気になる存在です。今回も期待を裏切ることなく、見事に御霊御前を演じきっていらっしゃいました。声が独特ですよね。怪演だと思います。

 新作歌舞伎って難しいですよね。「歌舞伎役者がやれば、それは歌舞伎になる」とは言うものの、だからって何をやってもいいのか?というのもあって…。見る側のお客さんひとりひとりの歌舞伎に対する許容範囲?っていうのもあるし。「ここまでなら歌舞伎として認める」っていうラインもそれぞれ違うだろうし。「阿弖流為」は3階まで満席でした。スタンディングオベーションもあって、それだけ受け入れられているってことなんでしょうね。

私は来週の歌舞伎座にかけることにしました。

 
 両花道でした。

 
 これ光ります。全員に渡されて、最後の場面でこれをつけて手を振るようにと指示がありました。

 
 大起水産の押し寿司の盛り合わせ。ぎっしり詰まっていておなかいっぱいになりました。
コメント
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