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時事ひとりごと − 24 ( 難民 )

2017-02-05 20:35:14 | 時事ひとりごと
先頃マルタ島で開かれたEU首脳理事会での主要テーマは「難民問題」でした。

昨年の春からケルンの大聖堂では開催国マルタの軍隊によって没収された「難民ボート」が
陳列されていました。



難民100名を乗せたこの古い漁船はリビアからイタリアに向かう途中で、地中海を漂流していたところを
マルタ軍に救出されたのです。

この難民ボートに乗せてもらうために高い料金を支払った難民には荷物も食料も水も持ち込むことは許されていませんでした。

小さな船に詰め込まれて窒息死した人もいるそうですし、生存者の多くは意識混濁、呼吸困難状態だったということです。

この難民ボートはケルンの大司教がマルタから取り寄せ、昨年の「聖体の祝日」に祭壇として用いられました。

今年からはケルン大司教区内の教会で巡回展示されます。
我が家の近くの教会では3月中旬から展示される予定です。

この「難民ボート」を私はまだ見ていません。
写真は友人のクリスマスカードに貼ってあったもので、上記の文章も友人の説明文を引用させていただきました。

昨年の「難民ボート」を祭壇として使ったミサで大司教は
「ボートにはキリストが乗っておられる」と述べられたそうです。

この言葉を聞いて、先日読んだ遠藤周作著「沈黙」を思ったことでした。
日本で現在、映画が公開されているという報道を耳にして、iBooksで購入しました。



この本では弾圧される隠れキリシタンの惨状にポルトガルの司祭が
「基督は何故、沈黙されているのだろう」と問いかける描写があります。

難民の中にはテロリストもいるという危惧があるようですが、生命の危険を犯してまで祖国を見捨てて
外国に向かうのはやはりとても厳しい状況に置かれているからなのでしょう。
難民の人々がこの苦難を乗り越え、いつか祖国に戻れる日が来ることを願っています。