今日は復活祭の日曜日。
森の散歩に行きました。久しぶりに行ったらイチリンソウが咲き始めていました。
まもなくこの辺りはイチリンソウが一面に咲いて白い絨毯を敷き詰めたようになります。
日頃愛読している「ほぼ日刊イトイ新聞」の「今日のダーリン」の欄で「エンゲル係数」のことに触れていました。
以前はエンゲル係数の値が高いほど生活水準は低いとかいわれていたけれど、
現在はグルメ文化や「食べる」ことの周辺(食器など)にお金をかけることが多くなり、
生活水準とは関係ない、いわゆる「超エンゲル係数」が高くなっている、というような内容でした。
それで私が思ったのは自分の「無知」のことです。
我が家から車で一時間ほどの所にヴッパータールという町があります。
この町の有名人としては舞踏家のピナ・バウシュなどがいますが、ドイツの人にとってはフリードリッヒ・エンゲルスが生まれたところとして
知られており、「エンゲルス・ハウス」などがあります。
私は数年前までこのヴッパータール出身のエンゲルスさんがあの「エンゲル係数」の学者だと勘違いしていました。
でも「エンゲル係数」の方の経済学者は苗字の末に「S(エス)」のないエルンスト・エンゲルさんなのです。
フリードリッヒ・エンゲルスの方は終生カール・マルクスの誠実な友人として知られ「共産党宣言」などの共著者としても
知られていますから、私はてっきりあの「エンゲル係数」もこの人がと思いこんでしまっていたのですね。
でもドイツ人で「エンゲル係数」のことを知っている人はいないので、不思議だなぁとは思っていたのです。
「エンゲル係数」は特に日本でよく知られているようですね。
この理由は立花隆著の「天皇と東大」に記述されているそうです。
ネットで検索していたら三浦さんという方のブログにその記載がありました。
h.hatena.ne.jp/kmiura/20060405
それによりますと
・・・・統計学を学ぶためにミュンヘン大学に留学していた高野岩三郎が1900年(明治33年)に「エンゲル文庫」を買い入れ、
それを元に後に東大の経済学図書館が設立され、その結果「エンゲルの法則」が翻訳され「エンゲル係数」が日本に広まっていった。
ということのようです。
最近、再読した小池龍之介著「しない生活」の以下の文章を思い出したことでした。
・・・・脳は「このことを自分はもう知っている」と判断したものに対しては情報を大胆に省略する癖をもっている。これは仏教で「無知」と呼ばれる煩悩に相当する。
私など「煩悩の塊」だなぁと苦笑してしまいました。
田中美知太郎先生も「常識の立場」で同様のことを述べられています。
・・・多くの人が知っていることは、実際はただそう思っているだけで、何も知ってはいないのだというようなことである場合が少なくない。
これも「耳の痛い」お言葉です。
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