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時事ひとりごと - 37(自由の値段)

2019-11-07 16:50:57 | 時事ひとりごと
明後日の11月9日は「ベルリンの壁」が崩壊して30年になる記念の日です。

今週ドイツのメディアは色々な記念特集記事や番組を報道しています。

今週の月曜日から3夜連続でドイツ第二テレビ(ZDF)で放映されたテレビ番組”Preis der Freiheit(自由の値段)”もそのひとつです。



東西ドイツに分断されていた頃の東ドイツ(ドイツ民主共和国)と西ドイツ(ドイツ連邦共和国)間には東ドイツ側に収容されていた政治犯を釈放して西ドイツに引き渡すという密約がありました。

そして釈放される政治犯ひとりあたりに対する対価(西ドイツマルク)も交渉で決められていました。

1963年から1989年までの間に33755人が西ドイツに釈放され、その対価として西ドイツは合計で約35億マルク支払ったということです。

当時の東ドイツの対外貿易省には商業調整部があり、この部署の仕事は資本主義国と(非公式に)対外貿易をして外貨を獲得することでした。

上の写真の真ん中に座る女性がこの商業調整部のチーフをしています。

この商業調整部が西ドイツ側の担当官と政治犯の「値段」の交渉にあたるシーンは「政治犯の自由」があたかも物品のように取り扱われており、とても奇異な感じでした。

どこまで史実に即して描かれているかわかりませんが、今年視聴したテレビドラマの中では秀逸な作品だと思います。

ベルリンの壁が崩壊して西側への通行が自由になったことや自由に自分の意見を表明できることで当初はみんな歓喜に浸っていたし、
流血事件もなく東西ドイツが統一したことはやはり「奇跡」と呼んで良いと思います。



ただ当時の東ドイツにはそれまで真面目に仕事をして、裕福とはいえないにしてもある程度自分たちの生活に満足していた人々も多くいたこと。自由な言論、西側への自由な移動をそれほど重要なものとしてとらえていなかった人たちも多くいたこと。そしてその人たちが大量に解雇され失業してしまったことは事実です。

40年間、違う政治体制下で分断されてきた国を統一するのはとても困難なことだと痛感します。











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