日本に一時帰国中に読んだ新聞で印象に残った記事は切り抜いて、ドイツに戻ってからゆっくり整理することにしています。
この本は2年前、ドイツで独語訳を読みました。
邦訳のタイトルはオリジナル通り「屋根裏の仏さま」になっていますが、
独訳本のタイトルは「私たちが夢に描いたこと」になっています。
それに日本人女性移民の物語ということから桜の枝のイラストが表紙になっています。
もしかすると「写真花嫁」として米国に渡り、その後祖国の土を踏むことのなかった日本人女性は故郷の桜並木を懐かしく思い出すこともあったのではないかということで、このようなカバーになったのかもしれません。
ここで描かれているのはいわゆる「写真花嫁」として20世紀初頭、日本から船に乗り、アメリカへ渡るという選択をしたり、させられた日本人女性移民のことです。
主人公はひとりだけではなく、数人の女性の生活や体験が描かれています。
タイトルの「屋根裏の仏さま」はそのうちのひとり、ハルコさんが屋根裏に笑い顔の仏さまを祀っているというエピソードに由来しています。
新天地での生活は多分、苦労の連続だったことでしょう。
辛い時にはハルコさんの屋根裏の仏さまのような、自分を慰める手段がそれぞれにはあったことでしょう。
ドイツ語で読んだだけで、日本語訳には目を通していないので、日本語では少し印象がかわるのかも知れません。失望、苦労、辛さなど、ネガティヴな事柄が多く描写されているのですが、感情を抑えた淡々とした記録文書のような語り口で、読後、暗い感じは全く受けませんでした。日本女性のしなやかさが伝わる好感の持てる小説でした。
この本は2年前、ドイツで独語訳を読みました。
邦訳のタイトルはオリジナル通り「屋根裏の仏さま」になっていますが、
独訳本のタイトルは「私たちが夢に描いたこと」になっています。
それに日本人女性移民の物語ということから桜の枝のイラストが表紙になっています。
もしかすると「写真花嫁」として米国に渡り、その後祖国の土を踏むことのなかった日本人女性は故郷の桜並木を懐かしく思い出すこともあったのではないかということで、このようなカバーになったのかもしれません。
ここで描かれているのはいわゆる「写真花嫁」として20世紀初頭、日本から船に乗り、アメリカへ渡るという選択をしたり、させられた日本人女性移民のことです。
主人公はひとりだけではなく、数人の女性の生活や体験が描かれています。
タイトルの「屋根裏の仏さま」はそのうちのひとり、ハルコさんが屋根裏に笑い顔の仏さまを祀っているというエピソードに由来しています。
新天地での生活は多分、苦労の連続だったことでしょう。
辛い時にはハルコさんの屋根裏の仏さまのような、自分を慰める手段がそれぞれにはあったことでしょう。
ドイツ語で読んだだけで、日本語訳には目を通していないので、日本語では少し印象がかわるのかも知れません。失望、苦労、辛さなど、ネガティヴな事柄が多く描写されているのですが、感情を抑えた淡々とした記録文書のような語り口で、読後、暗い感じは全く受けませんでした。日本女性のしなやかさが伝わる好感の持てる小説でした。