毎年この時期に5年前に亡くなった友人のお墓参りに行きます。
ご葬儀は1月だったのですが、寒いので春の訪れが感じられる3月頃に友人と彼女のお嬢さんの家族に墓参の声をかけます。
彼女は我が家の近くにある樹木葬の森で眠っています。
一年に一度だけ訪れるのですが、今年は昨年に比べて仏像を置いてあるお墓が目立ちました。



お墓に備えるお花の購入担当は私です。
友人はとても春の訪れと桜の開花を待ち望みながら亡くなったので、ご葬儀の時も供花は桜の枝と思ったのですが、時期的に難しくて
結局「木瓜」になりました。
これが真っ赤な緋木瓜ではなく、紅と白が混じった更紗木瓜だったようで全体として桜色になりました。
それでご葬儀の司会をされたドイツ人も木瓜の枝を「桜」と皆さんに紹介していました。
今年は花屋さんで桜の枝があったので、皆さんに「今年は桜の枝をお供えできそうです」とお伝えしたのですが、
これは私の勘違いで「桃の花」でした。

「あなたはいつもソソッカシイからネ」と樹木葬の森で眠る彼女に笑われるわね、と友人と話したことでした。
そういえばお墓を訪れたのは季節の暦の七十二候の第八候「桃始笑(ももはじめてさく)」‐桃の花が開き始める時期でした。

この季節手帖の第八候には次のような素敵な文章があります。
『昔は、花が咲くことを「花笑み」といいました。花のように笑うことも「花笑み」といいます。
桃が笑って、人も笑って・・・・。 これが長寿の秘訣なのかもしれませんね』
その時のことを詠んだこの間の句会に提出した句が好評でした。
里山の花守となり友眠る