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復活祭 & ゲーテ「ファウスト」

2015-04-03 15:28:19 | 日記
復活祭の時期は我が家でもささやかな「イースターツリー(?)」を飾ります。

桜やレンギョウ、ネコヤナギなど毎年「春の枝」は変わりますがオーナメントはいつも同じです。



復活祭にはいつも森の散歩します。

昔は散歩の前に夫はよく「それでは森に『プードルの核』を捜しに行こう」と言っていました。

これはゲーテの『ファウスト』でファウスト博士が復活祭の日曜日に森の散歩に出かけたシーンがあるのを夫が記憶していたからです。

ただ夫はドイツ語でPudelskern(直訳するとプードルの「核」)と表現されている言葉の意味を間違って覚えていたようです。

ファウスト博士は確かに森で黒いプードル(といっても小さなプードル犬ではなく邦訳では「厖犬(むくいぬ)」となっているようですが)に出会い、その犬が家までついてきます。

結局この犬は悪魔のメフィストであることがわかり、ファウスト博士は「なんだ、これが厖犬(むくいぬ)の正体か」と叫ぶのですが、
この「犬の正体」という原文のドイツ語を日本語に直訳すると「プードルの核」ということになるのです。

夫はどういうわけかこの「犬の核」をメタファーとしての「人生の真実」というようにとらえていたようです。
いかにギムナジウムの授業で文豪ゲーテ先生の傑作『ファウスト』をいい加減に読んでいたか露呈してしまいました

ただ『ファウスト』の中には人間についての英知が箴言の形でちりばめられているので、もしかすると他の箇所と混同してしまったのかもしれません(と寛容な妻はアナタの間違いをしつこく追及することはいたしません)。

『ファウスト』に記されている数ある箴言の中で最も有名で愛されているのは(私も好きな言葉です)やはり

時よとまれ。おまえは実に美しいから」でしょう。

柔らかな春の陽光を浴びる森の風景を眺めるとそんな風に思うことがあります(多分ゲーテ先生がおっしゃる「美しい瞬間」にはもちろんもっと深淵な意味があるのだとは思いますが)。

コメント (2)
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