この夏は、猛暑とコロナに追い回されるような生活になっている。だが、そこからは逃げ出すこともできない。
夏の暑さそのものはさほど嫌いではないのだが、炎天下でのマスクをしての歩行はつらい。
コロナも怖いが熱中症も怖い。どちらも症状が似ているというから、夏の夜の幽霊とお化けのように、怖さも倍増する。
ベランダの朝顔は、世の中の騒ぎには関係なく、やたら元気に咲いている。毎年ずっと同じタネだから、花柄はいつもと同じ色と形で代わり映えしない。
変わらない夏に、変わらない顔と会っているみたいで、変わらないということの安心感はある。
花も三密はよくないみたいで、密着しすぎて蕾のまま咲けないのがある。早く起きろよとばかりに、蕾の先をちょんちょんと指でつついてやると、寝ぼけた花はゆっくりと目をひらいていく。
あさ開かない朝顔の花は、そのまま蕾で終わってしまう確率が高い。きょうという日を無駄にはできない一日花だから、つい余分なお節介をしてしまう。
ところで、ぼくの本もようやく開花しそうな目処がついた。
沸騰しそうな脳みそをなだめながらの編集作業ののち、やっと印刷所に表紙と本文128ページ分のデータを送ることができた。これで春からの宿題を終えてほっとしている。
納期があるわけでもなく、特に急ぐ必要もないので、費用を節約するために、印刷所とは「超ゆったりコース」というので契約した。印刷所が手隙なときにやってくれればいい、といったエコノミーコース。
ちなみにコースは5段階で、いちばん速いのは「超特急コース」。2日で本が出来上がるという。
あとは印刷所任せになる。だから本が出来上がるのは今月の末頃になる予定。超ゆったり気分で待つことにする。