A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

人生の転機で成功するには良い人との出会いと確かな人の推薦があれば・・・

2013-12-20 | MY FAVORITE ALBUM
Miles and Miles of Swing….. / Butch Miles

カウントベイシーオーケストラに加わって今年来日したブッチマイルスのプロとしてのデビューはメルトーメのバックであった。マイルスのその後の活躍を見ると、ドラムを自分でもプレーするメルトーメが新人を起用した選択眼は正しかったということであろう。
そして、ベイシーオーケストラに加入したが、ドラマーを探していたベイシーにマイルスを推薦したのは、マイルスが師と崇めるバディーリッチであった。
もちろんリッチが強く推した眼力にも間違いはなく、ベイシーに気に入られたマイルスはベイシーオーケストラに5年間在籍して大活躍した

ブッチマイルスもメルトーメとの出会い、リッチの推薦、そしてベイシーでの実績が無かったら、今のマイルスは無かったであろう。

ペッパーアダムスもニューヨークに出てきてオスカーペティフォードとの出会いがあり、そしてスタンケントンへの推薦が無かったら、全く別の人生を歩んだかもしれない。
人生、何をやっていても良い人との出会いと、人を見る目を持った確かな人に推され、そして新天地へ踏み出せる機会を得ることが大きな転機を迎える秘訣かもしれない。

ブッチマイルスはベイシーオーケストラに75年から5年間在籍したが、その在籍中にフェイマスドアレーベルでこの初リーダーアルバムを作っている。
ファイマスドアというレーベルは伝説のレーベル「キーノート」のプロデューサーであったHarry Limが捲土重来を期して1973年の立ち上げたレーベル。こちらのLimは志は高かったものの色々挫折を繰り返して、一時はレコード店の店員をやって、ファイマスドアに辿り着いた苦労人だったようだ。

このレーベルは"Concord"同様中間派の中堅プレーヤーの演奏が多いが、その中で若手の代表としてブッチマイスルにもリーダーアルバム制作の白羽の矢が立った。

こうして、ベイシーで活躍中のマイルスのもう一つの表の顔として、ジョンバンチやミルトヒントンというベテランに共演メンバーをバックにブッチの初アルバムが作られた。
バディーリッチやジーンクルーパというモダンスイング派のドラミングを継承しているブッチの軽快なドラミング。そのソロでA面、B面ともにスタートする。曲はお馴染みのスタンダード中心。メンバーも心得たもので、ブッチの軽快なドラムを引き立たせる好演をしている。
フロントラインにはベテラン、アルコーンに加えて同じ新人のスコットハミルトンも加わっている。ちょうどハミルトンがコンコルドにデビューする直前の録音で、ニューヨークに出てきたハミルトンが中間派の溜まり場であるCondon’sでプレーをしていた時だった。

因みに、ハミルトンはこのCondon'sでの演奏をたまたま聴いたジェイクハナの強い推薦でConcordへのデビューを果たせた。

時代が代わり、このマイルスやハミルトンの推しによって第一線で活躍しているミュージシャンも多いと思う。表舞台に立って良き伝統を次世代に引き継いでもらいたいものだ。
次々に隠れた存在から、このような晴々した顔を世の中にお披露目できるようになって。



このジャケットに「ファイマスドアは最高級の機器と技術を使用した録音」と謳っている割には、50年代や60年代の録音より音が悪いのは何故? 同じ時期のConcordの録音はそこそこ良いのに。
Harry Limは夢は大きかったものの、最後まで大成功に至る運気に恵まれなかったのかもしれない。

1. Cherokee
2. I’m Getting Sentimental
3. Take The A Train
4. The King
5. Sweet Lorraine
6. For The Boss
7. Broadway

Butch Miles (ds)
John Bunch (p)
Milt Hinton (b)
Marky Markowitz (flh)
Scott Haminton (ts)
Al Cohn (ts)

Produced by Harry Lim
Recording Engineer : Richard Le Page
Recorded at Mastertone Recording Studios, New York, Fall 1977

Miles And Miles Of Swing...
Butch Miles
Famous Door
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