A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ホーキンズのブルースプレーをタップリ楽しめると思ったのだが・・・・

2013-12-26 | PEPPER ADAMS
Stasch / The Prestige Blues-Swingers featuring Coleman Hawkins

クリスマスアルバムが続いたのでしばらく中断したが、久々にペッパーアダムスのアルバム紹介に戻ってみる。

1959年2月2日から5日まで連日レコーディングセッションが続いたが、最初の2・3日はアービーグリーンの軽快なビッグバンド4日はミンガスのヘビーなアルバム、そして最終日の5日は。

プレスティッジレーベルはオールスターメンバーで色々なセッションを立て続けに収録していたが、ブルースのアルバムもちらほら。生粋のブルースミュージシャンではなく、ジャズミュージシャンのブルースアルバムも。此の頃はハードバップの最盛期だが、かれらも普段の演奏ではブルースバンドで演奏することも決して珍しいわけではなかったようだ。

ペッパーアダムスが加わったアルバムとしては、前年にThe Prestige Blues-Swingersと看板を掲げたメンバーで”Outskirts of Town”というアルバムを作っている。Jimmy Valentineというアレンジャーの作品があった。
今回はその続編ともいえるアルバム。ただしメンバーは多少入れ替わって今回はコールマンホーキンズがメインとなる。

ホーキンスといえば、スイングジャズ時代はテナー奏者として第一人者としての地位を得ていた。しかし、50年代に入りモダンジャズ時代に入ってからはその変化について行けずに長いスランプ期間が続いていた。プレーヤーによって時代の変化を上手く取り込みながら自分の演奏スタイル変化させるタイプと、頑なに自分のスタイルを貫き通すタイプがある。ホーキンスは前者であり、レスターヤングは後者であるといわれている。何事においてもそうだが、変化に上手く合わせられれば良いが、反対に合わないとそれがストレスになるのは容易に想像できる。

そして、58年にバッククレイトンと一緒に吹き込んだ、”High and Mighty Hawk”が復活のアルバムとなった。一曲目のBird of Prey Bluesで延々と淀みなく続くソロは圧巻である。また、ホーキンスはブルースを必ずしも得手とはしていなかったらしいが、この演奏でブルースプレーも吹っ切れたといわれている。確かに、苦手とは思えない好演だ。

このアルバムは、それから1年後の吹き込み。自信のついたホーキンスのブルースプレーを前面に出そうとしたのかもしれないが・・・・。

他のメンバーを見ると、アダムスにしてもリチャードソンにしても、ブルースを吹かせても味わいのある演奏をするが、必ずしもR&Bを本業としている訳ではない。その中で、ホーキンスのソロだけが妙に浮き出ている。R&Bのテナープレーを求められているのではなく、ハイアンドマイティーホークのプレーで良かったのにと思うのは自分だけか。

アダムスは、4日連続の録音の疲れを感じさせず自分の持ち場と役割をきちんとこなし、ソロプレーヤーとしてだけでなくビッグバンドで鍛えられたセクションプレーヤーとしての実力を遺憾なく発揮している。

1. Stasch             Jerry Valentine
2. Since I Fell for You        Buddy Johnson
3. Roll 'Em Pete          Pete Johnson / Big Joe Turner
4. Trust in Me           Milton Ager / Arthur Schwartz / Ned Wever
5. Skrouk             Jerry Valentine
6. My Babe            Willie Dixon

Coleman Hawkins (ts)
Pepper Adams (bs)
Jerome Richardson (as,fl)
Idress Sulieman (tp)
Roy Gaines (g)
Wendell Marshall (b)
Walter Bolden (ds)

Arranged by Jerry Valentine

Recorded by Rudy Van Gelder on February 5, 1959


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