A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

一人で迎えるクリスマスには・・・

2013-12-23 | CHRISTMAS
A Dave Brubeck Christmas / Dave Brubeck

ジャズの特徴の一つにコール&レスポンスがある。
古くはニューオリンズジャズから今のジャズまでコール&レスポンスは色々なところで必ずといってくらい登場する。ソロとバックであったり、歌と伴奏であったり、ビッグバンドでもセクション間の掛け合いで。普通のセッションでも4小節のソロの交換もコール&レスポンスだろう。
このコール&レスポンスはさらに遡れば、ジャズの起源であるアフリカ音楽にその源はあるようだが。何れにしても誰かの演奏に他のプレーヤーが応えながらお互いが聴衆を巻き込みながら盛り上がっていくのがジャズの楽しみである。

クリスマスはキリストの降誕を皆で祝うのが始まり。キリスト教徒であればクリスマスの礼拝に教会を訪れ皆で祝うのが普通であろう。信者でなくても、クリスマスには仲間で集まり、家族そろって、そして恋人同士は2人でクリスマスを肴にして語り合う場ができる。
日本では丁度忘年会シーズン、仲間同士で盛り場に繰り出すこともあったが、最近ではクリスマスだからといってバカ騒ぎもなくなった。家でゆっくりという人が増えているようだ。

しかし、今の時代は個の時代。クリスマスには残業する人も少なく、いつもの飲み仲間も見つからないと一人でクリスマスを迎える人も多いだろう。普段は一人でもいても気にはならないが、この日ばかりは一人でいると何か取り残された気分になりがち。家で一人クリスマスソングを聴いていても何故かむなしい気分になってしまうものだ。

ジャズの世界は2人いればコール&レスポンスが成り立つ。しかし、ジャズにはソロも多くある。きっとプレーヤーは一人でも自分の世界でコールレスポンスをやっているのだろう。
自分で何か訴えたいことがあれば問わず語りで一人でも饒舌に語れるように。

先日マリアシュナイダーのライブに行った。昔ながらのコール&レスポンス、そしてジャズ特有のアフタービートとはかけ離れた世界だ。でも包み込まれるように取り込まれていく。

デーブブルーベックのピアノも昔からスイングしないとよく言われたものだ。
このブルーベックがソロでクリスマスソングを奏でているのがこのアルバム。

普段は賑やかなジングルベルもブルーベックの手にかかると別世界に、ジャズともクラシックともいえないブルーベックワールドとクリスマスソングが妙に相性がいい。ソロではあるが、得意の左手と右手のソロでコール&レスポンスをやっている。そして、曲によっては曲想をダブらせながら。
このブルーベックのアルバム、大勢で華やかなクリスマスパーティーには似合わないが、一人クリスマスのバックにはピッタリだ。スローな曲が大部分の中で、力強い”Winter Wonderland“
のストライドは妙に元気を与えてくれる。

今年のクリスマスは自分も一人クリスマス。ブルーベックが亡くなったのが去年の12月。ちょうど一回忌が過ぎたところだ。このブルーベックのアルバムをバックに、ブルーベックの呼びかけに自分も一年を振り返り、そしてブルーベックを偲んで2人でコール&レスポンスをやってみようと思う。



1. "Homecoming" Jingle Bells        James Pierpont 3:22
2. Santa Claus Is Coming to Town      J. Fred Coots / Haven Gillespie 3:42
3. Joy to the World       George Frederick Handel / Lowell Mason / Isaac Watts 2:55
4. Away in a Manger            James R. Murray / Traditional 5:06
5. Winter Wonderland           Felix Bernard / Dick Smith 4:22
6. O Little Town of Bethlehem       Phillip Brooks / Lewis Redner 5:37
7. What Child Is This? (Greensleeves)   William Chatterton Dix / Traditional 3:30
8. To Us Is Given             Dave Brubeck 3:36
9. O Tannenbaum             Traditional D 3:38
10. Silent Night              Franz Gruber / Joseph Mohr 4:56
11. Cantos Para Pedir las Posadas       Traditional 4:01
12. Run, Run, Run to Bethlehem        DaveBrubeck / Iola Brubeck 3:51
13. "Farewell" Jingle Bells        James Pierpont 3:02
14. The Christmas Song           Mel Tormé / Robert Wells 4:28

Dave Brubeck (p)

Produced by John Snyder, Russell Gloyd
Recording engineer : Jack Renner
Recorded at Ambient Recording Studio, Stamford Connecticut, on June 6 &8 1996


Dave Brubeck Christmas
Dave Brubeck
Telarc

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2 コメント

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「一人でも自分の世界でコールレスポンス」 (コーラスずき)
2013-12-28 15:24:13
YAN様、こんにちは。貴ブログを愛読しております。

いつも小生の最愛のバリトンサックス奏者ペッパー・アダムスについて詳述して下さりありがとうございます。知らないことばかりで勉強になります。ジャズの本場アメリカの原書にあたられているからこそ浮かび上がってくるトリビアルな史実の数々はどれも貴重なものばかりで、それを知ったうえで聴きますとまた違った味わいが感じられて参ります。よく歌うアダムスの漢らしい吹奏に魅せられますと他のバリトン奏者が物足りなく感じられてきて仕方ありません。あのウネるようなメロディーの起伏と無骨な音色は格別です。

さて先日上梓された内山節さんの『新・幸福論: 「近現代」の次に来るもの』 (新潮選書)を読んだところですが最近、渡辺京二『近代の呪い』(平凡社新書)ほか同様の趣旨の本が出版されており息苦しい閉塞感の顕れかもしれません。今の世はとどまるところを知らないグローバリズムの拡張により世界が均質化し、知的専門職に就けるごく少数者以外は不安定な雇用に甘んじざるをえず、男女関係でさえ相手をいつでも交換可能な部品のごとくみなしている有りさまです。学校教育ほかによる「近代の洗脳」もいよいよ末期症状かと。

YAN様のこのところの記事を拝読しておりまして、ほのかながらそうした問題意識の片鱗が窺えましたのでコメントさせて頂きました。どうかお元気で長生きされ、これからもご健筆を揮われますよう心より希望いたします。それでは、よいお年をお迎えくださいませ。
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コーラス好きさん、こんばんは。 (YAN)
2013-12-28 23:37:51
ご丁寧なコメントをありがとうございます。

バリトンサックスというと、すぐ思い浮かぶのがジェリーマリガン。ファンの方も多いかと思います。一方で、ペッパーアダムスはあまり表立っては活躍していなかったせいか、アダムスを好むという方はあまり多くいらっしゃらないようです。が、反対に好きという方は皆さん結構なジャズ通の方が多いように感じます。

自分も最初はマリガンからバリトン好きになりました。
アダムスに惚れ込んだのは、以前にも書かせていただきましたが68年のサドメルオーケストラのライブをピットインで間近で見、そして聴いた時から。
当時はまだ学生で、ジャズを聴くのはもっぱらジャズ喫茶、ライブ自体をそれほど聴いた事も無かった時に、いきなり彼らの演奏を聴き鳥肌が立ちました。
夢遊病者のように家路につき、家に帰ってからも興奮のあまり寝付けなかったのを思い出します。

その時の、サドメルオーケストラは編成後まもなくオリジナルメンバーでの来日でした。
黒人のサドジョーンズ、白人のメルルイスの双頭バンドで有名ですが、その設立メンバーも白人、黒人が実にバランス良く配置されていました。
白人の代表格が、ペッパーアダムス、ジェリーダジオン、ボブブルックマイヤーであり、ジミーネッパーといった玄人受けする面々でした。
陽気なサドジョーンズ、ローランドハナ、スヌーキーヤングと対照的に、白人のメンバー達は黙々と味わいのあるプレーを披露してくれました。
自分で勝手に見た目から、銀行家のブルックマイヤー、市役所の窓口のアダムス、職探し中のネッパー・・・・などとプレーヤーを印象付けて覚えました。
その中で、アダムスのプレーだけはその風貌からは想像がつかないホットなプレーを聴かせてくれて一遍にファンになりました。

ファンになるとまずはリーダーアルバムを聴き集めますが、アダムスの場合はそれほど枚数が多いわけでもなく気がついた時に買い求めていた程度でした。
脇役としての参加を多く見受けて気にはなっていたのですが、アダムスのchronologyが公開されているのを知り、参加しているアルバムを追いかけてみる気になりました。
追いかけてみるとアダムスは実に多くのミュージシャンと演奏をし、また脇役といってもかなり重要な役割を演じていることが改めてわかりました。
また、一人のミュージシャンの目(行動)から時代時代を見てみると聴き慣れたアルバムでもまた新たな発見があり自分でも悦に入っています。

自分は、あまり読書家でもなく勉強もしておりませんが、自分の頭の整理を兼ねてアルバム紹介の合間に日々思うこと、感じることをいつの間にか織り交ぜるようになっていました。
確かに、誰もが感じる今の社会の閉塞感は一つの時代の変わり目を感じています。

高度成長時代、バブル、そしてバブル崩壊以降の平成を我々世代は、それぞれの良い所、悪い所を誰もが身を持って経験したかと思います。
冷戦時代が終わった時に話を聞いたことを覚えていますが、いわゆるイデオロギー、経済体制による対立は無くなったが、今後は民族、宗教による結び付きが強くなりその対立が生じる時代だと。
日本は残念ながら、それらのアイデンティティーが無くなって(無くされたが正しいかも)しまいました。世界が混沌としてきた今こそ日本の伝統を改めて見直す時期ではないかと思っています。最近仕事でも「原点回帰」という言葉をよく使います。何も対立することが目的ではなく、寄って立つ所をはっきりさせるためには。
安倍首相の最近やっていることは対立が目的のような。

お礼の一言のつもりが大分脱線しました。

「コーラス好き」さん、今後ともよろしくお願いします。

ありがとうございました。
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