A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

毎年、去る物もあれば、来る者もいる・・・・

2013-12-01 | JAZZ LIFE
Erika Fukasawa Orchestra 1 st. Live @保谷こもれびホール 

11月の自分の誕生日を過ぎると冬の訪れとともに忘年会シーズン、今年も別れもあれば新たな出会いもあり、この一年を改めて振り返る季節となった。
昨年は母を亡くした後、親戚に不幸が続いた。皆お世話になった近しい叔父たちであったので、世代替わりを痛切に感じた。反対に今年は新たな出会い、そして旧友たちとの再会が多く、何か新たな人生のスタートを感じた一年であった。

先週、もう一つの別れがあった。17年間乗った車が引退した。自分はあまり車を替えないで長く乗るタイプなので一層乗り続けた車に愛着が沸く。昔、キャンプやスキーに良く行っていた時に買い求めたSUVであるが、最近はもっぱらゴルフに行く時の足。ゴルフに行く頻度が増えるのに合わせて走行距離も伸びもうすぐ25万キロだった。たいした故障もせずに、エンジンは絶好調で毎週よく走ってくれたが、寄る年波には勝てず最近は足回りにガタが来始めていた。自分の体と同じかもしれない。最近のエコとは程遠い車だったが、横顔が好きな車だった。


という訳で、乗り潰す予定であったが、止む無く入れ替えを決めたという次第だ。ハイブリッド全盛だが、新しい車は走りにも少し拘りたくてディーゼルにしてみた。さてどんな付き合いになるか楽しみだ。

ジャズの世界でも、今年はシダー・ウォルトンや先日はフランク・ウェエスの訃報が届いた。反対に新人となると残念ながら欧米事情は詳しくないが、日本では最近ライブに良くいくせいもあり、期待の新人、若手を聴く機会も多い。

先週28日にある新人女性作編曲家のコンサートがあった。深澤恵梨香。平成元年生まれということなのでまだ25歳。
先日923Bigbandのライブへ行った時に、このコンサートのフライヤーが配られた。もちろん初めて聴く名前だったが、内容がストリングスを含むオーケストラであったこと、そして参加しているメンバーが普段聴く一流ビッグバンドの錚々たるメンバーということで、気にはなっていた。するとツイッターでコンサートの案内が、それがきっかけで予約をして行ってみた。

場所は、西東京市のこもれびホール。あまりジャズのコンサートでは行ったことが無い場所だった。200席くらいの小さなホールであるが、感じのよいホールだ。

改めて編成を見ると本格的なストリングスにTp3、Tb3、Sax4,それにフルートとクラリネット、それにピアノ、ベース、ドラムスに、パーカッションいう大編成。ジャズのビッグバンド編成でもないし、クラッシックのオーケストラ編成でもない、まさにジャズとクラシックを融合させたオーケストラだ。

曲は彼女のオリジナルが中心だがジャコの曲なども。最初は彼女が強烈な印象を受けたというトランペットの小幡さんとテナーの竹野さん(今回はアルトとバリトンであったが)をイメージし、2人をフィーチャーした曲からスタート。その後トランペットの3人の個性を上手く生かした「キャラバンの到着」。その後も、クラリネットフルート、トロンボーン・・・さらには、ピアノ、ベース、ドラムやパーカッション、バイオリンなどの順番にフィーチャーする曲が続く。確かに、これらの曲ではソリストが重要。一流のメンバーを揃えていただけあって、すべての曲が聴きごたえのある演奏だった。

それにしても、まだ学校を出てまもない彼女だが、ジャズのフルバンドの魅力を知ったのはそれほど昔ではないであろう。夏のクインシージョーンズのコンサートに行って感激したと言って自分でアレンジした曲もあった。また、今回のリハーサルの最中に打楽器の多彩な音にびっくりしたというように、まさに発展途上の彼女だが、ファーストコンサートでここまでの作品を数多く仕上げるとは並の才能ではなさそうだ。自分が影響を受けたプレーヤーを1stコンサートに招いて一緒に演奏できるというのも、実力だけではなく強運の持ち主であろう。

女性の作品は秋吉敏子や宮嶋みぎわがそうであるように、自分の体験した情景や感情を音にするのが得手なようだ。曲という素材だけでなく、今回のような28人ものプレーヤーの譜面一つ一つに上手く表現されているように思う。昔から、シンフォニックジャズはジャズとクラシックの融合とかいわれるが、彼女の場合はいきなりジャンルを超えた世界を作り上げてしまったように思える。あのマリアシュナイダーでさえ、長年の活動を経てやっと彼女のオーケストラからジャズの名前が消えたのだが。

いいコンサートであった。本格的に作編曲を学んできた彼女の今後の活躍に期待しよう。
コメント
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