A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

兄弟プレーヤーはよくいるが、一緒にプレーすることは・・・

2013-10-13 | PEPPER ADAMS
Get Those Elephants Outa Here! / The Mitchells

兄弟プレーヤーといえば、サド、ハンク、エルビンの3兄弟が有名だが、晩年はそれぞれ別の道を歩んだ。若い頃には一緒にプレーしていた頃もあるようだが。アダレー兄弟は長く一緒にプレーしていたし、兄弟によってそれはそれぞれ。

ベースのレッドミッチェルは西海岸で50年代後半活躍したプレーヤーの一人で、当時のコンテンポラリーレーベルでは常連だった。レッドは最初ピアノを弾いていたが軍隊に入った時にベースに転向したそうだ。弟のウィッティー・ミッチェルも実は同じベーシスト。彼も最初はクラリネットだったのが、学生時代ある時チューバが欠員になり、それがきっかけでベースに転じたそうだ。ニューヨークを拠点にして、スタジオワークに加えてベニーグッドマンなどのバンドに加わった後、60年代に入るとテレビのプロデューサーに転身した。

その、ウィッティーがプロデュースした数少ないアルバムの一枚がこのアルバム。
タイトルもThe Mitchellsと兄弟のアルバムだが、もう一人のミッチェルとしてトランペットのブルーミッチェル(兄弟ではないが)同じ名前のよしみ?で加わっている。
ブルーミッチェルは、直前にはキャノンボールアダレーのリバーサイドデビューに参加し、この後ホレスシルバークインテットへ参加して大活躍する飛躍の頃だ。

3人は一緒にレコーディングをする話は以前からしていたが、この時ニューヨークにアンドレプレヴィントリオの一員としてレッドがニューヨークを訪れるまで、残念ながら実現しなかったようだ。というより、同じ楽器を弾くミッチェル兄弟がレコーディングを一緒にする機会はなかなかなかった。


という状況でセッションを企画したのはレナオードフェザー。ピアノはレッドとツアーをしていたアンドレプレビン、此の頃はまだジャズの世界で大活躍していた時。ドラムスは先日紹介したジャガーノーツのリーダーフランク・キャップが加わる。
そして、何故かペッパーアダムスがこのセッションに加わっている。プレスティッジでブルースアルバムを録音した後に、少し趣の違ったアルバムへの参加だ。
ドナルドバードとのレギュラークインテットは継続的活動していたので、同じような編成のミッチェル達のセッションではどのようなプレーになるか?

ミッチェル兄弟がメインなので、曲によって2人でベースを交代でプレーし、レッドがピアノを弾くことも。ミッチェル作曲のタイトル曲から始まるが、最初からアダムスがアダムス節で飛ばす。

西海岸のメンバーが主体なのでウェストコースト色が強いかと思うとそうでもない。ペッパーアダムスは57年には西海岸で活動したが、翌年からは拠点をニューヨークに移したように、実際には東西移動、交流は日常的に行われていたようだ。
また、此の頃は録音の数は非常に多いし、レーベルとしての特徴もあり、実際にはセッション毎で音作りは多種多様。よく言われるように厳密な意味での東西の線引きはなかったようだ。

色々なセッションがライブでもレコーディングでも毎日のように行われていた1958年、こんな形で兄弟での初レコーディングが実現した。兄弟が同じ楽器だと一緒にレコーディングをしたくとも一緒にできる機会はないものだ。

1. Get Those Elephants Outa Here!             Red Mitchell 3:58
2. My One and Only Love            Robert Mellin / Guy Wood 5:23
3. In the Wee Small Hours of the Morning    Mike Hillian / David Mann 4:22
4. Moten Swing                Bennie Moten / Buster Mote 4:20
5. Monster Rally                     Whitey Mitchell 3:08
6. Three Cheers                       Red Mitchel 7:15
7. Blues for Brian                    Whitey Mitchel 3:28
8. Fraternity                        Red Mitchell 4:00

Blue Mitchell (tp)
Frank Rehak (tb)
Pepper Adams (bs)
The Mitchells (tp)
André Previn (p)
Red Mitchell (b,p)
Whitey Mitchell (b)
Frank Capp (ds)

Produced by Leonard Feather
Recorded at Belton Studio,New York City on October 6 1958
コメント
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