A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

サドジョーンズの名作は時代と国を超えていつまでも・・・・

2013-10-05 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Waves from The Vanguard-Live at Jazzclub Fasching / Srockholm Jazz Orchestra


先日宮嶋みぎわのビッグバンドのライブに出掛けた
場所は、神田の東京TUC、彼女のオーケストラの本拠地だが、自分は最近他のライブでもここを訪れる事が多い。何かここと相性が合っているのかもしれない。

みぎわのオーケストラを聴くのは昨年夏のライブから一年ぶり。
というのも、彼女は昨年の壮行ライブの後、一年間アレンジの勉強にニューヨークに行っていた。今回はその卒業記念&その成果のお披露目・帰朝報告を兼ねたライブということで期待も大きかった。

ちょっとしたギャクで始まったライブであったが、彼女の作編曲の新作・旧作を織り交ぜた1部、2部の構成もあっという間の2時間であった。旧作も今回の留学の成果を生かして一部手直しをしたとか。という意味ではオーケストラ全体が「新装開店」であった。

新作の中に、彼女のニューヨーク郊外の住居の周りの小鳥たちの囀りを模した”Find The White Line”(この曲名の由来を語るだけでも一仕事)があったが、このように彼女の目で見た自然の情景を音で著すのは彼女の得意技かも知れない。難しいアレンジと、表現にメンバー達も良く応えていた。

そして、1部、2部とも彼女に大きく影響を与えているヴァンガードオーケストラの創始者である、サドジョーンズの曲を一曲ずつハイライトに。
一部ではお馴染みの“Central Park North”。
サドメルの比較的初期の作品だが、そのアルバムが出たときには、それまでの曲想と少し異なりブーガルーのリズムも取り入れ、流石サドメルの8ビートと感心したのを思い起こす。

以前VJOのトロンボーン奏者のダグラス・パービアンスが来日した時に、このみぎわのオーケストラにゲストとして加わった時もこの曲を演奏したが、このオーケストラにとっても数あるサドジョーンズの曲の中でも大事なレパートリーの一曲だろう。
この時、実際にサドメルのオーケストラの流れを引き継ぐVJOの重鎮であるダグラスが加わっただけでオーケストラの音が変わると、彼女がコメントしていたのを思い出す。

同じ譜面でもコンマスの捌き方次第でオーケストラの味付けが変わるが、やはり本物の味付けを体験したメンバーが一人でも加わると、一段と味付け加減が本物っぽくなってくるから不思議だ。

スウェーデンのストックホルムジャズオーケストラも、サドメルのレパートリーのアルバムを出している。
サドメルはやはりビレッジバンガードでのライブがそのバンドの真骨頂を味わえる。だからという訳でもないと思うが、このアルバムも、地元のジャズクラブである“Fasching”での行われたライブ録音からピックアップされたものだ。
その中にこのCentral Park Northも収められている。

このメンバーの中に、ヴァンガードジャズオーケストラのディックオーツとゲイリースマリヤンが供に加わっている。またこのオーケストラの立ち上げにはジムマクニーリーが手伝ったようだ。

という意味では、サドメル直系の後継者達が暖簾分けを希望するフランチャイジーに自ら出向いて教育・指導しながらのライブともいえる。やはり、今回も本家の勝手を知っているメンバーが加わると一段と締まって聴こえてくる。

サドメルの曲のレパートリーオーケストラは他にもあるし、他のオーケストラでも何曲かは必ずと言っていいほど、サドメルの曲をレパートリーに加えている。
彼らが一同に会しての聴き較べも楽しそうだ。

宮嶋みぎわが今回のライブの最後の挨拶で、自分の曲を演奏してくれるメンバーに恵まれ、それを楽しんでもらえるファンに恵まれ、それを演奏できる場所にも恵まれ、作編曲家冥利に尽きるとコメントしていたが、確かにアレンジャーがその曲の出来栄えを自ら体験するには、自分のバンドを持たざるを得ない。サドジョーンズもそうであったように。

それが実現できている彼女はとりあえずアレンジャーとして第一の目標は達成している。
留学を終えた彼女は、また新しい目標に向かって色々画策しているようだが、この東京TUCでのライブは今後も彼女の活動のファンへのお披露目の場として続けてもらいたものだ。

本家の演奏 アルバムを出した頃のオリジナルメンバーの演奏



1. Low Down
2. Central Park Norhh
3. All My Yesterdays
4. It Only Happens Every Time
5. Off The Cuff
6. Kids Are Pretty People
7. Consummation
8. Fingers

Fredrik Noren (tp)
Peter Asplund (tp)
Magnus Broo (tp)
Gustavo Bergalli (tp)
Karl Olandersson (tp)
Bertil Strandberg (tb)
Markus Ahlberg (tb)
Magnus Wiklund (tb)
Magnus Svedberg (tb)
Fredrik Rudd (tb)
Anders Wiborg (btb)
Dick Oatts (as,aa,fl)
Johan Horlen (as,ss,fl)
Karl-Martin Almqvist (ts,cl)
Magnus Lindgren (ts,fl)
Robert Nordmark (ts,fl)
Gary Smulyan (bs)
Goran Strandberg (p)
Marlin Sjaostedt (b)
Jukkis Uotila (ds)

Produced by Lars Coran Ulander, Pawel Lucki
Recoeding Engineer : Ulf Osting, Jan Waldenmark, Pawel Luckki

Recorded live at Jazzclub Fasching, Stockholm, March 6,2003, September 18,2004, September 22,2005


Waves from Vanguard
クリエーター情報なし
Dragon
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